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『今夜、ハマのバーにて。 vol.2』~「ジントニック」とイロハ~

ココがキニナル!

ホテルニューグランドのバー「シーガーディアンⅡ(ツウ)」。チーフバーテンダーの太田圭介さんと、バー初心者の筆者が毎週1杯のカクテルをとおして、「バー」という場所のたしなみ方を考えます

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ライター:はまれぽ編集部



今夜のカクテル:ジントニック



ジンにトニックウォーターを加え、ライムを浮かべるジントニック。大きめのグラスに氷と一緒に入れられるロングカクテルの一種。バー初心者であっても、ジントニックを飲んだことがない人は少ないかもしれない。

よく知られているからこそ、「シーガーディアンⅡ」でもかなり注文の多いカクテルなのだそう。「一番頼みやすいカクテルですね。だからこそ、バーテンダーのこだわりもつまっています。ジントニックがおいしいバーは、ほかのカクテルもおいしいですよ」



「思い切って身を任せて」といわれても・・・

前回は、バー初心者の心が折れやすいハードル高めのカクテル、マティーニをご紹介した。バーでの注文時、「シーガーディアンⅡ」のチーフバーテンダー、太田圭介(おおた・けいすけ)さんは「カクテルを知らないなら味の好みをざっくりでいいので伝え、バーテンダーにカクテルを紹介してもらうといい」と教えてくれた。

しかし、ドキドキのバーデビュー。一度お店に入ってしまえば、あとはバーテンダーに身を任せてしまうにしても・・・。やっぱりなにか予備知識がほしい、予習をしておかなくちゃ落ち着かない! 今夜はそんな心配性な皆様の背中をグググッと押すべく、バーでのイロハをより詳しくお届けします。



「ジントニック」は友達?

バー初心者だからってモジモジしなくていい、前回とりあえずそう学んだ筆者は、ざっくばらんに太田さんに質問してみた。バーに行くときに最適な人数と時間帯ってありますか?

「一番楽しめるのはやっぱりカウンター席だと思います。なので、1~2名ですかね。時間はね、どの時間帯が好きか自分で見つけるのも面白いんですよ。というのも・・・」

 

「好きな時間帯を見つける」とは、はて?
 

バーの雰囲気は時間帯によって、ガラリと表情を変えるものなのだそう。たとえばオープンしたばかりの夕方。掃除を終えたばかりの磨き上げられた店内は、きれいな空気に満ちて凛としているという。夜も深まる午後9時30分頃になれば、酔いのまわり始めたお客さんが増えてきて、楽し気な笑い声と心地よいざわめきに包まれる。

「でも、バー初心者ならまだ混みあっていない夕方、午後5時ごろだとゆっくりお話ができるのでいいかもしれませんね」

分かりました! まずは一人でオープン直後に伺おうと思います。慣れてきたらにぎやかな夜に、ほろ酔い気分を楽しんでみたいな。

そして、はじめて行くバーで最初に頼むといいよと、太田さんがすすめてくれたのが今夜のカクテル、ジントニックだ。その心は?

 

太田さんの手さばきに、今夜もうっとりです
 

「ジントニックの作り方自体は簡単なもの。だけど、おいしく作るための技法っていうのはたくさんあるんです。バーテンダーがそれを分かっているかいないかで、味わいに大きく差が出ます」

太田さんが教えてくれたおいしいジントニックの条件は3つ。「キリッと冷えていること」「炭酸がしっかり効いていること」「ライムとジンの香りのバランス」だ。入ったバーでこの3つを満たしているジントニックに出合えたら、2杯目にチャレンジしてみるといいかもしれない。

ジントニックを頼むべき理由はそれだけではない。
「マティーニのようなカクテルだと10~15分でぬるくなってしまいますが、ジントニックは氷が入っているロングカクテルなので、30分くらいは飲んでいられます。30分あれば、そのバーの様子も分かりますよね」

な、なるほど・・・。ひとまず様子伺いの時間を稼ぐことができるというのは心強い。わたし、そういうことが知りたかったんです!

 

そしてジントニックが完成
 

ん? こんなカップに入っているのは初めて見ました。
「おもしろいでしょ? これもこだわりのひとつなんです。銅製のマグカップですごく冷えるんです。銅だと冷たさが持続しますし、それだけでも清涼感がありますよね。これで飲むジントニックは本当においしいですよ」

顔を近づけただけで感じる、カップから立ち上がる冷気と爽やかなライムの香り。薄いカップの飲み口に唇を当てると、ものすごく冷たい! ああ~、ちょっとこれは悪魔的なおいしさです!

 

これからの季節、中毒性ありかも?
 

わたし、好きかも、ジントニック。実はちょっと格好をつけたカクテルだと思っていたのだが、全然そんなことはなかったんだね。迷える初心者のバーデビューをがっちり支えてくれる頼もしいカクテル、ジントニック。

皆様も、ジントニックを相棒にすてきなバータイムをお過ごしください。

次回は~「ダイキリ」と太田圭介さん~をお届けします。


―終わり―
 

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