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本牧ふ頭で見つかった「ヒアリ」、その後は?

ココがキニナル!

本牧埠頭で500匹のヒアリが発見されたそうです。横浜市はどのような対策を取っていくのか?また、横浜市民が取るべき行動、注意すべき行動、慎むべき行動は?港湾施設に近い公園などは大丈夫か?(みうけんさん)

はまれぽ調査結果!

2017年7月に本牧ふ頭で発見されたヒアリは駆除済み。市の対策はトラップの設置・調査と専門家の調査。近くの公園は問題なく、発見したら行政へ連絡

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ライター:すがた もえ子

周辺の公園の様子は?



では、キニナル投稿にもある港に近い公園は安全なのだろうか。
まずは、本牧ふ頭近くの「本牧せせらぎ公園」の利用者に、ヒアリについてお話を伺ってみた。

最初にお話を伺ったのは、あさひさん親子。
ヒアリに関して気になっていることなどを伺ってみると「公園とか家の周りにも出てくるのかが知りたいですね。あと、行政がヒアリに対して駆除やどのように対策を打っているのか知りたいです」と答えてくれた。

 

子どもが触ったらどうしようと心配だったというあさひさん
 

また、特にヒアリに対して対策などは行ってないという、やっちゃんさんは「近くでも出たとは聞いたので意識はしていましたが、最近ニュースなどでも話題にしなくなってきているので、実際の被害はどうなのか、気になっています」と話してくれた。

ほかには、元気な男の子を連れたなおままさんは「ヒアリがちゃんと見分けられないです。TVなんかで出ても、一瞬なのでサイズ感が分からなくて。子どもがヒアリっぽいのを見つけたりするんですが、それがヒアリなのかどうか自分で見分ける方法を知りたいです。あと本牧ふ頭というくくりでなく、どこの突堤で出たのか詳しく知りたいです」とのことだった。

今回お話を伺ったみなさんは、小さなお子さんを連れたママたちだった。
子どもが触れる可能性もあるヒアリに対して関心は高く、ヒアリに関しての情報も少ないと感じているようで、もっと広く周知されれば、不安も少なるのではないかと思った。

 

ヒアリの全身像(環境省HPより)
 

横浜市では環境省と協力しながら、ヒアリ確認地点から公園も含めた周辺2km程度の範囲を調査しているとのこと。今のところ各調査箇所の状況を見ても、コンテナターミナルから外に出ているという事実はないという。ヒアリの行動範囲を鑑みてもそれ以上は広がっていないとの見解で、港湾施設に近い公園でも大丈夫だといえるのだろう。



ヒアリを見つけた場合の対応は?



もし、ヒアリの疑いがあるアリを発見した場合は「まず横浜市環境創造局政策課や各区福祉保健センター生活衛生課、横浜市コールセンターに連絡してほしい」と堀さんは話す。実際に「これはヒアリでは?」という市民からの問い合わせも多いという。

問い合わせがあった場合は、まず発見したときの状況、1匹だけだったのか、群れを成していたのか、そのほかアリの大きさや色を聞いて、ヒアリの可能性が否定できない場合は、アリの写真を送るようにお願いしているとのこと。写真を送る場合は定規などを置いて撮影すると大きさが分かりやすいとのことだった。

 

ヒアリは背中に2つのコブがある(環境省HPより)
 

ヒアリは横から見たときにコブが2つあるので、写真を撮るときは上からと横からの2つの角度があれば、ヒアリを見分けることができる。
ちなみに、市民から問い合わせのあったアリは、現在のところ全てヒアリではなかったそうだ。

 

問い合わせにもあったヒアリに似たヒメアリ(環境省HPより)
 

ヒアリを発見した場合の注意点としては、横浜市や環境省のホームページにも記載されているが、ヒアリを触ると刺されたり、集団でいるところを踏みつぶそうとすると逆に攻撃をされるため、過度な刺激は与えないように呼びかけているとのことだ。

「もし大きなアリの集団を見つけたら、自分で何とかしようとせず行政に連絡してください」と小川さん。

しかしヒアリに似たアリは在来種にもいる。赤色のアリを見ると、ヒアリと思う人が多いようだが、日々の問い合わせのほとんどが在来種だという。送付される写真にはオオズアリ、ケアリ、ヒメアリなどがいるが、送付される写真で1番多いのはアリグモというアリにそっくりなクモだそうだ。

 

ヒアリと間違えやすいアリグモ(環境省HPより)
 

アリグモは害虫を食べてくれるため、人間にとって有益な虫。クモなので足の数は8本だ。足の数で判別し、アリグモをむやみに殺さないでほしいと環境省も告知を出している。

 

ほかにも、ヒアリに似たクシケアリ(環境省HPより)
 

