『今夜、ハマのバーにて。 vol.5』~「マルガリータ」とカクテルの雑学~
ココがキニナル!
ホテルニューグランドのバー「シーガーディアンⅡ(ツウ)」。チーフバーテンダーの太田圭介さんと、バー初心者の筆者が1杯のカクテルをとおして、「バー」という場所のたしなみ方を考えます
ライター:はまれぽ編集部
塩は涙の味?
そして、マルガリータの有名なエピソードを太田さんが教えてくれた。
「マルガリータは、狩猟中の事故で恋人を失ったロサンゼルスのバーテンダーが考案したカクテルで、その死んでしまった女性の名前をつけたんです」
なんとも悲劇的な・・・
このしょっぱさは涙の味なのか・・・
思わぬ悲しいエピソードにしんみりしていると、太田さんがもう一杯、カクテルを作ってくれた。
こちらは「ロングアイランドアイスティー」
えっ、アイスティー? なんだかグビグビ飲めちゃいそうな見た目ですね!
「ロングアイランドアイスティーは、アイスティーなんて言ってるけど、実はめちゃくちゃなカクテルなんですよ(笑)。気をつけてね」と太田さん。
一見、アイスティーにしか見えず、たっぷりの氷で涼し気なこのロングアイランドアイスティー。しかし、「ティー」なのは見た目だけ!
実は大変ヤンチャなカクテルなのだとか。ジン、ウォッカ、ラム、テキーラと4つのお酒が入っていて、アルコール度数は25度以上(ビールは約5度)。なのにも関わらず、コーラの甘みとレモンジュースの酸味で飲みやすーく仕上げる。
アイスティー気分でゴクゴクいくと、やっちゃうやつよ
この強いカクテルに「アイスティー」なんて紛らわしい名前がついている理由。それは・・・
「このカクテルが生まれたのは、1980年代はじめ、アメリカ・ニューヨーク州のロングアイランドという島です。その島は、ニューヨーカーたちが避暑で遊びに行くところ。そこの海辺でね、ハメを外した若者たちが、女の子に飲ませるため、わざわざアイスティーに似せて作ったんですよ(笑)」
つまり、「アイスティー、飲みなよ」とかなんとか言って女の子にすすめて、その後ハイになったギャルたちと、いろいろと楽しくなっちゃおうというアレだ。
夏に人間が考えることは、いつの時代もあまり変わらないのかもしれない
今回は、亡くなった恋人を思って名付けられた「マルガリータ」と、ハジけた夏を謳歌したい若者が生み出した「ロングアイランドアイスティー」の2つのカクテルを紹介した。
カクテルの発祥に、こんなエピソードがあるなんて、面白い!
さまざまな必要性にしたがって、生まれてきたものなんですね。
次回は~「ウイスキートディ」と常連さん~をお届けします。
―終わり―
t2k1970さん
2017年09月29日 03時16分
あ、続きがあったんだ(笑)すっかり尻切れになったのかと思ってました、よかったよかった。カクテルのウンチクもいいんですが、せっかくなんだから初心者がオーセンティックバーを楽しむコツとか、マティーニのバリエーションをあれこれ試してみるとか(ちなみに268種類と言われてますが)そういう切り口もいいんじゃないですか?あとは読者から質問集めるとか。