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『蛍のふるさと』瀬上地区の開発計画ってどうなってるの?

ココがキニナル!

蛍の名所として有名な上郷瀬上地区で、いったんストップしていた大規模開発計画が再び浮上したそう。どんな計画なのか、貴重な森はどうなってしまうのか知りたいです。(Tomoさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

都市計画提案制度に回数制限が無いので開発計画は未だ進行中。計画の詳細はまだ事業者から出されていない。

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ライター:ワカバヤシヒロアキ

東急建設に突撃
 


東京都渋谷区にある東急建設本社


計画地は、約65%を東急建設が所有している(約25%を地権者数十名、残り一部は官地)。
対応してくれたのは、開発営業部今井氏。本計画を約10年担当されている方だ。

―今回新たに計画されている案はどのようなものか?
「上郷地区に賑わいと里山を提供する計画には変わりありませんが、まだ、計画図等をお見せできる段階ではありません。ただ、前回提出の案よりはスケールダウンしたものとなる予定です」

―前回の計画案が否決されてもなお計画が進行しているのはなぜ?
「当社だけでなく数十人の地権者の方と一緒に計画しています。土地を有効利用するのは、所有者としての権利でもあります。却下された前回案での課題を見直し、再考している状況です」

―自然を破壊してしまうという認識は無いか?
「休耕地となった土地の、野ざらしの状態を自然とは呼べません。手をかけた里山こそが日本の本来の自然だと考えています。その中で、残すべき部分は自然として残すつもりです」

―もし、横浜市が土地を購入すると言ってきたらどうするか?
「我々は、先祖代々土地を所有されている方々と計画を遂行してきました。そうした方を思えば、お金で解決して終わりという考えには至りません」


事業者も自然は残したいと考えているようだった。ただ、100%の自然を望むかどうか等の解釈が、署名の会や市民と異なるために反感を買う結果となっているようだ。

さらに、地権者である地主の方(匿名のためA氏とする)からも話を聞いた。
 


上郷開発事務所にて取材を行った


生まれてからずっと地元にいるというA氏。幼い頃は両親が田畑を管理し、農業を営んでいる家庭に育ったそうだが、今は健康面や後継者の問題から農地としては使用できていないという。

―開発の目的は何ですか?
「今、土地を全く活用できていません。持っているだけでもお金が掛かるし、相続する際にも税金がかかる。収益還元を考えるのは所有者として当然のことだと思っています」

―目的は収益だけ?
「私はこの場所をずっと見てきた地元の者です。当然この土地を見守りたいと思っていますし、きちんと管理された自然として残して欲しいと思っています。自然が無くなれば良いなんて微塵も思いません」

この計画地には、地権者全員にまとまりがあり独断で土地を売却するような人は今までいなかったそうだ。そういう意味では、地権者の思いはA氏の考えを共有していると言える。

自然保全、賑わい、所有者としての権利などバランスをとった計画をしたいと主張する事業者側。
平成20年に一度計画を却下した横浜市はどのように考えているのだろうか?



横浜市の考え方は?



話を聞いたのは、横浜市都市整備局地域まちづくり課の担当係長。課の方針で写真や名前は出せないとのことだった。
 


HPには上郷開発計画の名前もあった


―前回計画案を却下しているが、市としてあの場所に対する将来構想はあるのか?
「開発区域の土地は地権者様のものです。行政が勝手に構想を持つことはありません」

―用都地域の見直し時期が平成27年なので、少なくともそれまでは開発されないのか?
「まだ平成27年というのは確定したものでありませんが、概ねその時期になるでしょう。前回の計画案と同様の手続きを踏むのであれば、それまでに事業者が着工することは法的にできません」

―開発される場合もある?
「それぞれの地権者が個々に、市街化調整区域のまま開発に至れば可能性はあります」

―再浮上した開発計画について市の意見は?
「まだ東急建設が事前相談に来ている程度。図面も無く、意見の持ちようがありません。ただ、地元説明はするようにと指導はしています」

―市が土地を買収し市民の森と同様に管理することはない?
「地権者の皆さんが開発を進めたいと言っている現段階では現実的な話ではないですね」


横浜市としては開発区域が私有地である以上、行政のプランを持つことは無いという。さらに横浜市が買収して自然保全を行うことも現実的ではないとの回答だ。
とどのつまりは、事業者側から具体的な計画案が出てこない以上判断できないということに尽きる。



取材を終えて



もしかすると「蛍のふるさとがコンクリートにされてしまうのか?!」と誤解している人も多いのではないだろうか。最初は私もそのように思ったが、実際には瀬上市民の森は開発区域の外である。

そうは言っても自然の生態系というものは一帯の中で活性化するものであり、一部を残せばそれで大丈夫というわけではない。地元や森を愛する人が心配するのも無理はないだろう。

如何せん実際の計画図面を見てみないことには何も分からないが、今回の取材を通じ、署名の会を含む市民側の考える自然保全と事業者側のそれとは、かなり乖離しているように感じた。一度は却下されたこの計画、そのあたりの認識の擦り合わせができなければ折衷することは無理だろう。納得のいく形のスケールダウンでなければ着工への道は険しい。

横浜市に残された少ない自然…保全と開発を両立させた計画案とは具体的にどのようなものになるのだろうか。
はまれぽでも、今後の動きに注目していきたい。


― 終わり ―
 

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  • 横浜市民はみどり税を取られているけど、こういう開発話しを聞くと有効に使われているのか心配になる…

  • 今我々が住んで暮らしいる場所もかつては自然豊かな土地だったのかもしれない。人口減少してる今の世で果たして開発は必要なのだろうか?人口12万の栄区で開発反対署名を9万も集めた意味を理解して地域のためにと言いきれるのだろうか?地権者と事業者の利害のため以外の何物でもないと言うことは地権者への取材で分かった筈です。地権者の言い分はその通りで、使えない金食い虫の土地を利益を生む土地に変えたいと思うのは当然のこと。しかし、誰かがNO!!を言わないと今後もこの様な開発は繰り返されると思われる。はまれぽは、開発推進する側に何のための開発なのか、地域にとって本当に必要なのかをもうちょっと突っ込んで欲しかった。

  • 新たに開発計画が提出されました(東京2012年1月6日付)。続いての取材をお願いします。

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