ローカルなJR鶴見線の改札とホームが謎の構造だって本当?
ココがキニナル!
鶴見駅鶴見線3番線と4番線を繋ぐ階段は封鎖されてますが、たまに開放されます。下の京急ストアと関係があるの?(Ver.321さん)/同じJRなのになぜ改札を2回も通らなければならないの?(黒霧島さん)
はまれぽ調査結果!
ホームを繋ぐ階段は4番線が使われている朝のラッシュ時は開放中。京急ストアは関係ない。改札を二度通らねばならないのは不正乗車を防ぐためだった
ライター:松本 伸也
改札を2つ抜けないといけない理由って?
まずは鶴見線のホームから改札を抜けると・・・お、たしかに左に「西口改札」、正面に「東口改札」がまだある。
こちらは鶴見線改札を出て左にある西口改札
こちらは正面の東口改札。CIALがあるほう
京浜東北線の利用客は、西口・東口いずれかの改札を通ればホームにたどり着くが、鶴見線の利用客は西口・東口の改札を通ったあとに“鶴見線改札”も通らなければならない。
入るにも出るにももう一つ、この改札の通過が必要
同じJRなのになぜ? という当然の疑問が湧き出てくるが、これには二つの用件が関わっていた。
まずは先の駅員さんに聞いてみたところの「たしか以前は別の鉄道会社だったと・・・」という点。
横浜市立図書館ホームページ内の鶴見図書館案内ページで詳しく調べてみると、鶴見線は戦前も戦前、1924(大正13)年に設立された鶴見臨港鉄道がその興りであり、2年後の1926(大正15)年から現在のルートが部分開業をしていく。鶴見駅から扇町駅までの本線部分が繋がったのが1934(昭和9)年で、現在の海芝浦支線が1940(昭和15)年に開通したことで、現在の鶴見線の全通となっている。
1935(昭和10)年の鶴見線路線図
その鶴見臨港鉄道の保有する路線を1943(昭和18)年に国鉄がいわゆる国家総動員法による“戦時買収”をしたことで、国鉄・鶴見線が誕生したのである。
買収前は国鉄も鶴見臨港鉄道(鶴見線)も同じ駅舎に乗り入れていたわけなので、改札が二つあるのは決しておかしなことではない。例えば、横浜駅中央改札のJRと京急の乗り替え改札のようなものである。
ここのこと
とはいえ、国鉄の駅となったのは先の大戦中だ。その間に改修なりなんなりで改札が取っ払われることはあってもよかったはずである。それが今も現存、現存どころかICカードも使える自動改札機が据えられている。これはなぜか。
その答えの大きなポイントは「鶴見駅以外の鶴見線の駅はすべて無人駅」、実はこれである。
どういうことかをJR東日本横浜支社の担当者様に話をうかがった。
JR横浜支社
「“鶴見駅以外すべて無人駅”だと、なぜ鶴見駅にもうひとつ改札口が必要になるのか。それは有り体に申してしまいますと『不正乗車の防止』ということになります」
ガード下の駅・国道駅も無人駅です
そう教えてくれたのは横浜支社の広報室・早瀬さん(現在、異動されて別部署ご担当。写真はNG)。なぜそれが不正乗車を防ぐことになるのかというと・・・。
「鶴見線の無人駅には、それぞれ自動券売機とSuicaの読みとりだけを行なう簡易装置が設置されておりますが、自動改札機はありません。つまり、残念なことですが無賃乗車もできてしまいます。切符やSuicaの入場記録がない場合、もちろん最終的な下車駅で改札窓口に行くことにはなりますが、そこで不正に手前の駅名を出すことは、本当に残念ながら可能になります」
こちらが簡易的なICカード読みとり装置
始末が悪いのは逆に鶴見駅から鶴見線に乗る場合で、
「改札がなかったとしたら、たとえば小田原駅で初乗り料金の切符を買い、鶴見駅で鶴見線に乗り換え、鶴見線本線終点の扇町駅で何事もなかったように降りるなんてこともできてしまうわけですね」
なるほど。これはもうひとつ改札が必要ですね。
なお鶴見線の“鶴見駅以外無人”が実施されたのは1971(昭和46)年のことだそうで、それ以前(つまり鶴見駅以外も有人駅だったころ)は改札口機能があったのかも聞いてみたが、残念ながら「現存する資料では分かりません」とのことでした。
いやいや、ありがとうございました。
「こちらこそ。みなさま、『切符は正しく目的地まで』。鶴見線ともどもよろしくお願いいたします」
鶴見線ではこんな魅力的なイベントもやっております
と、いうわけで鶴見駅、鶴見線ホームのキニナル謎2題、でした。
取材を終えて
私事ではありますが鶴見線のホームに入ったのも乗車も初めて。工業路線なのは知っていたので、日中なんか空いているのだろうと思っていましたが、これがけっこう混んでいた。
そしてSNSなんかに「初めての鶴見線」などと投稿したら「昔は高校に通うのに乗っていた」とか「国道駅の雰囲気が素晴らしい」などいつも以上に“イイネ!”な反応。
なんかみんなキニナル路線、なんですね。
―終わり―
かにかまぼこさん
2018年06月27日 04時58分
『2012(平成24)年には東口側にCIAL鶴見も開業。すっかり近代化した鶴見駅』って、それまでは近代化していなかったみたいな言い方はどうかな?以前にはカミンや駅ビルもあり、西口のバスターミナル以外はさほど変わったとは思えないのですが…そんなに近代化していない旧時代的だったかな?
東京出身Kさん
2017年11月26日 17時04分
無人化以前は、各駅に駅員が配置され、乗車券を手売りしていましたよ。
のんべえさん
2016年03月14日 23時59分
鶴見線は廃止にはならないのだろうか?廃止してほしくないなあ。とは言うものの、散歩がてら、ごくたま~に乗車するだけなのですが(^_^;)