小川さんはヒアリ対策に対して「ニュースで話題が下火になったからと興味を失くしてしまうのではなく、ヒアリに対して気を付けるという心構えが大事。興味を失ってアリを見なくなってしまうと、ヒアリが侵入していても気が付かない状態になってしまうので」と語る。

 

こちらもヒアリに似たオオズアリ(環境省HPより)
 

環境省も呼びかけているが、発見したアリがヒアリでなかった場合は、在来種のアリを殺してしまうことになるため、むやみにアリ用殺虫剤をまかないというのも重要だという。在来種のアリを駆除してしまうと、ヒアリが侵入しやすい環境を作ってしまうことになり、生態系を破壊してしまう恐れがあるためだ。

また、ヒアリは塚を作るのも特徴とのことだが、在来種のアリにも塚を作る種類がいるとのこと。これはヒアリかも、と思ったらまずは行政に連絡をしてほしい。



死亡するかもという話もあったが



ヒアリに刺されると死亡するという報道もあったが、その可能性はあるのだろうか?

小川さんによると、「報道があった当初は、死んでしまう可能性があると、情報が出回っていましたが、正しい処置をすれば死に至る可能性は低いと言われています」ということだ。

 

ヒアリに刺されて具合が悪くなったら救急車を(フリー画像)
 

もし刺された場合の正しい処置は次の4つ。

1.まずは安静にして様子をみる
2.呼吸が苦しい、意識がなくなりそうな場合は、「アナフィラキシーショック」の可能性が高いので、すぐに救急車を呼んで病院に行く
3.アレルギーの症状が出た場合は、医療関係者へアリに刺されたことを伝える
4.アレルギーの症状が出ない場合でも、傷が腫れたり痛みがある場合は皮膚科に行く


また、処置を行う場合は、症状によって病院を選択してよいという。刺し傷だけだったら皮膚科に、アレルギー症状が強いようだったら救急へ。正しく処置をしていれば、現代の日本では命を落とすことはまずないだろうといわれている。

しかし、海外ではアナフィラキシーショックで死亡した例もあるという。刺されてアレルギー症状を起こす方は少数かもしれないが、ヒアリが侵入してくれば刺される危険度も上がる。まずは侵入・定着を許さないことが大切だ。



取材を終えて



8月に行った横浜市への取材後、9月・10月にも市内でヒアリが発見されたが、発見された全てのヒアリは殺虫処分、もしくは発見時すでに死亡していた。また発見地点には、横浜市などにより置き餌および、トラップが設置されている。

今後もコンテナなどに付いてヒアリが入ってくる可能性はあるが、市や港湾関係者によって日々調査され、発見したものは駆除し、その後、経過観察が行われている。

10月15日に確認された以降、横浜市ではヒアリは発見されていない。しかし、今後もヒアリが侵入してくることはあるだろう。普段の生活を送りながらも注意を失わないでいることが大切だ。
 
 
-終わり-
 
 
取材協力
横浜市環境創造局政策課
TEL/045-671-2478・4102
FAX/045-641-3490
※月曜日~金曜日の8:45~17:15(土日祝、年末年始は除く)

横浜市コールセンター
TEL/045-664-2525
FAX/045-664-2828
※8:00~21:00(土日祝を含む毎日)


出典及び画像借用
環境省「ヒアリに関する諸情報について」
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/fireant.html

ヒアリについて(環境省作成資料)
http://www.env.go.jp/press/files/jp/106354.pdf
ヒアリの簡易的な見分け方(暫定版)(環境省作成資料)
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/fireant/miwakekata_0714.pdf
ストップ・ザ・ヒアリ(ヒアリの特徴・生態・駆除方法・刺されたときの対処方法等の参考)
https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_fireant.pdf
 
 

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  • ダーウィンが来た!でもかなり前に取り上げていたが、洪水等で巣が水没しそうになると働きアリたちが自らをイカダにして卵やサナギを守ったり、繁殖力が凄すぎて農作物や家畜に被害が及んだりと、毒針以外の特徴も忘れてはいけないんだよね。

  • 横浜市の関連ホームページには平成29年9月1日付で「横浜港本牧ふ頭におけるヒアリ確認地点の防除及び調査の終了について」とありますが、調査まで終了していいんでしょうかね。コンテナは海外から年がら年中入ってきますし、本牧なんて埠頭以外でもアチコチにコンテナが積まれますから、ぜひ定期的に調査をおこなっていただきたいです。逆に言うと、それくらいやらないとヒアリの定着は防げないのではないでしょうか。

  • 「実は死なない」と言うことになって以降、とたんに見つからなくなったというのもなまじ信じられない気もするが、まあ、痛いくらいなら神経質にならないで良いのかね。
    それにしても「刺されたら死ぬ、みんな死ぬ」と言う話を広めた人は、とばっちりで沢山殺されてしまったであろう在来の可愛いアリさんたちに謝って欲しいわ

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