かつて改札が2階にあった? 京急線黄金町駅の歴史を教えて!
ココがキニナル!
黄金町駅改札は昔2階にあった?当時の写真や平面図を/黄金町駅はなぜ急行が止まらない/前身の湘南電気鉄道の始発ターミナル駅および本社社屋という由緒ある駅(かわさささん/じゅんたさん/ushinさん)
はまれぽ調査結果!
黄金町駅は1930年に湘南電鉄の起点駅として開業。2010年のダイヤ改正までは急行の停車駅だった。改札口は1990年の改良工事時に1階へ移動した
ライター:山崎 島
昔は急行停車駅だった
かつて湘南電気鉄道の起点でもあった黄金町駅。おまけに本社もあったなんて、由緒ある駅ではありませんか。当然、当時は急行が止まる駅だったそうで、山崎が調べた資料には古い時刻表も載っていましたが、事実を確認するため、京浜急行電鉄にお話を伺うことに。
黄金町駅ですぞ
今回、対応してくれたのは、京浜急行電鉄株式会社総務部広報課の宮本幸彦(みやもと・ゆきひこ)さん。
さっそく、かつて黄金町駅は急行停車駅だったのか伺うと「1999(平成11)年7月のダイヤ改正までは、急行の停車駅でした」と答えてくれた。
え、結構最近の話じゃないですか!! どうして急行停車駅から外れたんだろうか? お隣の日ノ出町駅はエアポート急行が止まってるし、何故でしょう。
ヒノデーゼもいいよなあ
宮本さんによると、エアポート急行の停車駅は、ダイヤ改正時に「横浜駅から羽田空港」と「新逗子駅~日ノ出町駅から横浜駅」のアクセス向上を目指して、停車駅を選定したとのこと。
桜木町や関内といった横浜都心部に隣接し、競馬開催日には通常の倍近い利用者がある日ノ出町駅とは違い、黄金町駅は横浜駅までの途中駅で通過待ちをすることなく、乗車できるため、急行が停車しないのだという。
日ノ出町駅周辺は他社線の駅や繁華街、公園などが集まっている(Googlemapより)
また、宮本さんは停車駅の選定については、「特急停車駅のほか、空港アクセスの向上についても、各方面からの乗り換えの利便性の向上が重要と考え、杉田、日ノ出町、仲木戸、京急鶴見といったJR隣接駅を急行停車駅としています。また、横浜のアクセスの向上については、各駅からできるだけ『通過待ち』することが無く横浜に到着できることが重要と考えており。能見台、弘明寺、井土ヶ谷について急行を停車することさせていただきました」。
杉田駅にも止まるもんなあ、急行
最後に「現在のところ、黄金町駅に急行が止まる予定はありません」とのお話をいただいた。
淀みない回答ありがとうございました
駅を使用する人数や立地、スムーズで無駄が無いダイヤの運行を考慮して、黄金町駅は急行停車駅では無くなったんですね。また改札口に関しては、以前は2階にあったがバリアフリー化のため、2012(平成24)年の駅改修工事により、現在の形になったとのことだった。駅の平面図は安全上差し支えあるため公開できませんでした!
現在の黄金町駅改札は1階
続いて、私自身、黄金町駅って今の形しか知らないので、近くにお住いの方に昔の黄金町駅の様子と、それから急行が止まらないことについてのご意見を聞いて来ようと思います。
地元の人はどう思っている?
