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青葉区の道路計画「恩田元石川線」が中断してツギハギって本当?【後編】

ココがキニナル!

横浜市青葉区の恩田元石川線と呼ばれる道路計画が中断してツギハギの状態となっています。横浜市のサイトでは計画の廃止はしていないようですが現在計画はどうなっているか調べてもらいたいです。(あぽーさん)

はまれぽ調査結果!

日吉元石川線から横浜上麻生線までは2020年度ごろまで、環状4号線以西は2025年ごろまでに着手予定。ほかは未定や都市計画決定がされていない区間

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ライター:小方 サダオ

横山議員の語る恩元線開通の展望について

 

横山議員

 
まずは「恩元線」について伺うと「これは私が1995(平成7)年の初当選以来、取り組んできた問題です。青葉区は南北に伸びる道路は多いのですが、東西を結ぶものは少ないです。この路線は重要度が高いにもかかわらず、完成が長引いているのは、『住民参加の道路づくり』の構想が関係しています」

「当時は市民の公共事業への批判が多かったころで、そのために『住民参加』という案が出たのでしょう。しかし道路づくりに住民を参加させる形にしたために、行政側がいろいろな意見を聞きすぎて、方向性が定まらなくなり、早く作る機会を逸してしまったのです。この構想によらなければ一気にできた可能性はあります。そして高秀元市長が退いた後は、計画は一歩も進んでいません」

 

住民参加の構想が出たころは市民の公共事業への批判が多かったという

 
「私が初当選した時、この構想が迷走し始めたころでした。最も強かった反対理由は『246号線の交通が流れてくる』というものでした。しかし当時は246号線の立体交差は少なく、渋滞が激しかったため、抜け道に利用される可能性を感じたのかもしれません。しかし、今は立体交差も増え渋滞も少ないため、その可能性は低いです」

「また1995年ごろを境に地方財政が厳しくなってきたことも原因です。道路づくりで大事なのは、誰かが将来性を見越して責任を持って『〇年までに整備する』とビジョンをはっきりさせることなのです」とコメントしてくれた。

 

新旧の住民によってできた区画整理事業区間の道路

 
今後の展望について伺うと前編で述べたように「日吉元石川線から上麻生線までは先行して、2020年ごろまでの事業着手を目標にすると決定しています。真ん中の川の交差するあたりの区間は事業着手の目標時期は未定です。その先は、2025年ごろまでの事業着手を目標としています。田奈高校の先は地元住民の反対や緑地保全の関係で中止になっています」とのこと。

 

2020年ごろまでに事業着手目標の日吉元石川線(青線)と上麻生線(赤線)の区間


2025年ごろまでに事業着手目標の着手予定区間(緑矢印)


現在の道で代用する区間(紫矢印)と中止区間(赤矢印)
 

今後の着手区間などを示した図

 
住民の反対に関して伺うと「『住民参加』は新住民と旧住民の間に軋轢(あつれき)を生むものとなってしまいました。旧住民にとっては先祖代々の土地を投げ出すのですから無理もないでしょう」

「『住民参加の道路づくり』当時の住民は環境保護などを訴える人もいましたが、現在は基幹道路も整備されたこともあり、利便性や街の機能上のことを考えられる人たちが増えているのです。私は反対のあった、すみよし台あたりで講演を行うことがありますが、地元の人たちからは『作ってほしい』という声も聞きます」

「高秀市長は土建業界出身の人で、今までの公共事業としての道路整備の矛盾点を感じていた人のため、道路づくりの理想形を『住民参加』によって実現しようとしたのかもしれません」と答えてくれた。

 

荏子田にある整備区間

 
最後に横浜市道路局企画課の原裕二(はら・ゆうじ)さんに、まずは「道路建設は予算の問題で進まないのか」について伺うと「道路整備の順番として考慮すべき事項は、いつも渋滞しているか、今後そこに大量交通が生じる可能性があるか、などが最初に挙げられます。そのうえで、予算の問題などが考慮されるわけで、予算だけの問題ではありません」と話す。

「土地の買収状況」に関して伺うと「恩元線については、現在、事業化している箇所はございません。ただし、恩元線の鉄町付近は、先行取得路線に位置づけているため、地権者から買取希望があった場合、用地買収の相談に応じています」とのこと。

