横浜市内に趣のある銭湯はどこにある?第2弾
ココがキニナル!
保土ケ谷駅前の第二常盤湯という銭湯がいい雰囲気を醸し出しています。しかも、奥まった路地裏にあって普通に駅前の道路を歩いているとその外観を見る事すらできません。ぜひレポートしてください(やすしくんさん)
はまれぽ調査結果!
大好評の銭湯記事シリーズ第2弾! 今回は、横浜市内で名前に「第二」の付く、趣のある3軒の銭湯をご紹介!
ライター:河野 哲弥
下町の人情につかる、磯子区「第二江陽館」
第二シリーズの最後となるのは、JR根岸駅から徒歩10分ほど、横浜市電保存館の手前にある「第二江陽館」。
マンション一体型の銭湯
特別に入らせていただいた屋上。360度のパノラマ
経営者の加野さんによれば、江尻さんという方が運営していた2軒の銭湯のうち、その片方を買い取り、1989(平成元年)に現在のビルへリニューアルしたそうだ。
第一はその後廃業となり、そのとき名前を変えようと近所の印章店に姓名判断をしてもらったところ、「『江陽館』という名前は、栄えるときはいいが、何かのきっかけで急変するかもしれない」と告げられたらしい。
第一の廃業を目の当たりにして、「名前の変更がそのきっかけになっては困ると、怖くなって」と加野さん、結局そのままの名前を使用している。
座って入れる「座湯」などもある、内湯の様子
サウナや水風呂も完備
お湯は水道水で、重油などで沸かし、43度とやや熱め。「熱めのお湯にしておくと、お客さんが水でうめてくれるので、あふれて汚れなどが流れる」と加野さんは正直だ。
この辺は、かつては長屋も多く、銭湯がコミュニケーションの場として重宝されていたそうだ。今でも下町人情か残り、はじめて来た人でも、あっという間に仲良くなってしまうのだという。
常連の交流も盛んな、フロント前のスペース
娘の恵子さん手作りの「エコクラフトかご」
「補修をしていると、『この工具使ってみろ』などと、周りの人が集まってくる。人のつながりが良い街」と加野さんは話す。恵子さんが趣味で始めた、廃材などを利用して作る「エコクラフトかご」も、この交流がきっかけとなって近くの洋菓子店で採用されることに。人情という陽だまりの中で、ほっこりと温まれそうな銭湯だった。
銭湯が抱えるさまざまな問題
「第二峯の湯」の高橋理事長によれば、前回の「レトロな建物の銭湯」特集でご紹介した「清水湯」は、かつては第四まであったそうだ。したがって、「第二」が生き残るという都市伝説がある訳ではなく、本家だけが存続しているケースも当然ある。
気になるのは、今回のいずれの銭湯も、「跡継ぎが決まっていなかった」ということ。理由を伺ってみたところ、次の世代がやりたがらないということのほかに、子どもにはもっと楽な商売をさせたいという親心もあった。利便性と相反するコストの問題、建物の老朽化と維持費用、利用者の減少など、利用者としては、「続いて欲しい、頑張って欲しい」と願うばかりだが、こればかりは何とも難しい問題だ。
次回もまた、別の切り口で、横浜市内の銭湯の様子をお届けしたい。どのようなドラマが待っているのか、乞うご期待。
―終わり―
◆第二峯の湯
住所/横浜市鶴見区上末吉5-2-19
TEL/045-583-5151
定休日/水曜日
営業時間/15:30~23:00
◆第二岡の湯
住所/横浜市鶴見区駒岡1-26-15
TEL/045-572-4999
定休日/4・14・24日
営業時間/14:30~22:30
◆第二江陽館
住所/横浜市磯子区中浜町4-16
TEL/045-751-6330
定休日/2・12・22日(土日祝の場合、翌月曜休み)
営業時間/14:10~23:00