横浜市営地下鉄で行われた避難誘導訓練の内容とは?
ココがキニナル!
先日横浜市営地下鉄で行われた災害時の避難誘導訓練とは、どのような内容だったのですか?(憲章さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
地震による大津波の発生を想定した、避難マニュアル作りのための訓練。駅間で電車を止めてトンネル内を歩き、必要とされる時間などを計測した。
ライター:河野 哲弥
避難に際し注意すべきポイント
車両から出られる場所は、緊急用のドアの他にもあるようだ。一番前の乗降ドア壁側も開けられ、合計2カ所となった。
ここで気をつけたいのは、前の人から順序よくハシゴを降りること。絶対に押したりしてはいけない。
車両の左側からも、避難客が歩いてくる
トンネル内の様子
また、トンネルの中央にある「第三レール」は、いつ通電してもおかしくない状態だ。よろけて接触すると大変危険なので、線路の中央を歩くよう指示がなされた。
「第三レール」と呼ばれる、電気が通るレール(左)
あせって前の人を追い越したりするのも危険。山内課長によれば、車いすの方がいた場合、まわりの乗客に手助けを頼むこともあるそうだ。困った人がいたら、手を貸してあげるぐらいのゆとりを持ちたい。
やがて、三ッ沢下町駅へ到着
トンネル内は湿っていることが多い。靴の裏がぬれているとハシゴで滑ってしまうことがあるので、最後にホームへ上がるときにも、細心の注意を払いたい。
31分後、最後の職員が無事、三ッ沢下町駅へ到着となり、避難訓練は終了した。
今回の結果をふまえ、「避難対応マニュアル」を3月中に完成予定
訓練が終わったところで、山内課長に、今回の結果を振り返っていただいた。
課長によれば、いずれ政府より各交通関係機関に、「避難対応マニュアル」の整備をするよう指示がくるだろうとのこと。同局ではそれに先んじ、実地訓練の結果を盛り込んだ、「生きているマニュアル」を作成したかったそうだ。
訓練終了後、報道関係者に囲まれる山内課長
今回の結果について聞くと、ある程度満足できるものだったと話していた。今後は、参加した職員にアンケートを取り、意見集約をしていきたいとのこと。それをもとに、来月3月中に「避難対応マニュアル」を完成する予定だという。そして、職員全員がイザというときに対応できるよう、周知を図っていきたいそうだ。
そこで、一足先に、職員の皆さんに感想を聞いてみることにした。
すると、「車内放送の仕方ひとつで、お客さんのイライラが募ったり解消したりする。何分おきにアナウンスするのか決めておいた方がいい」というものや、「後ろから押されることを考えると、ハシゴは逆に危険なのではないか。マットなどを敷いて、飛び降りてもらう方法も検討したい」という意見などがあった。
こうして3時ごろ、訓練は終了した
こうした実体験から生まれたマニュアルは、机上で作成されたものよりも、より乗客の安全性を高めるに違いない。そしてそれこそが、山内課長の言う「生きているマニュアル」なのだろう。
こうした同局の「マニュアル整備」の動き、各交通機関の運営会社にどのような影響を与えるのだろうか。今後の各社の動向も注目されるところである。
―終わり―
nagatoshiさん
2012年03月16日 19時23分
地下鉄は、津波が来た場合は、どう対応したらよいのでしょうか?6mの津波の場合、水没区間はどうなっているのでしょうか?