地獄豆腐の恐怖・・・

待つこと数分、注文した料理が運ばれてきた。
まずはミックスホルモン。
　

ミックスホルモン（290円）。この値段で大満足のこの量！


牛タン（800円）。値段が高く感じるが、肉が分厚くてボリュームたっぷり

そしてお待ちかねの、地獄豆腐！
　

なんか黒いカタマリが到着しましたよ･･･

うわっ！　マグマみたいだ。しかも結構大きいな･･･。
豆腐一丁そのままの上にマグマがかかっているようだ。

でも待てよ？この豆腐からマグマをどけるとどうなるんだろう？
　

！！！！！！！！！！

今度は中から真っ赤な炎にも見える唐辛子の山が溢れ出てきた！
見なきゃよかったかも･･･。

しかし、見ていても始まらないので、とりあえず食べてみることにした。
　

い、いただきます･･･

･･･あれ？意外と辛くない？
どうやら黒い部分はゴマのたれになっていて、うまく赤いトウガラシの辛さを消してくれているようだ。

「あ、これなら余裕でいけるかも！」と、思っていたのもつかの間、後から辛さが口の中にジワジワ広がり、辛いというより、痛い！！一瞬ギブアップしようかと思ったが、残して2倍の金額を払うのは嫌だ。なんとか30分ほど戦った挙句、遂に地獄豆腐に勝利！

さて、強敵を倒してお腹も気持ちも満足したところだが、本来の目的を見失っていた。
そう「防衛価格」の意味が全く分からないままだ。考えていてもわからないので店主に聞いてみることにした。

防衛価格の意味がついに明らかに・・・

　

店主の船越さん

―「防衛価格」ってどういう意味なんですか？
防衛価格はライバル店に比べて安い価格という意味です。看板にしたのは、このお店を立ち上げた今は亡き先代が実際に原価すれすれの価格で料理を提供したことが始まりです。

―お客さんから「防衛価格」について聞かれたことはありますか？
いやー、ないですねー。

―常連さんは「防衛価格」を知っていますか？
書いてるのは知っている人はいても、たぶん意味は誰も知らないんじゃないですかね？

―価格は昔のままなのですか？
メニューにもよりますが、以前はもっと安かったです。しかし、仕入れの価格が高くなってきたので、ご提供する価格も上がってしまいました。

―では、今は防衛価格ではないのですか？
いえ、仕入れ価格によって値段は変動しますが、先代の意思を継いで今でも出来る限り料理をお安く提供しています。
　

カウンターにはひょうたんがぶらさがっていた

―このお店は何年ぐらい営業されているのですか？
1977年からなので35年になります。以前は10店舗以上あったのですが、今は石川町と弥生町の2店舗あり、弥生町が本店になります。

―ちなみに地獄豆腐は昔からあったのですか？
創業当時はなかったです。いつ作られたのかは正確にはわからないですが、最も繁盛していた時期に、新しいお客さんがお店に入れないので、ゆっくり飲んでいるお客さんに早く帰ってもらうために作った料理だと言われています（笑）。実は熱湯コマーシャルでお馴染みだった「スーパージョッキー」というテレビ番組でも紹介されたことがあります。

―これからどのようなお店にしていきたいですか？
これからも先代の意思を継ぎ、これからも安くておいしいホルモン焼き屋さんとして、多くの方に親しまれるお店にしたいです。

取材を終えて・・・

普段あまり聞き慣れない「防衛価格」とは、ライバル店に比べて安い価格という意味だそうだ。

どんな事業をやるにしてもライバルが多い世の中。
他店より「安い」というのをブランドにするのも勝ち残るための１つの戦略だった。

しかし、インパクトのある言葉を使うのは良いのだが、見た人がすぐに意味を理解できないと、あまり看板効果がないのではないかと思ってしまう。

また、誌面の関係で紹介できなかったが、ここで提供された料理はどれも美味しかったが、地獄豆腐はもう頼むことはないだろう・・・。

最後に、この取材後、お腹とお尻の穴の痛みに2日間苦しんだことは、読者のあなたと私だけの秘密にしておいてほしい。


―終わり―


◆ひょうたん　石川町店
住所／横浜市中区石川町1-13-8
電話番号／045-212-1133
営業時間／月～日　17:00～翌1:00（L.O.24:30）