 

中央分離帯のある荏子田の整備区間

 
地権者による整備区間の区画整理事業に関して伺うと「区画整理組合をつくった土地所有者は、従前(じゅうぜん)の土地に対して、一定の減歩(区画整理などで土地面積が減ること)を行い、土地を提供することで、道路などの公共施設整備に使う土地と工事費を生み出します」とのこと。

「『恩元線』は始点の恩田駅付近から作る必要があるのか」については「都市計画道路の整備において、延長が長い路線はいくつかの工区に分けて、事業を進めます。複数の工区がある場合の整備順序は、工区の特性や整備効果などを考慮して決定しており、必ずしも起点側から着手する訳ではありません」という。

 

恩元線と合流予定だった恩田駅近くを通る道路

 

「『恩田・すみよし台地区』は凍結なのか」については「当該地区は現在、都市計画決定されていない区間となっています」とのこと。

「現在整備されている区間は、昭和50年代前後の区画整理の際に出来た住宅地のための道路であり、都市計画道路ではない」ということに関しては否定。「当該道路については、区画整理事業で整備された道路を整備後に都市計画決定されたもので、都市計画道路です」と原さん。

恩元線の計画決定後、実際に整備された区間に関しては「2003(平成15)年の都市計画決定以降、整備された区間はありません」とのこと。

 

田奈高校前の整備区間

 
「全長約7kmのうち約3kmの区間が昭和50年代前後の区画整理事業により整備済み」とあるが、そのときから計画道路の計画があったのか、については「当方では区画整理当時の情報がございません。市として整備計画を決めたのは都市計画決定時になります」とのこと。

「恩元線を作る目的に『国道246号線のバイパス的な役割を担う』というものは含まれていたのか」については「都市計画決定時の説明資料などにも国道246号線のバイパス機能という考え方はありません」とコメントしてくれた。

また、恩元線の着手時期については、前述のように「日吉元石川線から横浜上麻生線までの区間は、2020年度ごろまでの事業着手を目標とし、環状4号線以西の区間は、2025年度ごろまでの事業着手を目標とのこと。なお、横浜上麻生線から環状4号線までの区間の事業着手時期は未定です」という。

 

恩田の森へと上がる階段

 


取材を終えて



前出の横浜市発行『調査季報141号2000年3月号』では行政機関による、長期間の取り組みの上で結論づけた、「最善の合意形成が図れたのか、という課題は疑問として残っている」との所感が印象的であった。しかし参加者からの「意味があった」との言葉が示すように、有意義であったといえるだろう。理想的な公共事業の形の実現の難しさを表した、貴重な例となったといえよう。

 

理想的な公共事業の実現の形について挑んだ「住民参加の道路づくり」

 

―終わり―
 

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  • ナビをつけずにうろ覚えの状態で、方向感覚だけを頼りに二輪で走っていた時に、何度もこの路線の行き止まりに突っ込んでましたよ…。恩田側で住民の協力を取りつけられず全線開通はもはや困難だとしても、元石川から環4まではなんとか通して欲しいところ。

  • 部分部分だけで点線みたいに開通させると、間で抜け道にされる地域が大迷惑ですね。簡単ではないですが、計画の段階で土地収用のめどが立たないのであれば別の手段を考えるべきかと。もちろん強制執行などもってのほか。だからといって、東京みたいにある程度完成している都市ならばともかく、交通インフラとしては未完成な市の周縁部にいつまでももたもた時間をかけているのもどうかとも思います。

  • 「都市計画道路」って、都市計画決定されてから 用地買収と工事予算 等を にらめっこしながら、何十年もかけて全通させるのが当たり前なので、当該道路の現況はこの道路の歴史のある部分にすぎないでしょう。 実際、環状2号線の 市バス磯子車庫~京急屛風浦駅付近の数百メートルは、1975年頃には開通していましたが、境木~市沢町の暫定開通まで 20年間程かかっています。 また、権太坂・和泉線も「戸塚近くのマンションの下のトンネル・・・」の記事の如く、部分開通・部分工事完了のパレード状態です。 一気に開通させるのであれば、道路用地の強制収用・行政代執行とかの物騒な話になってしまいます。

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