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港町・横浜を守るシンボルを発見! 港の見える丘公園にそびえる赤白のアンテナの正体は?

ココがキニナル!

港の見える丘公園にある赤白に塗られたアンテナは何のアンテナなのか気になります。携帯電話のアンテナでは無さそうです。(イルカさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

アンテナは船舶情報事業を手がける東洋信号通信社の通信施設。横浜港を航行する船舶との無線連絡用として、現在も毎日使用されている。

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ライター:篠田 康弘

ポートラジオの現場を公開



会社の沿革を伺った後に、実際に大黒ふ頭のポートラジオを運用している通信室を見学させていただいた。船舶は24時間365日運行しているため、この通信室も24時間体制で休みなく業務を行っているそうだ。

通信室は、横浜港を見渡せる場所に設けられていた。
 


通信室からみた横浜港
 

この写真では分かりにくいと思うので、流通センターの屋上から撮影した写真を使って、どのように見えるか紹介していこう。通信室からは、窓越しにほぼ同じ光景が見えている。
 


通信室の正面は、大黒ふ頭周辺を行き交う船舶が一望できる
 

右方向を見ると、本牧ふ頭の様子が見える
 

左方向には川崎港、その先には東京港、ずっと奥には千葉港と木更津港が見える
 

このように、横浜港周辺が一望できる場所に通信室が設けられている。建物の横や後ろの死角になる部分にはリモコン監視カメラを設け、大型モニターに常時映像を表示して対応している。
 


リモコン監視カメラからの映像
 

このようなカメラを
 

こちらのリモコンで操作
 

船舶の運航状況を実際に目で見て確認できるように、高性能の双眼鏡も用意されていた。
 


双眼鏡
 

そして次の写真が、実際にポートラジオのやり取りを行うデスクだ。モニターには船舶の運航情報、船舶の現在位置の情報、全国の港にある東洋信号通信の事務所から集めた船舶情報などが表示されている。
 


ポートラジオのやり取りを行うデスク
 

机の上に電話機が2つ並んでいるように見えるが、片方は船舶とのやり取りを行う無線機である。
 


船舶との通信を行う無線機
 

撮影をしていると、航行している船舶とのやり取りが始まった。
 


船舶から無線で問い合わせが入る
 

モニターで情報を確認し、問い合わせに回答
 

やり取りで得た最新情報を入力し、全国で共有
 

以前は全国の事業所と電話で情報をやり取りしていたが、インターネット網の登場によって簡単に情報を共有できるようになり、やり取りが格段に楽になったそうだ。

取材中も途切れることなく無線通信や顧客との電話対応をしていたが、船舶は朝入港して昼間に荷物の積み下ろしをし、夜に次の港に出航するというパターンで動くので、朝晩はもっと忙しくなるそうだ。

また船舶には、視点が水面上にあるため港のような構造物に囲まれた場所では遠くが見えない、車のようにブレーキを踏めばすぐに止まるわけではない、といった特徴があるので、無線通信業務を行う際は、周囲の船の航行状況などについて先々の予測などを含めて情報提供し、航行の安全を確保することが大切になるとのことであった。

なるほど、このような通信を行うために、山手の丘に建つアンテナが使われているのか。そう思って森田さんに確認したところ「確かにそうなんですが、山手の丘にあるアンテナは送信専用なんです」という回答があった。
 


このアンテナは送信専用
 

では受信用のアンテナはどこにあるのだろう? 森田さんによれば、受信用のアンテナはマリンタワーの上に設置されているとのことであった。
 


受信用のアンテナがあるマリンタワー
 

なぜ送信と受信のアンテナを分けたのかについては「送受信のアンテナが近すぎると互いが干渉してしまうので、離れた場所に設置しています」とのことであった。

大黒ふ頭での説明を受けた後は、山手町の旧本社に移動して、投稿にあったアンテナの設備を見学させてもらった。
  


こちらのアンテナを見学
 

竣工年を記したプレート
 

アンテナの先端部
 

アンテナの先端部に旗が吊るされているが、以前は旗を掲げてある場所の地名を示していたそうだ。現在は旗を用いることはなくなったが、港のシンボルとして掲示しているとのことであった。ちなみにこれは「本牧の鼻(鼻は岬や崎のような海に突き出た地形の意味)」という意味を表すそうだ。

アンテナの下の社屋内には、通信設備が完備されていた。
 


アンテナ用の通信設備
 

無線機も用意されており、必要があればこちらで船舶との通信を行うことも可能とのことであった。
 


無線機本体。大黒ふ頭の通信室で見たものと同じボタンがついている
 

長らく本社として使われていたこともあり、こちらの建物には歴史を刻んだ品々が残されていた。
 


ネットワークシステム導入前の、運行情報を記録した用紙
 

船舶とモールス信号でやり取りするための発光器
 

最後に旧本社の屋上から、横浜港を見させてもらった。
 


旧社屋の屋上からの風景
 

横浜港を広く見渡せる、非常に見晴らしのいい場所であった。何十年にも渡ってここから横浜港の安全が守られてきたと思うと、何とも誇らしい気持ちになれた。
 


取材を終えて



私たちの見えないところで海の安全のために活動している人たちがいることを、今回の取材で初めて知ることができた。東洋信号通信社の業務のおかげで船舶の安全が保たれていると思うと、本当に頭が下がる。休むことが許されない大変な仕事だが、これからも日本の港の安全のために頑張ってほしい。


―終わり―

東洋信号通信社HP
http://www.toyoshingo.co.jp/site/portal/
 

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コメントする
  • 子供の頃、山の下から見えるここが気象台だと勘違いしていました。(-。-;)

  • 普段は見られない港湾施設の一つである、無線基地局を取材していて面白かったのですが、無線設備の説明にはがっがり無線通信施設は、国際VHFと呼ばれる無線通信だと思うのですが、設備と資格の事も説明が無かった事は、残念です。

  • そういえばかつてはマリンタワーも赤白で塗られていましたね。マリンタワーも昔は周囲に高い建造物が無くて文字通りそびえ立ってる感じでしたが、今は高い建物に埋没する感じです。だから赤白に塗る必要がなくなったんでしょうか。・・・余談が過ぎましたね(笑)。

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