イセザキ・モール(緑線)で聞き込み(Googlemapより)
最初は、伊勢佐木町6丁目の川本屋茶舗さんにお話ききました。川本屋茶舗さんは、なんと伊勢佐木町に1908(明治41)年に創業した超老舗。現在お店を切り盛りするのは、中区防犯連絡協議会会長も務める川井明(かわい・あきら)さんご夫婦。
川本屋茶舗さん
「かつて黄金町駅のガード下には青線地帯が連なっていましたが、2005(平成17)年に行われたバイバイ作戦で徹底的に規制し、今ではすっかり住みやすい街に変わりました。駅は2010(平成22)年ごろに井土ヶ谷駅がキレイになり、その次に黄金町駅が改修されました。耐震性に問題があったため、と聞きましたが、バイバイ作戦により駅周辺がきれいになったことを受けて、駅を改修したように思います」と川井さん。
改札が2階にあったことはあまり記憶にないそうだが、急行については「以前は急行も停車していましたけど、何年か前に各停だけになりましたね。この駅で降りる方も多いと思うので、急行が止まってくれるといいです」とお話してくれた。
イセザキ・モールで開業したころの川本屋茶舗さんの貴重な写真
「イセザキ・モールは1丁目が入口と認識されていますが、6丁目も入口です! ぜひ黄金町駅からお出かけ下さい」と川井さん。黄金町駅の発展とともに、伊勢佐木町6丁目もにぎわうと良いですね。
続いて、お近くのオオノデンキさんにもお邪魔した
昭和初期創業のオオノデンキさんは、かつて桜木町駅近くの花咲町にお店を構えていたが、関東大震災後にこちらに移転したという、これまた老舗店です。子どもの時からずっとこの場所で過ごしていたというご店主に、以前の黄金町駅の様子についてお話を聞くと「工事する前は昔ながらの駅って感じだったかな。今の日ノ出町駅のイメージ。自分が学生時代は急行止まってたねえ」
「急行が止まらなくなったのは、利用するお客さんが減ったからかね。でも南区役所も市大病院もあるし、黄金町駅を使う人は多いと思う」とのこと。確かに! 黄金町駅から徒歩10分ほどの場所に、南区役所や市大病院がありますよね。利用する人は多いように思うが・・・でも横浜市営地下鉄ブルーラインの阪東橋駅も近いし。
南区役所(青矢印)や市大病院(緑矢印)(Googlemapより)
さらに、平戸桜木道路沿いにある老舗店にも話を伺った。
1953(昭和28)年創業の糸福商事さん
糸福商事さんの若店主は、なんとはまれぽ読者でいらっしゃった。ご店主と若店主のお二人にお話を伺いました。
「ここは大岡川沿いにズラーっと飲み屋の屋台が並んでいて、どのお店も川にせり出す形だったんだよ。そんな風景も、1964(昭和39)年の東京オリンピック前にだいぶ整備されたね。また、最近は若い女性も黄金町駅で下りるような街に変わってきた」とご店主。黄金町駅周辺はがらりと変化したが、駅自体が大きく変わったという印象は無いそう。
2階に改札口があったことについて聞くと、若店主が「あ! そうだったよ、改札は2階にあった!」と図を描いてくれた。
こんな感じだったようです!
「売店は改札の外と中から入れたから、オレお小遣いもらって買い物しに行ってたもん」と昔のほっこりエピソードをお話してくれた。古き良き昔の駅だった、かつての黄金町駅の風景が目に浮かぶよう。
ということで、黄金町駅の歴史について駆け抜けて参りました。コガネーゼではないけど、黄金町をよく利用するユーザーとして、駅の歴史や急行停車駅について知れたのは良かった。いろいろな歴史が重なり合う場所なだけに、今後の展望にも注目していきたい。
取材を終えて
こうやって駅1つ調べてもいろいろと興味深い歴史が出てくるから、ほんと地域を掘り下げるって面白いって思いました! もっと黄金町ネタやりたいなあ。
―終わり―
ちゃぴさん
2017年10月15日 14時08分
小学校の最寄り駅だったので、1977年から黄金町駅を利用していました。当時下からホームまでの一直線の階段の途中に改札口がありました。1978年頃から工事が始まり、階段を上ったフロアの右に売店と改札口、左に券売機が出来ました。その真下辺りに本屋がありました。黄金町から日の出町にかけての高架下の道は通ってはいけないと言われていました。駅の脇の工事が進まない空き地は祟りがあるからと聞いていました。懐かしいです。駅のすぐ隣の喫茶店によく行きましたがもうないのかなぁ?
Fuさん
2017年07月16日 22時16分
黄金町から横浜へはいいんですが、上大岡方面に行くときに必ず10分近く通過待ちになり異常に不便なので、ここは何とかしてほしいところです。利用者数を見ると最近阪東橋に結構取られているようですが、おそらくこれが原因でしょう。あと湘南電気鉄道は省線の桜木町-保土ヶ谷の用地を一部転用して作っていて、もともと桜木町乗り入れ予定でした。今でも地図を見れば一目で跡地がわかります。京浜の方も桜木町経由での乗り入れ希望でしたが、東横線に負けて免許がおりず、仕方なく無理やり野毛山を貫通して日ノ出町に抜けています。
東横線の桜木町駅の復活を希望する会会長さん
2017年03月05日 00時58分
調査結果では急行が2010年までになってますが本文にもある通り正しくは1999年までですね。あと、改札が2階だったのは2008年までとごく最近だったと思うのですが‥‥2階というよりは中二階という感じで少し図とは違うような気がします。それとも2008年までの形とは別にもっと昔は改札入ったら目の前にホームみたいな完全な2階だったのでしょうか?蕎麦のえきめんやよく覚えてます!また改札の工事が始まったのは2008年で井土ヶ谷駅が改修されたのは2009年なので時期的には黄金町が先に改修が始まってます。黄金町の方が大規模だったので終わるのは遅かったですが‥‥当時、駅員さんが改修の理由は耐震化とバリアフリーのためとおっしゃってました。地元が近くで利用するので幼い頃から駅の流れを知ってるだけに少し残念な箇所が見受けられます。もう少し情報の裏付けをすると良かったかなと。追加のレポート期待してます!