横浜駅の変な名称の出口はどんな経緯で決まった?
ココがキニナル!
横浜駅の案内図は「きた東口」「みなみ東口」「きた西口」という方向感覚がおかしくなるような名称を用いてます。どんなプロセスを経て決まった名称なのか、どんな候補があったのでしょう(ぱぱさんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「みなとみらい線」開業に伴い、平成15年に市で新出口の導入の検討を開始。名称は公募したわけではなく、市で作ったので他の候補は特にない!
ライター:松宮 史佳
南北横断!「きた東口ABC」と「きた西口」へ!
横浜駅にある「きた東口A」、「きた東口B」、「きた東口C」、「みなみ東口」、「みなみ西口」、「きた西口」という6つの出口をまわったが、各出口付近にはサイン以外目印がなかった。
6つの出口の名称だけ聞くと「絶対迷いそう」と思ってしまう。実際、サインが途切れ、迷いかけたこともあった。が、サインに従って出口を目指すと超方向音痴の松宮でも「ギリOK」だった。
横浜駅構内案内図 ※画像:横浜市都市整備局
少しわかりにくかったのが、南北をつなぐ「南北通路」はB2にあり、西と東をつなぐ「みなみ通路」と「きた通路」はB1にあったということ。他の人は迷わないのか案内所に行って聞いてみることに。
おなじみの「観光案内所」へ
女性スタッフの方に「みなみ東口」や「きた西口」などの出口が導入されて以来、「構内で迷って案内所に来る人は増えたのか」と伺う。すると、「出口が導入される以前から、広大な横浜駅で迷う人は多い」とのこと。
だが、2008(平成20)年に「横浜市行政サービスコーナー」が「中央通路」から「みなみ通路」に移転。
以後「行政サービスコーナー」を利用する人が「迷って案内所に来る」そうだ。
「みなみ通路」にある「行政サービスコーナー」
「みなみ東口」や「きた西口」などの出口の導入年を伺うが、「導入年はわからない」とスタッフの方。
問い合わせ先がわからないので、とりあえずJR東日本へ。すると「JRが管理するのは改札まで。駅の名称に関してはわからない」との答え。うーん…。
そこで横浜市役所に問い合わせてみると、「都市整備局都市交通課」に担当者の方がいると判明!早速、例の名称について取材させていただくことに!
駅出口名称の決定プロセスとは
担当者の方によると、「みなとみらい線」開業に伴い、増えると予測される「乗客の混雑の緩和を図り、災害時に乗客の安全を確保する通路をつくろう」と2003年(平成15年)に市で新出口の導入の検討を開始した。
そして、横浜駅西口振興協議会や横浜駅に乗り入れている鉄道会社6社の了解を経て、同年に新出口の導入が決定。
翌年である2004(平成16)年、みなとみらい線が開業した2月1日の前日1月31日に新出口が導入された。
2004年2月1日に開業した「みなとみらい線」
「現在使用の名称以外にどのような候補があったのか」と担当者に尋ねる。すると、「名称は公募をしたわけではなく、市で名称案をつくったので特段他の名称候補はないんです(笑)」との答え。
だが、出口近隣にある商業施設の名前を取り、「××口」(例:はまれぽ商店が近くにあったらはまれぽ口)という案も出ていたそうだ。しかし、「特定の商業施設を出口の名称に使用すると決定するのにもめてしまう」と商業的利害は排除し、“誰にでもわかりやすいように”現在の名称になったとのこと。
現在の名称、「きた東口」などはどういう意味なのか。「きた東口」を例に挙げると、“きた通路の東口”という意味で、英語で表記すると“Northern Passage East Exit”となるそうだ。また、“北東”という意味もあるそうだ。
“きた通路の東口”と“北東”2つの意味がある「きた東口」
同様に、「きた西口」は“きた通路の西口”&“北西”。「みなみ東口」は“みなみ通路の東口”&“南東”。残りの「みなみ西口」も“みなみ通路の西口”と“南西”2つの意味があるとのこと。
また、「きた東口」の“きた”などがひらがな表記なのは「資料がないのであくまで推測だが、『北東口』と書くと“ほくとうぐち”とも読めてしまう。すると、音が変わってしまい、わかりにくくなってしまうから」と担当の方。また、「みなみ東口」の“みなみ”も同様の理由でひらがな表記になっている。
ちなみに「きた東口」など6つの出口の名称について乗客の反応は「市に乗客の声は寄せられておらずわからない」とのことだった。
取材を終えて
まずはお忙しい中、対応してくださった「都市整備局都市交通課」のご担当者にお礼を言いたい。
「きた東口」などの出口の名称が決定されたプロセスや、“きた”などひらがな表記になっている理由を知ることができ、とても興味深かった!
一見わかりにくい「きた東口」などの名称だが、“きた通路の東口”と考えるとわかりやすいのではないだろうか。
―終わり―
いぬの鼻毛さん
2016年10月17日 17時21分
結構分かりやすいと思うけどな~、北通路西口とか南通路東口だったらもっと分かりやすかったのかな?ところで南東口はいつまであの仮設?の様な状態なんだろうか。
ヒロポンさん
2016年10月17日 14時29分
私はこの名称分かりやすいな~! 上手くつけたものだな~!、と思っていました。横浜駅は東口・西口、関内駅は北口・南口が身についているので、その合体名称で方向が良く理解できます。きた・みなみを“ひらがな”にしたのも良かったと思います。
おとべえさん
2016年10月16日 22時35分
結論から言うと「待ち合わせに使えない名称は、いかがなものか?」と思います。他の駅では「じゃあ北口で待ち合わせしよう」「東口改札前で○時に待ち合わせ」など使いますが、横浜駅で「きた東口Bで待ち合わせ」なんて誰か使ってるのでしょうか?解りにくくて誰もそんな使い方はしていないんじゃないでしょうか?それと昨今、漢字を「開いて」使う風潮がマスコミなどを始め多くなっている気がしますが(漢字をひらがなで書く事を「開く」「開きで書く」と言います)、これにも疑問です。難読文字であれば開いて書くのが必要な時もあると思いますが、簡単な文字を開きで書くと言うのも、いかがなものかな?と思います。お役所の仕事だから、こんな物なんでしょうか?