コロナ禍でJR東神奈川駅に懐かしの「伝言板」が復活
ココがキニナル!
東神奈川駅に懐かしの「伝言板」が復活したそうです。コロナで閉塞感が続く中、駅員さんからの発想で実現したとのですが、とても暖かい出来事です。感染予防を万全に、是非とも取材して頂きたいです。(象の鼻さん)
はまれぽ調査結果!
緊急事態宣言下の4月30日、JR東神奈川駅は、「想いや希望を共有することで和らぐ」と、懐かしい「伝言板」を復活した。コロナ禍のなか「元通りの毎日になりますように」など心のつぶやきが聞こえてくる。
ライター:池田 恵美子
JR東神奈川駅
「伝言板」が設置されたのは、1911年(明治44年)に開業したJR東神奈川駅(神奈川区)。京浜東北・根岸線と横浜線が乗り入れており、横浜駅までは1駅だ。
JR東神奈川駅は、この3月に駅名を変更した京急東神奈川駅(旧・仲木戸駅)とはペデストリアンデッキでつながっている。デッキには色とりどりの花も植えられていて、中央に置かれた円形ベンチで休む人達を和ませている。
同駅周辺には、駅ビル、文化センター、公共施設、大型スーパーなどがあり、便利だと感じている住民も多いようだ。
JR東神奈川駅
JR東神奈川駅と京急東神奈川駅はペデストリアンデッキでつながっている
京急東神奈川駅(旧・仲木戸駅)
東神奈川駅直結の神奈川区民文化センター「かなっくホール」
懐かしい「伝言板」復活
緊急事態宣言下の4月30日に設置された「伝言板」は、JR東神奈川駅改札口を入った右手にある。それまでこの場所には、旅行や観光地のPRポスターなどが貼られていた。
それが、4月7日から、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、及び福岡県に緊急事態宣言が発出され、より外出が制限された。16日には緊急事態宣言の対象区域が全国へと拡大した。不要不急の外出制限、旅行どころではなくなり、ポスターも取り外された。
昭和の時代、全国の駅には「伝言板」が多くみられ、「先に○○に行くよ」など若者を中心に多くの人々が活用した。
東神奈川駅の「伝言板」は、20年以上前に取り外されたそうだが、なぜ、いま、懐かしい「伝言板」の復活なのか。JR東日本横浜支社の担当者は、次のように話してくれた。
「JR東神奈川駅をご利用されるお客さまに、伝言板へさまざまな想いや希望を書いていただき、共有することで、新型コロナウイルスによる外出自粛の閉塞した雰囲気を和らぐのでは、と思い、この取り組みを実施しました。発案は東神奈川駅の改善活動を行うチームが中心となり実施しました。全員が20代の7名のチームです。ベテラン社員や上司との相談のなかで、「昔、駅に伝言板があった」という話があり、「実際に再現してみよう」となり、作成に取り掛かりました。東神奈川駅全体での取り組みです」
「伝言板」を制作するJR東神奈川駅の若手駅員(JR東日本横浜支社提供)
「伝言板」を設置するJR東神奈川駅駅員(JR東日本横浜支社提供)
閉塞した雰囲気を和らげたい
このようにして、JR東神奈川駅に昔ながらの黒板にチョークで記す手作りの「伝言板」が設置された。「伝言板」など全く知らないケータイ育ちの若手世代の発案に、ベテラン駅員の経験が加味され、駅員52人の総意により「伝言板」は実現したのだ。
その熱い想いが、神奈川区マスコットキャラクターのかわいい浦島太郎のイラストとともに「伝言板」の上部に、次のように記されている。(神奈川区には浦島町という地名があり浦島太郎伝説が残っている。)
「 お客さまへ
新型コロナウイルス対策にご協力していただきありがとうございます。ガマンばかりの日々が続いていますね。
行きたい場所がある会いたい人がいる。あなたの想いを文字にしませんか。
想いや希望を共有することで閉塞した雰囲気が和らぐと思い伝言板を設置しました。
駅社員一同皆様が笑顔で過ごす日々が戻ると信じています。
皆様まけずにがんばりましょう!
JR東神奈川駅社員一同 」
西口方面から見た東神奈川駅
「伝言板」はJR東神奈川駅改札の右手にある
設置3日目の「伝言板」、多くの想いが記されている(JR東日本横浜支社提供)
5月中旬の「伝言板」、左下にはコロナウイルスの終息を祈願する「アマビエ」らしき絵もみえる(JR東日本横浜支社提供)
「伝言板」には「早く学校に行きたい」と(5月14日撮影)
「伝言板」から聞こえてくる声
では、伝言板には、どんな文言が書かれているのだろうか。「伝言板」設置から20日余りの声のいくつかを読んでいこう。
「伝言板が懐かしくってうれしい」
「駅員さんありがとう!とてもステキな企画です」
「6月から小学校に行けますように」
「浜スタで横浜優勝さけびたい」
「駅員さんやJRで働いている皆さんありがとう 希望の伝言板」
「北海道に帰りたい」
「ライブに行きたい フェスにも」
「一日も早く皆さんと笑顔で会えますように」
「テクノウエイブで待っている」
「患者様と家族が早く面会できて、よい時間が過ごせますように……」
「早く新日本プロレスが再開しますように……」
「東口で待ってる」
「早く学校に行きたい」
「コロナに負けるな!負けないぞ!」
「共に公共交通機関を運行する者としてガンバリます」
「伝言板」には「コロナに負けるな!」と(5月19日撮影)
お客さまから元気をいただいて
「伝言板」には、文字通り連絡としての伝言からつぶやき・応援メッセージまで聞こえてくる。年齢も小学生から現役・シニアまで幅広くチョークを執ったことが伺える。「伝言板」設置から約1か月、JR東日本横浜支社の担当者は、駅員さんたちの気持ちを改めて話してくれた。
「お客さまからは、「懐かしいね、よい取り組みだね」などのお声をいただいております。「世の中を少しでも明るくしよう」「お客さまに元気を届けよう」とはじめた取り組みですが、弊社社員への感謝の気持ちなども綴られ、逆にこちらが元気をいただくこともございました」
取材を終えて
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言は、5月25日、神奈川県を含め全面解除され収束に向かっているが、第2波の恐れも指摘されている。投稿者の言うように「コロナで閉塞感が続く」。
そうした状況下では、JR東神奈川駅の「伝言板」の役割はこれからも必要のようだ。
JR東日本横浜支社の担当者は、「今後の緊急事態宣言等の状況にもより時期は未定ですが、伝言板から従来の観光ポスターに変える予定です」と話す。
JR東神奈川駅を通ることがあったら、「伝言板」の前で足を止めてみては……。あなたの心にも響くエールが聞こえてくる。
―終わり―
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はんぐん丸さん
2020年05月28日 18時50分
え?期間限定企画なの?ずっと残して欲しいな。
柴犬さんさん
2020年05月26日 19時45分
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