1200人以上がマイナンバーを受け取れなかった横浜市のシステム障害の詳細は?
ココがキニナル!
横浜市のシステムトラブルで1200人以上にマイナンバーカードが交付されなかったっていうけど、実際なにが起こったの?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
サーバーメンテナンスの際、2個あるサーバーの片方のパスワードを変えなかったので不具合が発生し、計1580人に影響。現在は復旧
ライター:はまれぽ編集部
1500人超に影響
横浜市の住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を管理している「コミュニケーションサーバー(CS)」をメンテナンスする際に不具合が生じた影響で、1208人が「個人番号(マイナンバー)カード」を受け取れない事態が発生した。
また、既にカードの交付を受けている372人にもパスワードの変更ができないなどの不具合が生じ、計1580人に影響が出た。
いったいなにが?
横浜市総務局住民情報システム課の塗師敏男(ぬりし・としお)課長によると、CSには実際に運用している「運用系サーバー」と、稼働中のサーバーにトラブルがあった場合の非常用として「待機系サーバー」がある。
横浜市では定期的にCS内のパスワードを変更する作業を行っており、2016(平成28)年12月7日(水)午後8時ごろからメンテナンスを委託する業者とともにパスワード変更の作業を行った。
委託業者が作業を実施
しかし、同日午後8時13分にシステムの不具合が発生。原因特定を行ったが、解明に至らなかったため、翌12月8日(木)の終日、マイナンバーに関する業務ができなかった。
不具合は12月9日(金)午前0時10分に解消し、同日からは平常通りの業務を行っているが、この時点で原因は不明だった。
現在、業務は平常通りに行われている
横浜市では、自治体の情報化推進を支援する「地方公共団体情報システム機構」の協力を仰いで原因の調査を実施。
その結果、12月19日(月)に、本来は「運用系サーバー」と「待機系サーバー」両方のパスワードを変更しなければならなかったにもかかわらず、「運用系サーバー」のパスワードしか変更していなかったことが判明した。また、パスワード変更作業をする際は委託業者が作成した手順書に沿って作業するが、手順書そのものにミスがあったことも併せて明らかになった。
手順書そのものにミスが(画像はイメージ。フリー素材より)
この事態について「パスワード更新を怠るなど内規違反があった」という一部報道があったが塗師課長は「パスワードは定期的に更新しているし、どの点を指して『内規違反』にあたるのか見当もつかない」との見方を示した。
12月8日にマイナンバーカードを受け取れなかった1208人のうち、12月21日時点で1026人には郵送でカードを送付する対応を行ったが、それ以外については再来庁をお願いしているという。
ほとんどは郵送で対応済み
この件について塗師課長は「ご迷惑をおかけした市民に改めてお詫び申し上げたい。そのうえで、現在も行っているが、チェック体制の強化を図って再発防止に努める」とした。
取材を終えて
今回の事態は人為的ミスもさることながら、手順書そのものに不備があったため、迅速な復旧ができずに市民に大きな影響が出た。
塗師課長の言う再発防止策が絵に描いた餅にならぬよう、二度と同様の事態がないことを願う。
―終わり―
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熱いおやじさん
2016年12月22日 08時53分
前回のパスワード変更の手順書と今回の手順書は違ってたの?単純なミスでは❗
Q-cahnさん
2016年12月22日 00時55分
国が作った使いにくいシステムで運用している市町村がミスをして、トラブルを起こすと、市町村の責任にされてしまうのね。カード作っても現時点でメリットなんてほぼ無いけど。