男性器をかたどった石像が保土ケ谷区にある!?ライター松宮が設置された由来と歴史を大捜索!
ココがキニナル!
保土ケ谷区上菅田町289番地付近の駐車場の片隅にある、男性器の形をした道祖神がキニナリます。由来や、何故このようなシュールなデザインになったのか、調査をお願いします!(もしもしもさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
石像は二代目。故人が25年ほど前に子孫繁栄を願い建立。体は男、顔は女を表し、1つの石像で男女を表していると推測される。
ライター:松宮 史佳
石像の歴史(続き)
ここで、引き続き初代の歴史を尋ねる。ナゼ初代はこの世にいないのか。すると、はっきりとした時期は不明だが、初代は「子どものいたずらにより壊されたから」と教えてくれる重信さん。
祠は「子どもにいたずらされないように」と作られたそうだ
そこで、1964(昭和39)年ごろに重信さんの父・富三郎さんが二代目を建立(こんりゅう)。しかし、新しく住宅が建つことになり、二代目がピンチに! しかし、(初代は)昔から祀られていた道祖神。そのため「そこにあるべきもの」「なくしてはいけない」という思いがあり、「地主さんが所有する駐車場(現在地)に移動された」らしい。
そういえば、ほかにも駐車場に塔のようなものがあった! あれは二代目と関係あるのかと尋ねると・・・
二代目の仲間達
すると、「二代目と同様に行き場がなくなり、現在地へ移された」と重信さんが教えてくれる(詳しい時期は不明)。
やや三角っぽい「二十六夜塔」
“二十六夜”ってなんだろうと思い、後に調べてみたところ「二十六夜」とは、“旧暦7月26日の夜に籠って月の出を拝む行事”と書かれている。江戸では「弥陀三尊が出現する」と考えられ、人々で賑わったらしい」(『民間信仰辞典』より)
歴史を感じさせる佇まい「地神塔」は“土地の守り神”
重信さんの父・富三郎さんは残念ながら、今から7年ほど前に亡くなった。そのため、なぜ二代目として「男性シンボルを選んだのかわからない」とのこと。資料も残っていないらしい。
「そうだ! ときさんなら知ってるよ!」と重信さん。「行ってみよう!」とまたまた言ってくれる利喜男さん。と、いうことで重信さんにお礼を言い、再び利喜男さんと真実を求めて旅立つ。
二代目・道祖神(男性シンボル)の真実
「ボランティアで歴史のガイドをしている」という久保田時敬(ときたか)さんにお話を伺う。
突撃訪問にもかからわず、快く取材に応じてくれた久保田さん
開口一番、「二代目・道祖神ははなぜあのような形(男性シンボル)なのか」と尋ねる。すると、「やっぱり子孫繁栄を願ったんじゃないかな」と久保田さん。だが、ナゼ二代目の肢体に顔が描かれているのかは「わからない」とのこと。故・富三郎さんは道祖神に興味があり、「かなり勉強していた」らしい。富三郎さん亡きあと、独自に調査し、推測するしかない!
早速、複数の図書館に行き、資料を集めることに!
まずは道祖神についてさらに調べてみる。道祖神は村の堺や道の辻、峠に祀られ、そこから内へ疫霊悪鬼が入り込まぬよう、堺を守ると考えられている神のこと。主に関東・中部・東北など東日本に広く分布。だが、かつては西日本を含めた全国に広がっていたと推測される(『民間信仰辞典<桜井徳太郎・編>』)。
一方、『石の宗教(五来重・著)』によると、多くの道祖神の信仰は“男女和合(円満)、子孫繁栄、五穀豊穣が主たるもの”「同祖神」として“同族がその祖先神を祀ったものではないか”とのこと。形も自然石だけのもの、寒神(さえのかみ)と名を刻んだもの、陰陽(男女)の性器をかたどったもの、単身、男女二体(双対道祖神)など、さまざま。
・・・猛々しい陽石(『道祖神のふるさと<伊藤堅吉・遠藤秀男>』)
典雅な顔立ちの双対道祖神(『道祖神散歩<道祖神を歩く会 野中昭夫>』」
道祖神はそれぞれの建立者の想いが込められており、形もさまざまなのだ。
ここでハッとする松宮。
「あの石像(二代目)、体は男だけど、顔はほっかむりした女性みたい」という、重信さんの言葉を思い出す。二代目の肢体にばかり注目してしまったが、あの長い前髪(ほっかむり?)は「やっぱり女性っぽい!」
言われてみると、ほっかむりに見える
「何かヒントがないか」と思い、再び二代目のもとへ。すると・・・
「!!!!」
祠の後ろにハートが!!!
ハート=ラブ(愛)=夫婦和合=子孫繁栄。
・・・富三郎さんは“男女という2つの性を1つで表現した”のではないか。この世は男と女でできている。2つの性があってこそ、子孫が繁栄するのだ。
富三郎さんがいない今、答えはあくまで推測にすぎない。だが、“子孫繁栄を願い、二代目を建てたのだ”と結論に達した。
取材を終えて
今回は20人ほどに助けてもらい、取材ができた。取材を終えると雪がちらつくほど寒かったが、心があたたかくなった。本当に感謝したい。
初めはアヤしい石像だと思ったが、“一対で2つの性を表し、しいては子孫繁栄を願っている”と知り、驚いた。二代目を建立した富三郎さん、そして今もかわらず道祖神として大切に祀る人々に感銘を受けた!
―終わり―
まzさん
2018年04月03日 00時01分
みんな親切ですね。なかなか勉強になりましたが、最後の「祠の後ろにハート」がちょっと?二代目が建立されたのは1964年・・・・ならハートもありかな。
杏mariさん
2016年09月19日 11時14分
ココ!地元で昔から二十六夜塔は有名でした(オカルト的な噂で)。まさか隣にこんな卑猥(失礼)なものがあるとは知りませんでした〜!実家に帰った時に観に行こうっと!貴重な情報ありがとうございました(⌒▽⌒)
ushinさん
2016年09月06日 00時52分
話は違うが、電動コケシにも顔がついていたりする。あれは、「性器を模した『わいせつ物』じゃないんですよ~」というタテマエ。もろ、そのまんまチンコなディルドも無いではないが、そうなってくると現状はお上の黙認(泳がせ)であって、いつでも警告、摘発できたりするようだ。これも、過去の陽物信仰に倣って男根形で再建したものの、時代的に「こんなところにチンコだなんて!」という批判をかわすタテマエで、ほっかむりの女性に擬装したのではないだろうか。