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桜木町の「東京電力の碑」が地面に埋もれているのはなぜ?

ココがキニナル!

桜木町の鉄道創業の地の碑の近く、地下道への壁際に東京電力の碑があるというか、埋もれています。これはなんですか? それと、どうして埋もれてるのでしょうか?(Aloha.Rickyさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

東京電力の電力ケーブルが通る地下トンネルを指す標石。2005年ごろに標石周辺の道路を舗装した際に標石の最下部の文字が隠れる形になった。

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ライター:小方 サダオ

東京電力に聞く



そこで東京電力株式会社広報室の小林商司(こばやし・あきつか)さんに話を伺うと「標石の先のふたの下には、洞道(どうどう)という電力ケーブルなどが通る地下トンネルがあり、その位置を示す標石と思われます。また鉄格子は通風孔になっていると思います」

 

中区にある東京電力関内変電所
 

1890(明治23)年にこの地から、神奈川県の電力供給が始まったという
 

「標石には1971(昭和46)年と刻まれていますが、関内の変電所は1973(昭和48)年に開設されました。1971年に洞道とともに標石を建て、洞道内の施設建設が進み、2年後にその施設とつながる変電所が出来たと思われます。埋もれていることに関しては、昔のことなので資料もなく分かりません」と答えてくれた。

関内にある変電所と関連のある地下施設だったのだ。

 

関内変電所との関連施設だという
 

それでは標石を建てた後、周辺道路が整備されたことはあったのだろうか?

横浜市都市整備局都市再生課の地区担当者に伺うと「2005(平成17)~2006(平成18)年にかけて、地下道入口や周辺の舗装改良工事を行いました。ただ、工事を行った結果、舗装が盛り上がり、標石が埋まるほどの改良工事になったかどうかは、資料が残っておらずはっきり分かりません」とのこと。

「しかし今回のような道路上の標石や案内板などに関して、工事後に問題がないかを関係施設の管理者に確認してもらっています。当時の東京電力の担当者に標石の状態を確認してもらっているため『問題ない』と了解をいただけていると思います。また、埋もれている部分に何が書いてあるかは分かりません」と答えてくれた。

工事後の関係者による確認で、標石の表示は問題のない範囲で埋もれていると判断されたようだ。



周辺住民に話を伺う



投稿の標石の周辺は、2005(平成17)年ごろに工事が行われたようだが、以前はどのようになっていたのだろうか、キニナッたので、周辺の方たちに聞き込みを行った。

 

中区花咲町の琴・三味線のお店「菊井屋」
 

店主の岡田博(おかだ・ひろし)さんとご夫人
 

1965(昭和40)年ごろ「菊井屋」の前を通っていた市電
 

店主の岡田さんに伺うと「そのあたりは桜木町駅の入り口で、1975(昭和50)年ごろまで駅舎がありました。昭和40年代に現在の位置に地下道が出来ましたが、それまでは横断歩道を渡っていました」と答えてくれた。

 

標石が作られる場所(青矢印)地下道はまだない(1956〈昭和31〉年『中区明細地図』)
 

標石が作られる場所(青矢印)(『神奈川の記憶 神奈川新聞社』)
 

次に野毛に古くからお店を構えるAさんに伺うと「市電が廃止になったのは、1967(昭和42)年ごろで、そのころから桜木町駅の周辺や野毛の街が変わっていったのです」

 

1968(昭和43)年に建てられた「ぴおシティ」
 

「少し経ってから『ぴおシティ』が出来て、地下道が作られました」と答えてくれた。

1968(昭和43)年に地下道が出来た後、1971(昭和46)年に東京電力の地下施設が作られ、そして2005(平成17)年ごろには新しく地下道入口などが改修されることとなるのだ。

 

地下道が完成している。標石がある場所(青矢印)(1966〈昭和41〉年『中区明細地図』)
 

1967(昭和42)年の地下道入口と「鉄道創業の地の碑」(『汐留・品川・桜木町駅百年史』東京南鉄道管理局)
 

洞道へのふた(白矢印)「鉄道創業の地の碑」は道路寄りにある(『汐留・品川・桜木町駅百年史』東京南鉄道管理局)
 

またAさんは「『鉄道創業の地の碑』は何回か場所を移動しています」と付け加えてくれた。

 

現在の標石(青矢印)と「鉄道創業の地の碑」の位置
 

「鉄道創業の地の碑」は舗装工事の際などに移動することはできたが、東京電力の標石は移動することはできなかった。そのため、標石をそのままにして工事が行われ、埋もれることになったのだろう。



取材を終えて



標石は、東京電力の施設の下などにあることが多いよう。南区の「本牧線54番」という送電線の下には「東電」と記された標石があり、敷地内には「線下標」と書かれた東京電力の標石が積まれていた。

 

南区の送電線
 

「東電」の標石
 

「線下標」の標石
 

標石が建つ場所の周辺に環境の変化が少ない場合は、埋められた当時のままの姿でいられる可能性が高い。しかし、旧桜木町駅前の施設の標石は、横浜の中でも変化の多い場所だったため、現在のように埋もれてしまったと考えられる。

変わりゆく桜木町の街の姿を見てきた標石といえるのだ。

 

街の変化を見てきた標石
 


―終わり―
 
 

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  • そうですね〜〜。懐かしい。昭和40年代の写真でしょうか?桜木町駅舎と全面水色の京浜東北線、後景に造船所の多くのクレーン。日常よく見ていた風景だけに……。

  • 本筋と関係ないですが、懐かしい桜木町駅の姿が見られて良かったです。

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