港北区の岸根公園にある防空壕のような「地下鉄避難口」ってなに?
ココがキニナル!
岸根公園の篠原池の裏側に防空壕のような佇まいの入り口があり、ドアと小さなシャッターの上に「地下鉄避難口」と書かれていますが、いったい駅のどこに繋がっている?他の駅にも避難口はあるの?(ねこぼくさん)
はまれぽ調査結果!
篠原池にある地下鉄避難口は岸根公園駅の改札内に通じている。この駅を含めて17駅に避難口があり、二手に分かれて地上に避難する。防空壕のように見えるのは、たまたま周囲に擁壁があったから。
ライター:若林健矢
緊急時は二手に分かれて地上に避難!
なぜ正規の改札口から離れた地点と繋がっているかというと、地下鉄駅構内で災害が発生した場合、必ずホームから地上まで2つの経路で逃げられるようにしなければいけないという。岸根公園駅の場合、コンコースの真ん中に防火シャッターが設けられていて、非常時にはこれを下ろして火の廻りを抑える。そうすると湘南台寄りの階段とあざみ野寄りの階段で二手に分断されることになる。
湘南台寄りは避難口を利用し、あざみ野寄りは正規の改札口を通って地上に避難
この時、もし地上への逃げ道が片側にしかなかったらどうなるか? 出口のない方にいた避難者は、完全に閉じ込められてしまうだろう。そうならないために、地上への出入口が1方向しかない駅には緊急用の避難口を設け、災害時に使用する。この駅では改札口も通常の出入口も全てあざみ野寄りにあるため、湘南台寄りの階段で避難する人の避難経路として、篠原池に繋がる避難口が設けられたのだ。
岸根公園駅では改札階行き階段と非常通路出入口の間に防火シャッターがある
どの駅にも火災時の避難経路は構内に掲出されている。もしも地下鉄利用時に災害に遭ってしまったらこれを参考にし、駅係員の指示に従って落ち着いて地上に逃げよう。利用者の理解が広まれば、いざという時各々が迅速に行動でき、身の安全に繋がるはず。
横浜市営地下鉄では全17駅に地下鉄避難口がある
ちなみにこのような地下鉄避難口は、岸根公園駅以外にあと16駅ある。今回はあざみ野方面で岸根公園駅に最も近い北新横浜駅と、湘南台方面で最も近い三ッ沢上町駅の地下鉄避難口も外から観察した。
まず北新横浜駅の避難口は、ホームの湘南台寄りに地下の出入口があり、これを通ると通常の改札口ではなく駐輪場のど真ん中に出られる。
ホーム湘南台寄りのこのドアが北新横浜駅の避難口にあたる
地上に抜けた先はなんと駐輪場のど真ん中!
車道を隔てた向こう側に通常の改札口がある
次に三ッ沢上町駅の地下鉄避難口。こちらも同じくホームの湘南台寄りに出入口があり、改札口を通らずにBMWの店舗の近くに抜けられるようになっている。
三ッ沢上町駅でも同じくホームの湘南台寄りに避難口の入口が
同駅避難口は換気塔と一体化している。この歩道の反対側にはBMWの店舗がある
災害発生時にはこの階段を上がって緊急避難
緊急用の地下鉄避難口がある駅は、以下の写真の駅に港南中央駅を加えて計17駅。今回訪れた3駅も含まれているぞ。
ここに港南中央駅を含め、災害時に地下鉄避難口を利用する可能性がある駅
取材を終えて
岸根公園駅と篠原池を繋ぐ「地下鉄避難口」は、緊急時に地下から地上に出るために設けられているのは名前から想像していたが、駅構内にある避難口は、普段気づかないだけで案外近くにあった。避難口がある他の駅も、目立たないところにあるだけで、利用者との距離は意外と近いんじゃないだろうか。
ホームから地上まで、万が一の時も慌てずに!
いつ大地震などの災害に見舞われてもおかしくないと言われる昨今、これら地下鉄避難口を実際に使う可能性は十分にある。万が一地下鉄の駅にいる時に災害に見舞われ、避難をする際、当記事のことを思い出してもらえたら幸いだ。
―終わり―
取材協力
横浜市交通局
ねこぼくさん
2019年12月07日 17時59分
この避難口、以前は木々の枝葉に隠されていて、池の表側からはほとんど見えていませんでした。だからその存在を知らないかたも多かったのではないでしょうか。トンボがいたので何気なく木々の枝葉をよけて裏側を覗き込んだら、この避難口が現れてびっくりしたのを覚えています・・・。