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洋食の街、横浜の料理人に密着「横浜コック宝」 伊勢佐木町「グリル桃山」編

ココがキニナル!

横浜の洋食文化をつくった老舗洋食店の料理人に密着取材する「横浜コック宝」。第5回は、こだわりと必死!? な完璧主義者、伊勢佐木町「グリル桃山」店主、山口勝弘さん。

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ライター:クドー・シュンサク

グリル桃山の味(続き)


 
午後2時50分。約3時間半のランチタイムが終了。コック宝が「お腹空いたでしょうそろそろ。ウチのランチ食べてよ」とのお言葉。
 


ビーフコロッケランチ(スープ付600円)
 

ハンバーグステーキランチ(スープ・ドリンク付900円)


手間暇と、良い材料、そして確かな調理で作られたグリル桃山のランチ。
 


まずはこれから


和牛100パーセントのひき肉が入ったコロッケは1個100グラムの大ぶりなものが2つ。衣がバリバリに立った、サクッとした上品な歯ごたえに、中から和牛のコクと香りがふんだんに味わえるホクホクのジャガイモ。噛めば噛むほどに甘さと味わいが広がる秀逸なコロッケ。
 
付け合わせのコールスローとポテトサラダも自家製マヨネーズが効いて、フライの間にいただくには最高。これで本格的なコーンクリームスープもついて600円。たまらない、ランチです。
 


では


ハンバーグ。しっかりと肉の質感と食べごたえが楽しめるハンバーグ。噛むほどにジューシーで口の中いっぱいに肉汁と旨みが広がる、というか、響き渡る。そしてこのソース。作っているところを見せていただいて予想していた味とは違う味が。甘みと酸味のある洋風のようで、ちょっと和も感じるこのソースが、とにかくごはんに合う。ごはんがいくらでもすすむ。
 
コック宝に「書かないなら教えてあげるよ」と少しレシピを教えていただいた。衝撃の味付けが、施されていました。このソース、一食の価値、ありです。
 


夕方近くになり


コック宝はしばし、まかないを食べ休息。
午後5時の夜の開店時間を待ちます。
 
  
 

グリル桃山のコック宝



 


休息を終え着替えて開店に備えるコック宝と4代目


宴会の予約のお客さんの料理を話し合うコック宝と4代目。ハキハキと的確な話をする4代目と、ゆっくりと言葉を選びながら頭を回転させ話すコック宝。親子でありながら、先代と次代のコック。これは、いつもの風景だという。
その時間を少しいただいて、コック宝にもうひとつふたつお話を伺うことに。
 


笑うコック宝の笑顔のワケは


かたい話にも、やわらかく応えてくれるコック宝。そんなコック宝にとって洋食とはと尋ねると写真のような笑顔に。「難しいこと聞くね(笑)」と言った後に「洋食は、たぶん一番難しいんじゃないかな。自分でもそれを分かってるし。技術も手間も、そしてそれなりの道具やその扱い、メニューの多さやその種類の多さをどうさばくか。今あらためて考えてみたら、やっぱ難しんだなってね(笑)」と言って・・・
 


こうなる


それでも「精神力がないとできない仕事だね。重労働で、それに孤独だし、いろんな負担が重なってくる。美味しいものとお客さんの満足を考えると、そうそうラクじゃないけどね。でも、すべては“こだわり”を続けるといろいろなものが生まれるから。それがやりがいですよ」と言って、コック宝は厨房へと入った。
 
女将さんいわく「最近はテレビも2つほど取材がきましたが断っていました。料理とこの店を分かってくれる人じゃないと彼は取材を受けないと思います」と、うれしいお話もちょうだいした。
 


静かに調理に入るコック宝
 

ともに厨房でさまざまな仕込みから調理を手早くこなす4代目


見ていると、ちょっと憧れてしまうような二人の風情。
仕込みも調理もすべて同時進行。出来合いはもちろんなく、ソースからスープまですべて手作り。効率よくという簡単な話ではなく、すべては経験に裏付けされた計算と感性で厨房は動き続ける。
 


そしてまた次々と
 

こだわりの料理が
 

美しく
 

いい香りを放ちながら
 

コック宝の手により
 

完成していく


「1日ついてくれたから特別だよ」と、コック宝はビーフシチューを味見させてくれたり、エスカルゴを「今度はちゃんと注文する約束ね(笑)」といって食べさせてくれた。
4代目も負けじと自作のオードブルを「これもどうぞ。感想聞かせてください」とくれた。

そのどれも、本当に美味しいのは確かだが、グリル桃山にいるコック宝は「美味しいものを人に食べてもらう」のが、本当に好きな人だなと、その遺伝子は4代目にもしっかりと受け継がれているのだなと、食べているこっちがうれしくなるくらい、気持ちの入った味をちょうだいした。
 


横浜コック宝第5号「グリル桃山」山口勝弘さん


ここに認定いたします。
 


午後9時の閉店を迎える


お客さんの「美味しい」にかけた、コック宝の1日。
わざとらしいことは何もない、必死さが美しい、横浜のコック宝でした。
 
 
 

取材を終えて


 
「味のために、試せることはなんでも試す。美味しいのために、格好ではやらない。腕は絶対に落とさない。それが、コックですよ」
山口勝弘(1955~)
 
 
―終わり―
 
グリル桃山
住所/中区伊勢佐木町2丁目9-3
電話/045-261-6955
営業時間/11:30~21:00(L.O)平日のランチ(11:30~14:50)
定休日/水曜
 
 
<バックナンバーの記事はこちらから>
洋食の街、横浜の料理人に密着「横浜コック宝」白楽「キッチン友」編
洋食の街、横浜の料理人に密着「横浜コック宝」福富町「レストラン タマガワ」編
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  • 「第~回」を入れて貰わないと初回が判らない..(「洋食キムラ」です)

  • 先輩方に連れて行かれました。外れのない美味しさでした。この記事を見て、家族を連れて行こうと思いました。

  • チキンカツとレバステーキのランチが特にお勧めです。

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