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多くの映像作品のロケ地となる横浜の「横浜フィルムコミッション」、撮影許可する作品内容の選定基準とは?

ココがキニナル!

横浜市では映像産業を推進しているという記事をみましたが、実際のロケの撮影基準などは何か決まりがあるのでしょうか?(619さん)

はまれぽ調査結果!

横浜フィルムコミッションの基準では横浜のイメージアップにつながるような作品が中心。その基準が特定の撮影を難しくしているという声もある。

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ライター:小方 サダオ

みなとみらい地区の高層マンションの住人に話を伺う



次に市が観光地として売りたいと思っているという、みなとみらい地区の、特に高層マンションの住人に、この地区での生活や撮影へのクレームの話を中心に話を伺った。
 


みなとみらい地区の高層マンション群

 
ある初老の男性に伺うと「われわれとしては撮影は歓迎したい気持ちですよ。しかし以前歩道で撮影があり私が通ろうとした時、通行人の誘導をしている若い人の誘導の仕方が大ざっぱで失礼に思えた時はありました」と答えてくれた。

管轄する警察の対応に関しては「戸部警察署の警察官は、あいさつもしてくれるし、いい人たちが多いですよ。よくパトロールをしていて、観光地にもなっているこの地区に特別に気を使っていることはあるかもしれませんね」と答えてくれた。
 


ロケバスなどの路上駐車が多い?

 
またある若い男性に伺うと「撮影はよくやっていますよ。しかし許可はとっているのでしょうが、撮影になると多くのロケバスを道端に止めたりして、大掛かりに感じて戸惑う時はあります。また以前歩道の通行人を誘導するスタッフに横柄な対応をされたのを不愉快に思ったことはありました」

「しかしにぎやかな場所に住んでいる、という自覚はありますので、多少のことは問題になりません。酔っ払いがいただけで警察を呼ぶ人もいますし、このマンションの中にもクレーマーはいる可能性はあると思います」と答えてくれた。

撮影に関しては、住人の過剰なクレームの場合もあるが、撮影隊側が問題の場合もあるようだ。
 


さまざまな住人がいるため、撮影へのクレームが出る可能性はあるという

 
ある上品な年配の女性に伺うと「私はここに住んでもう13年になります。最初はマンションも3棟くらいしかなく、静かな住宅街、と言った雰囲気がありました。しかし今は商業施設が増え、人の流入も激しくなりました」

「私は利便性を取ったためこの地域に住んでいますが、私と同じころに住み始めて、以前の静かな雰囲気を好んでいた住人は、観光地化した今の状況を嫌がっているかもしれません。そのような人が撮影などへのクレームをするのではないでしょうか」

「でも名取裕子主演の『法医学教室の事件ファイル』など、ここでの撮影はよく行われて、撮影がしづらい、ということはないのではないでしょうか?」と答えてくれた。
 


みなとみらい地区での撮影はよく行われているという

 
年配の女性3人組に伺うと「撮影は横浜の宣伝になっていいと思いますよ。でも犯罪もののような横浜のイメージが悪くなるような内容は嫌ですね」と答えてくれた。

若者や年配の方など、人によって作品の表現に対する好みは異なるのかもしれない。
 


以前撮影が行われていたというグランモール公園
 

ドラマ『花咲舞が黙ってない』で使用されていた、みなとみらいグランドセントラルタワー

 


横浜フィルムコミッションに話を伺う



次に横浜フィルムコミッションの橋本宏さんに、前出の話に関して話を伺った。
 


横浜フィルムコミッションのあるビル

 
撮影に際してのクレームを安易に受けることに関して伺うと「横浜FC(フィルムコミッション)では、市民の皆さまのご理解と市内各施設のご協力をいただきながら、横浜市における撮影の支援を行っています。制作者の皆さまには、施設や周辺住民の不安を解消できるように、できるだけ円滑に撮影ができるような環境づくりへのご協力をお願いいたします」と答えてくれた。

「芸術的表現に関する寛容さ」に関する話に関して伺うと「横浜市は、『映像文化都市』づくりを推進しており、横浜FCでは、横浜のシティプロモーションの一翼を担う事業として、横浜の魅力を国内外に発信するとともに、集客に寄与することを目的として事業を推進しています」

「横浜FCとしての支援可否については、事業実施要綱の規定に照らし合わせるとともに、撮影希望施設の所管局が撮影の可否を判断した場合は、その判断を尊重しております」と答えてくれた。
 


