横浜をステップアップさせる投資となるか!? 横浜市の2015年度当初予算案の概要は?
ココがキニナル!
横浜市が2015年度予算概要を発表! その詳細は?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
前年度比5.4%増の1兆4955億円を計上。インフラ整備に重点を置きつつも、市は「生活を意識した横浜をステップアップさせる予算」と説明
ライター:はまれぽ編集部
ステップアップ予算
次に、具体的にどのような事業に予算を盛り込んだのか。予算編成の方針も含めて、横浜市財政局財政部財政課の津留玲子(つる・れいこ)財政調査担当課長に聞いた。
予算編成の意図は?
横浜市では2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックをチャンスと捉え、都市インフラの整備、特に都心臨海部の強靭な都市づくりを目指している。
とりわけ都心臨海部の回遊性を向上させるため、林文子市長も公約に掲げた「次世代型路面電車(LRT)」導入の検討やコミュニティサイクル、水上交通を推進するための取り組みに3億7500万円を計上。
現在の物流拠点から「世界に誇るハーバーリゾート」にすべく、整備を検討している山下ふ頭の再整備については調査・測量、実施計画策定のための予算として4億5900万円を確保した。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の検討費は2014(平成26)年度と同額の1000万円となった。
横浜市が再整備を進める山下ふ頭
また、新市庁舎の整備事業は設計と施工を一括で発注する事業者の公募と選定を実施。さらに商業スペースの貸し出し方法を検討するための費用として1億3000万円を充てた。
このほか、横浜港のハブポート化や羽田空港へのアクセス充実のための交通ネットワーク整備には339億8500万円を計上している。
ハブ化した横浜港の完成予想図
インフラを整備する一方で、防災・減災や育児・教育など日常生活を意識した整備も行う。
子どもに関する項目では市立学校の耐震対策(53億6700万円)や空調設備に設置・トイレの洋式化など(39億4100万円)、教育環境の整備に力を入れている。先日紹介した「小児医療費助成の対象年齢引き上げ」もこの一環だ。
日常生活面では2014(平成26)年に発生した台風で尊い命が犠牲になったことを教訓に、市内の土砂災害警戒区域内にあるがけ地のうち、約3000ヶ所の調査を実施し、改善に取り組む。
同じ悲劇を繰り返さないために
さらに、新規事業として台風や局地的大雨の対策として河川改修を進めると同時に横浜駅周辺地区の浸水対策を強化するため、76億9200万円が割かれた。
2015年度予算について、津留担当課長は「市民の生活を意識しつつ、インフラ整備も並行して行う。横浜をステップアップさせる、思い切った投資をした予算」との見方を示した。
取材を終えて
予算編成に当たり「事業の優先度・緊急度を厳しく見極め『人』や『企業』、『都市』への投資を積極的に盛り込んだ。横浜の未来に向けて“オール横浜”で邁進(まいしん)する」と決意を述べた林市長。
371万人いる横浜市民が安全・安心して暮らせる街を実現するための手腕に期待したい。
―終わり―
Nicksさん
2015年01月30日 00時21分
東京都は震災、高齢社会、首都機能、東京五輪対策として狭隘密集地解消や交通網整備を強力に進めてます。都内の骨格道路が着実に整備されるのに対し横浜は停滞してる様に見えます。無電柱化さえ殆ど進んでいません。せめて事業中の都市計画道路の完成を急ぐ予算を組まないと整備が遅れている郊外区を中心に緊急輸送網確立や環境負荷低減を更に困難にします。横浜は中心2区だけでなく郊外16区が連綿と一体化してはじめて相互の公共施設が整備効果を発揮し、輸送能力や防災性が向上し、各区で偏る保育園や学校や病院の負荷も平均化できます。予算案に具体的記述もないLRTを語るのもいいが、目前の事業を早期完成させる予算や条例整備が必要では。また毎日70万人以上が市外に流出する都市の割に企業誘致策に斬新性を感じません。関内やMMや新横浜の民間オフィスビル新築にも税軽減措置をとりベッドタウン化を防げる予算や条例整備が望まれます。
駅馬車さん
2015年01月29日 11時38分
良い調査をありがとうございました。横浜も高齢化が進んでいるので福祉に使う予算が多くなっているのは納得です。新都市交通として期待されているLRTですが、横浜では敷設可能な場所というとせいぜいみなとみらいから本牧辺りまでしかないので実際には難しそうです。チンチン電車は好きなんですけどね。カジノ化はあまり本腰を入れていないような気がします。調査費が1千万しかないですし。