日曜早朝のみ運行、東急バスの激レア路線「日52」系統とは?
ココがキニナル!
港北区の「東芝日吉住宅前」バス停は1週間に1便しかバスが来ないのですが、住宅に住んでいる方々が利用しているのか気になります。(よこはまんごーさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
かつて東芝日吉独身寮があったため名前として残っているが、近隣住人の利用はごくわずか。グリーンラインの影響で短縮され、片道だけ残る激レア路線だった。
ライター:山口 愛愛
日曜の朝10分だけのマニアックな旅(つづき)
バス停をひとつずつ探す
通常このくらい本数があるものと改めて確認
しかし、「東芝日吉住宅前」に停まるバスはない、ない!
スマートフォンで調べてみるが、やはりない。元のバス停に戻って調査を続けることはできないのか?
それぞれのバス停の時刻表や行先を何度も確認していると、停車していたバスの運転手さんが中からわざわざ、「どこに行きたいんですか?」と優しく声をかけてくれた。
「東芝日吉住宅前です」と答えると、「こちらからバスは出てないから、近くに行きたいなら4番のバス停で『アリュール日吉本町』で降りて歩けますよ」と教えてくれた。
たしかに来るときに通ったバス停の名だ
なるほど。「日52」の路線自体がレアなのだが、「東芝日吉住宅前」がとくに激レアといわれる所以(ゆえん)は、片道のみのバス停であるからなのだ。
なぜ、利用者がいなかったのか? 地図で位置関係と経路を確認してみる。終点の日吉駅東口は、前述したように横浜市営地下鉄グリーンラインの日吉駅前で、「東芝日吉住宅前」は、グリーンラインの「日吉本町」の近くであることが分かる。
位置関係はこのようになっている
さらに、出発地点の白坂住宅前の付近を見てみると、ここも市営地下鉄グリーンライン高田駅のすぐ近くであることが分かった。なぜ、利用客が少ないのにこの経路を早朝に走らせているのか謎が深まってくる。帰りはグリーンラインと比較するために、地下鉄へ。
あれ? もう着いた? 中山行きに乗ると、隣の「日吉本町」までたった1分で到着した。
地下鉄グリーンライン日吉駅から
1分で日吉本町駅に到着
駅の周辺で聞き込みをしようとするが、人影がない。午前7時30分ころ、コンビニエンスストアから出てきた50代男性に聞いてみるが、「ふだんは車だし、バス停にも気付かなかった。家族も地下鉄を使うかな。でも、そんなに珍しいバスなら逆に流行りそうだよね」と笑う。「ジャージだし写真はカンベンしてね」とのこと。
日吉本町駅から「東芝住宅前」バス停まで徒歩2分
東急バスを直撃! 減便、短縮で今の路線に
実際に乗車してみるとキニナルことだらけとなった。東急バス株式会社経営企画室総務課の脇山隆(わきやま・たかし)さんに質問を投げかけると、「調べるお時間をいただけますか」とのことで、後日、丁寧に対応してくださった。
東急東横線沿線は当然ながら東急バスが多い
この「日52」は、もともと東山田営業所から、白坂住宅前、日吉本町などを通り日吉駅までの区間を運行していたものだったが、横浜市営地下鉄グリーンラインが2008(平成20)年3月30日に開業したことに伴い、路線を見直し、大幅に減便したという。
さらに2010年(平成22)年には、営業所の運行担当の整理があり、同年5月1日付で東山田営業所の担当から新羽営業所に変更されたことに伴い、運行区間を白坂住宅前から日吉本町を通り、日吉駅に向かう路線に短縮したのだった。
グリーンラインの影響が大きいようだ
「東芝日吉住宅」を探したが見つからなかったことを聞いてみると、「かつては、東芝の独身寮が近くにあったそうで、停留所名も『東芝独身寮前』という名称でした」とのこと。
その後、独身寮の建物はなくなり、跡地の一部を活用する形で戸建ての住宅開発がなされて、「東芝日吉住宅」と表記されているらしいとのことだった。
キニナル運行ダイヤについて尋ねてみると、「かつては多数運行する路線でしたが、地下鉄の開業により、大幅な見直しに至りました。しかしながら、将来的なお客さまの動向の変化の可能性も考えられるため、日曜日に1本のみという形ですが、運行いたしております」とのこと。
かつて運行していた路線は利用客が多かったというように、ニーズのある経路に地下鉄が通った、という順序だったのだ。
懐かしい地図看板にもバス停が描かれている ※クリックして拡大
過去の激レア路線のレポートにもあったように、通称「免許維持路線」といわれるものがある。時代を経て、路線バスの運行ルートの免許制は許可制へと変わり、ルートの改廃の規制は緩和されたといわれているが、やはり一度ルートを廃止してしまうと国土交通省の許可が下りるのが難しい。
イベントなどで一時期だけ乗客が見込め、増発するときや、災害時などの臨時便を走らせるときに、すぐに運行できるよう定期便を残しているケースが多いようだ。
貸し切り運行する際も、定期便があれば「臨時増発」の扱いで、すぐ運行できるなどのメリットがあり、残している場合もある。
週に1回の乗客を待っている・・・
このような理由で、利用客が少ないながらも何年にも渡り運行を続けている“隠れ”人気路線があり、バス愛好家などに愛されている。
興味のある方は、激レア路線の中でも珍しい「日52」を利用してみてほしい。
取材を終えて
激レアバスに乗っていると、何気ない道にもワクワクしてくる面白さがあった。
「乗客がいないのに、なぜ走っているのか」という質問に対し、しっかり経緯を調べて説明してくれた脇山さん、バス停で声をかけてくれた運転手さんといい、真摯な対応に東急バスへの関心が高まった。はまれぽの激レア路線の旅はつづく。
―終わり―
サバさん
2021年01月20日 17時54分
はまれぽさん最近更新少ないどうしたんだろう?
ぽっちょさん
2021年01月17日 22時17分
これ乗ったぜかなり人がいなかったですね〜まるで貸し切りみたいで楽しかったです。!!
おいさんさん
2016年08月15日 21時21分
元々は、日吉駅から高田、綱島を経由する循環線、その後日吉駅-道中坂下間の路線が通るとこだったかな。南日吉団地行(今はサンヴァリエとかいうの?)とともにジャカジャカ日吉駅から出ていた様な。後身の東山田営業所行のルートが日吉南小学校裏の新道(昔は一面の田んぼだったのよ)へ移ってからこんなに過疎化していたとは今は高級住宅街だけど、本当に社宅だらけの町だった。ど真ん中にこれら企業へ土地を売った成金さんのプール付の豪邸があったりしたなあ