世界最大のカブトムシもいる鶴見の「ヘラクレスの里」って?
ココがキニナル!
最近、鶴見に「ヘラクレスの里」という昆虫ショップがオープンしました。カブトムシやヘラクレスを扱っているようですが、夏以外にも需要があるの?夏以外は何してるの?調査お願いします!(glenng55さん)
はまれぽ調査結果!
2015年オープンの「ヘラクレスの里」はカブトムシやクワガタなどを取り扱う昆虫ショップ。成虫も幼虫も売られ、1年中お客さんが訪れる
ライター:福原 麻実
「ヘラクレス」たちとご対面
せっかくなので、鈴木さんに昆虫の写真を撮らせていただいたのでご紹介したい。これを見てお店に行きたくなる方もいらっしゃるのではないだろうか。
窓の外をご覧になっている(?)ヘラクレス・ヘラクレス様(2万6000円)
つい敬称を付けたくなる風格。体長を尋ねると154mmとのこと。筆者の手首から中指の先までの長さは15cmくらいなのだが、ほぼそれと同じ体長ということになる。見ただけで重量感が伝わってきて、怖いというより「世界最大のカブトムシを見ている」という感動の方が強かった。
のちに調べたところ、飼育下で150mmを超える個体は多くないので、やや高額になるようだ。
83mmを超えるタランドゥスオオツヤクワガタ(2万5000円)
一緒に入っているゼリーは、子ども時代によく見た赤や緑のあのおやつのゼリーと同じサイズである。大きさが伝わるだろうか。名前の通り大きくてつやつやしていて、これが生きている昆虫だということに驚いていたのだが・・・
こちらはニジイロクワガタ(4000円~)
え、これ、生きてるの? この色と光沢。これが生き物だということを忘れそうだったが、写真を撮った時にちょっと動いていた。
昆虫を家で飼いたいというのは子どもの趣味だと思っていたが、大人にとっても「子どものころ、図鑑で見るしかなかったあのカブトムシが目の前にいる」という感動があるのではないだろうか。そう思って鈴木さんに伺うと、やはり、「ヘラクレスの里」のお客さんの多くが大人の男性だという。
専門の雑誌。「むし社」発行の「BE-KUWA」
ちなみに、雑誌「BE-KUWA」58号(左上)には国産カブトムシを88mmにまで育て「むし社認定ギネス」を獲得したとして、俳優の哀川翔さんが掲載されている。
「ヘラクレスの里」って夏以外は何をしているのか?
さて、お店についてもう少し伺うことにした。
投稿にあった「夏以外は何してるの?」については、ご覧の通り幼虫や成虫、道具類を仕入れ、販売している。取り扱い種類は夏がピークになるが、取材時の3月下旬でも50種もの取り扱いがあるとのこと。
カブトムシやクワガタのほとんどが、23℃~26℃の環境があれば生きられるのだという。要はエアコンのある部屋、空気穴のあるケースと木くず(幼虫は土)、あとはエサがあれば飼えるそうだ。
これがエサ。角が邪魔なので、大型のカブトムシには大きなゼリーを使う
仕入れは複数の業者から行い、また鈴木さん自らも育てている。昆虫の販売には特に資格や許可は必要ないのだそう。種の保存法や特定外来生物被害防止法などに抵触しなければ大丈夫なのだ。
カブトムシやクワガタは育てるための道具は少なく安価で、人間が生活しやすい温度で充分生きられ、場所も取らず、そして鳴かない。しかも一度に30~40個も産卵する。それゆえに「昆虫に興味はないが自宅で繁殖させて販売しよう」という人もいるという。
「儲ける」ためだけの生体購入・・・
鈴木さんはそれについて、良いとも悪いとも仰らなかったし、利益目的であってもちゃんと育てられるのなら悪いことではないのかもしれない。しかし筆者は購入も販売も、カブトムシやクワガタが好きな人だけがやるべきだと思う。
生きているのだから大切にすべきという道徳の面での理由もあるが、容器から脱走された時に捕まえたり、トラブルへの対処が難しそうだからである・・・。
こういう容器でも空気穴を広げて逃げちゃう子もいるとか・・・
とはいえ、あのカブトムシが、クワガタが簡単に買える。比較的高額な大型のカブトムシ(単体)と道具とエサをそろえても、初期費用は3万円を切る。生き物なので安易な購入はおすすめできない。だが、虫かごと網を持って駆け回ったり図鑑を見て憧れたりしたかつての少年たちには、すごく楽しいお店だと思う。知識がない場合はいろいろ教えてくださるそうなので、一度訪問してみてはどうだろうか。
取材を終えて
前述の通り、整然と並べられたキレイな昆虫たちの姿は、意外に怖くなかった。容器という透明の壁の向こうにいたし、おとなしかったのだ。しかし、君だけは怖かった。
お店にある「虫くじ(1回500円、5回2000円)」の景品であるヘラクレス・ヘラクレス。君だけは姿を見る勇気が出ないほどだった。
容器を破ろうとしているらしく、取材中ずっと引っ掻くような音が聞こえてきて、いつ出てくるのかと内心ドキドキしていたのだ。
この黒い蓋、そのうち突破するんじゃ・・
ときどき「カリカリ」が「ガリガリ」と濁点付きになって本気で怖かったが、この力強さがほかの虫にはない魅力なのだろう。共感まではできなかったが、面白い世界を垣間見ることができたと思う。
―終わり―
取材協力
ヘラクレスの里
住所/横浜市鶴見区佃野町3-1
TEL/045-834-7217
営業時間/平日13:00~20:00 土日祝12:00~19:00
詳しくはTwitter(@herasato_shop)で確認
定休日/水曜日(祝日は営業)
URL/http://www.herasato-s.com/
参考文献
『日本と世界のカブトムシ クワガタの飼いかた』(安藤“アン”誠起著)実業之日本社
『BE-KUWA(58)2016年3月号』 むし社
ばにらぷりんさん
2016年04月11日 10時26分
しまじろうの絵が上手すぎです(笑)私は記者さんと同じで虫はダメだけど、写真を見て夫と子どもが興奮していました。男の子にはたまらない世界なんでしょうね。あ、だけど虫ドルっていますよね。ブームなのかな。
ぼののんさん
2016年04月08日 20時44分
カッケー!女性には怖いものかもしれないが「かつての少年」には堪らない。150mmクラスのヘラクレスが2万で買えるなら良心的な店じゃないだろうか。