横浜フィルムコミッションが支援したドラマ『でんぱコネクション・フレンチ』

 
「施設使用許可の申請期間が長い」ことに関して伺うと「撮影許可の申請期限は、各施設や所管局によって異なります。施設来場者への配慮、イベントや撮影申請の重複、関連部署への調整、確認の必要の有無がそれぞれ異なるためです」と答えてくれた。

「CM撮影の支援を受けるのを好まない」という話に関して伺うと「コマーシャルの撮影支援を好まないということはなく、情報提供を中心とした支援を行っております」と答えてくれた。
 


ドラマ内で横浜の名所を紹介するコーナーがあった

 
「横浜フィルムコミッションは以前は、ジャパン・フィルムコミッションに加盟していたが、脱退した」ことに関して伺うと「事実と違います。ジャパン・フィルムコミッションが設立された当初から、横浜は総合的な判断により加盟しませんでした」と答えてくれた。

「文化事業促進のために住人を説得するなどの対応をする可能性」に関して伺うと「クレームの内容によって、対応方法は変わってまいります。苦情・お叱りのほか、ご意見、ご要望などさまざまなものが含まれますので、まずはお話を傾聴し、そのうえで当事者が対応をさせていただくことになります」と答えてくれた。
 


映画『恋するヴァンパイア』のロケ地マップ

 
次に東京都内での映画・テレビドラマなどの円滑な制作をサポートする窓口、東京ロケーションボックスの担当者に伺うと「こちらは『観光振興』を図るために組織された公益財団法人・東京観光財団が所管の、東京のフィルムコミッション事業における対外的窓口です」

「作品の検案に関しては『問題になりそうな題材でも職員の力量で関係各所を説得させられるか』という点にかかっている、と言えます」

「横浜市は表現の自由を尊重しない訳ではなく、文化観光局というように文化政策でもあるはずです」
 


山手にある山手ゲーテ座

 
「しかしその街のイメージアップになる作品を支援したとしても、それが観光客の動員につながっているかどうかは測定しづらいため、フィルムコミッションの活動自体が観光促進目的の事業としてどれほどの効果あるかの判断は難しいと言えます」と答えてくれた。
 


フィルムコミッションによる活動が、観光客数の増加に反映されるかは判定しづらい

 
また「作品の検案の際、横浜よりも東京のフィルムコミッションの方が『表現の自由』を認めてくれる」との話に関して伺うと「少々大袈裟ではないかと思います。横浜も東京も、地域の振興に資するか否かが問題であることに変わりはありません」

「横浜フィルムコミッションは横浜市役所の一部署、一窓口と思われます。担当者はほかの業務も兼務する職員で、勤務時間などにおいてイレギュラーな対応を求められるフィルムコミッション業務の負担を考えれば、横浜舞台の作品支援のみに特化するのも仕方ない措置と思います」と答えてくれた。
 


シティプロモーション事業と文化推進事業の両立は難しいのかもしれない

 


取材を終えて



横浜はシティプロモーションを担う事業として撮影支援を行っているが、同時にさまざまな表現を認める必要性のある文化推進事業として行うのは難しいのではないだろうか。

ところで横浜が舞台の本格的な刑事ドラマに『あぶない刑事』という作品がある。横浜の観光地化が進んだなど、さまざまな状況の変化から、以前のような撮影を横浜で行うのは難しくなってしまったようだが、横浜を全国的にアピールした代表作と言えるだろう。

その最新作『さらば あぶない刑事』が、2016年1月30日に公開予定だ。
異国情緒のある港町・横浜を舞台にした、タカ&ユージの活躍が楽しみだ。
 


『さらば あぶない刑事』のポスター(C)東映

 

―終わりー
 
 
『さらば あぶない刑事』公式サイト
http://www.abu-deka.com/
 

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  • 結局のところ、役所仕事であるということだ。

  • 映画の撮影のロケ現場での仕切りは、かつてはヤクザの仕事で、メジャー映画の各社は、元ヤクザの人間を制作部に雇っていました。若松孝二も、新宿でテキヤの組員だった時、撮影現場を整理したことがあり、「これなら俺でもできる」と映画界に入ったと言われています。ヤクザの仕事を役所が奪うのは、どんなものでしょうかね。

  • みなとみらいの住民です。自分勝手に意見を言わせていただきますが、ロケを行うような時間にはそもそも自宅周辺にいないので、撮影の舞台にしていただいて大いに結構です。撮影に対して文句を言うのは暇人だけです。

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