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明治期にあった京急大師線の火力発電とは?

ココがキニナル!

当時の大師電鉄は六郷川畔に火力発電所を建設していたとか。この発電所付近には「発電所前」という駅もあり、その後、久根崎に改称します。発電所と駅はどの辺りに?当時の鉄道の電気事情は?(ねこぼくさん)

はまれぽ調査結果!

大師電鉄の火力発電所は六郷橋付近に実際に存在した。明治期は会社経営の手段として鉄道会社も電気を売って兼業していた

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ライター:すがた もえ子

発電所があったという場所へ



それでは昔、発電所があったという場所は、現在どうなっているのだろうか?
『京浜急行八十年史』によれば、発電所は六郷橋付近に所在していたという。

 

京浜急行大師線港町駅から徒歩5分ほどの現在の六郷橋
 

六郷橋は、江戸時代に徳川家康が架けた橋だ。しかし洪水で流されてしまい、その後200年間は渡し舟の時代が続いていた。そのため、現在の六郷橋の入り口には船のモニュメントが飾られている。

 

渡し舟をイメージした六郷橋のモニュメント
 

1874年ごろ建設の洪水で流れた六郷橋(以下、旧六郷橋)は赤矢印のあたり(Googlemapより)
 

六郷橋から旧六郷橋があったあたりを臨んでみる
 

現在の六郷橋と鉄道用の六郷橋(写真の青い鉄橋)の間くらいに、旧六郷橋があったらしい。

 

六郷川木橋を行く電車。1900(明治33)年ころ(画像:京急電鉄)
 

鉄道用、歩行者用の橋は共に昔は木製で、川が氾濫するたびに何度も流されたのだという。
1928(昭和3)年12月28日に六郷橋駅~川崎大師駅間の経路が変更・専用軌道化となり、旧線上の久根崎駅、池端(いけはた)駅は廃止となった。

当時の名残を探したが、火力発電所も、その近くにあったのであろう久根崎(発電所前)駅もそれらしいものは見当たらなかった。

 

しかし大師電気鉄道の史跡が近くに残っていた
 

川崎宿観光案内の一つとして、付近にある電柱には大師電気鉄道の「六郷橋停留所跡」への案内が貼りだされている。

 

右手の一段高くなっている部分が六郷橋停留所跡
 

六郷橋停留所跡。ホームだろうか
 

大師電気鉄道の史跡として紹介されているが、こちらは1899(明治32)年に大師電気鉄道によって開業された六郷橋駅ではなく、京浜電気鉄道になってから1926(大正15・昭和元)年に六郷橋〜京浜川崎間の新設複線専用軌道開通のために移設された六郷橋駅の跡になる。

 

場所は現在の六郷橋のすぐ側だ(Googlemapより)
 

六郷橋停留所は戦時中に休止となり、1949年(昭和24)年7月1日に廃駅となった。
現在はフェンスに囲まれ、六郷橋停留所跡へ立ち寄ることはできないが、陸橋の上から見下ろすことができる。

同じ視界には鉄道用の六郷橋と、旧六郷橋があったであろう場所を見ることができる。



取材を終えて



現在も現役で活躍する大師線だが、明治・大正の時代には火力発電所も建設され、当時最先端の電気鉄道が行き来していたのだと思うと、普段何気なく見ている景色もひと味違ってくるような気がした。


―終わり―


参考資料
『京浜急行八十年史』(1980年) 京浜急行電鉄株式会社
『大正六年の株式売買 : 騰落予想』(大正6年)白眼老叟 編
『逓信事業図解』(1910年)逓信省
 

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  • JR川崎火力、JR信濃川水力など現役。江ノ電も昔自前の発電所をもっていて沿線の住宅に配電していたそうな。信越線の軽井沢から長野方面や横川から上野方は汽車ポッポの時代、碓氷峠のアプト式区間だけ先に電化したとき、横川に自前の発電所をつくっていたり。

  • あれ?いまもJRとか自前の発電所持っているじゃないの…?私鉄でも発電所持っているところ、あるような気がするけどどうなんだろう。

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