「プラスアルファ」を！

スーパーマーケットについてはおおむね好評だったが、施設全体について話を聞くと、反応が変わる。

既に3回ほど「本牧フロント」で買い物をしたという50代女性は「スーパーの品ぞろえは充実している。買い物『だけは』便利になった」という。

「以前はフードコートがあり、食事もできた。休憩スペースも広く、近所の人とお話しできる時間と空間がなくなってしまった」と嘆いていた。

　

ソファーや


いす


レストスペースはあるが「ゆっくり食事」はできない

　
また、1歳の子どもがいる30代女性は「『アカチャンホンポ』がなくなって不便。『ユニクロ』も撤退してしまったし、日常生活にプラスアルファできるおしゃれな服屋さんや雑貨屋さんがある施設ではないと思う」という意見だった。

　

「ベビーカーだと通路が狭く感じる」とも

　

近隣施設や商店街は？

「本牧フロント」がオープンしたことによる影響はあるのか。

「本牧フロント」からバス停2つ、徒歩で5分ほどの横浜市中区本郷町「本牧リボンファンストリート」で買い物客らに話を聞いた。

　

オレンジのサンシェードが目を引く商店街

　
個人商店で鶏肉を購入した70代男性は「一度（本牧フロントに）行ったが、ごちゃごちゃして疲れた。知った顔のお店で買うのが一番いい」という。

また、ある店舗も「（ヨーカドーが閉店して、本牧フロントを）改装していた8月以降も、そんなにお客さんの数が変わった印象はない。新しいお店ができても、変わらず買いに来てくれるお客さんがいることはありがたい」と話していた。

　

地元の人に支えられて続く商店街

　
続いて、イオン本牧店。

　

「本牧フロント」から徒歩10分もかからない距離

　
買い物をしていた80代女性は「安くても、一人だとあまり多く食材を使わないし、持って帰るのも一仕事。こっちはバス停が目の前だから便利で使ってしまう」と、安さだけでない利便性を求める声もあった。

　

荷物や移動が多い人には利便性が高い立地のイオン本牧店

　
今後の「本牧フロント」について、資産管理業務を委託された会社は「地域の皆様のニーズに最大限応えるべく、幅広く、かつ奥行きのある商品ラインアップを持つ3つの大型専門店と、そのほかの個性豊かで独自色を持つ小型専門店とのテナントミックスをうまく図りながら、時とともに成長し続け、地域の魅力が高まるような施設づくりを目指して運営していきたいと考えている」としている。

取材を終えて

オープンから1週間、「カテゴリーに特化した核テナント」も魅力的だが、「地域住民の方々に愛される」施設になるには、「日常生活プラスアルファ」を求める声もあるということを考慮した運営が求められる。

とはいえ、改装期間中に比べると、本牧地区に活気が戻っているといっても差し支えないだろう。「本牧フロント」の今後に期待したい。

　

本牧の「フロント（＝顔）」になれるか

　

―終わり―