はまれぽセールに大行列！

残りは690円。おかずを探しに歩いてみよう。惣菜店は多いが、子どもの頃におまけをしてもらった記憶のある栃木屋惣菜店で買うことに。
揚げたての天ぷらやフライがショーケースにずらりと並ぶ。店の中から香ばしい匂いが漂ってくる。磯辺揚げ50円、コロッケ60円など、子どものお小遣いでも充分に買える安さだ。
　

3代続いて買いにくる常連さんもいる創業から85年目の栃木屋惣菜店

こちらでも値引きしてもらい、その分店のお手伝いができるものか交渉してみよう。
　

何度も高速で頭を下げるのでブレる筆者と佐治（さじ）さん
　

“栃木屋のお母さん”佐治さんと話してみると、「店の人との交流だけでなく商店街のお客さんとも交流できればお互い、面白いんじゃないの？」と言ってくれた。アイデアを出し合い、なんと即席の「はまれぽセール」が実現することに。

人気のハムカツとコロッケは60円の安さ。これを半額の30円にし、それぞれ100個限定で、筆者が店頭販売をするという、責任重大の任務に。
「がんばって！」と声を掛けられ、少しの緊張と興奮を隠しつつ、協力してくださった栃木屋さんのためにも完売を目指す。
　

小さなテーブルを用意し、半額セールの店頭販売を準備
　

バットには、随時、揚げたてのハムカツとコロッケが運ばれてくる。まずは呼び込みをしてお客さんの注目を集めてみよう。
「ハムカツ、コロッケ30円のタイムセールでーす！　いかがでしょうか～」
　

呼び込みの甲斐があり、すぐさまお客さんが殺到（Youtubeにリンクしています）
　

あっという間に行列ができた

「ハムカツ5！　コロッケ3ね！」「コロッケ10個！」「ハムカツもうないの？」次々と声を掛けられ、トングを引っ切り無しに動かす状態。
「すみませんーん！ハムカツもうじきなくなります。補充お願いします！」大きな声で揚場にもお願いし、口も手も絶えず動かす。
　

呼び込みをしなくても絶えず列ができ、あわてる筆者
　

中でも大あわてでハムカツを揚げる
　

お客さんの視線にプレッシャーを感じながらも対応

セールの甲斐があり、限定のハムカツ、コロッケは約30分で完売！
売っているときは気付かなかったが、額から心地良い汗が流れた。
「大好評だったわね！　動きがよかったわよ、ありがとうね」とお母さんが労ってくれ、「自分で売ってたハムカツを食べてごらんなさい」と揚げたてくれ、味わった。
　

ひと仕事した後のハムカツが胃と心に染みる

さすが、地元に愛され続けて85年の栃木屋さん。良質で新鮮な油にこだわったハムカツの旨みがじゅわっと口に広がった。長年、お客さんが集まるのは安さだけではないのだ。
　

それでは本来の目的のお買い物を

もともと良心的な値段設定なので気が引けたが、お手伝いの報酬として、ポテトサラダ（大パック350円）、キス天ぷら（120円✕2枚）、ごぼう天（150円）、いんげん（150円）の計890円を300円に値引きしてくださり、ここでのお買い物は終了。地元のお店とお客さんと楽しいひとときを過ごせた。
　

はまれぽステッカーをガラスに貼っていただき、みんなで記念撮影

さぁ残金は390円。天ぷら、サラダ、漬物があるのであとは主食のみ。すっかり日も暮れてきたので、主食を買って家で味わおう。ごはんでも良いが、少しヒネリがほしいところ。歩きながら、「布施食品」を見つけ、ニンマリ。天ぷらにうどんなんていいじゃないか。
　

うどんや生そば、中華そばの麺がそろう布施食品
　

ガラスケースに入った「つるもちうどん」と餃子が目を引く

布施食品の麺は防腐剤を使っていないので安心。コシを残し、喉越しの良さも追求した、つるもちうどんは1玉300gもあるのに、110円の安さ。熱湯に30秒ほどさらす程度で「ツルツルモチモチ」の食感に。餃子の皮も販売していて、自家製の餃子（6ヶ入200円）も人気だとのことでうどんと合わせて購入。
　

作り方のアドバイスもしてくれる、店主の布施さんと
　

うどん用の天かす（80円）も買い、これでぴったり1000円！

任務を完了し、心地良い疲労感と達成感を味わいながら、メイドイン横浜橋通商店街の夕食にありつくため、急ぎ足で帰るのであった。
　

いい買い物をし、ウイニングランのごとく足早に商店街を通り抜ける
　

取材を終えて

本日の戦利品のみの夕食。ひと口味わうごとに、店の方々やお客さんの顔が思い浮かび、美味しさが倍増した。地元への恩返しどころか、無理なお願いを聞いてもらい、与えていただくことばかりで感謝の1日だった。
　

　

かぼちゃもシャキシャキしていてぬかと合う

はまれぽでさらなる恩返しの企画も考えてみたい。ごちそうさまでした！
　

―終わり―