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竜宮城な駅にクラゲの水槽が出現!小田急片瀬江ノ島駅新駅舎が完成!

竜宮城な駅にクラゲの水槽が出現!小田急片瀬江ノ島駅新駅舎が完成!

ココがキニナル!

小田急電鉄の片瀬江ノ島駅が完成したとの知らせが!前回の一部供用開始から何が新しくなったのか、もう一度片瀬江ノ島駅舎を取材したい!(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

竜宮造りの袴門の奥にクラゲの水槽が設置され、駅事務室などの設備も完成。片瀬江ノ島駅はいよいよ本格的にスタートを切り、迫力満点の外観と癒し要素の水槽を兼ね備えた楽しい駅舎になった。

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ライター:若林健矢

小田急江ノ島線の終点・片瀬江ノ島駅の新駅舎が、7月30日についに完成を迎えた!2019年2月より工事が始まり、まず2月28日に竜宮城の部分がお披露目になる形で一部供用開始した。

竜宮造り(神社仏閣の技法)という技法で本格的に建て替えられたその姿は、筆者もうなるほどの迫力だった。



2020年2月に新竜宮駅舎が供用開始した(過去記事より)


今回は引き続き工事中だった部分も竣工し、いよいよ本格的なスタートを切ることになる。前回に引き続き、ライター・若林が再び片瀬江ノ島駅に取材に向かった。



完成した駅舎でお披露目式が開幕





垂れ幕のかかった水槽前で、片瀬江ノ島駅新駅舎・水槽完成お披露目式がはじまった。まずは小田急電鉄の代表取締役社長、星野晃司(ほしの・こうじ)氏より挨拶。

片瀬江ノ島駅はもともと1929年に開業した駅で、開業当時より竜宮城をイメージした駅舎として地域住民や観光客に愛されてきた。その特徴的な外観が評価され、「関東の駅百選」にも認定されている。



開業から90年間親しまれ続けた旧駅舎(過去記事より)


しかし旧駅舎は開業から90年経過しており、老朽化が進んでいたこと、東京オリンピックのセーリング会場に江ノ島が選ばれたこと、そして藤沢市による駅前広場の整備が進められることをきっかけに、駅舎の建て替えを行う運びになったと星野社長は話す。



「新型コロナウイルスの暗い話題ばかりですが、少しでも明るい話題となりますよう」と星野社長


これからお披露目される水槽については「これから大勢の方々が江ノ島を訪れると思いますが、その訪れた方々のかけがえのない旅の思い出になるのではないかと確信しております」と、自信に満ちた声で星野社長は語った。

また、新江ノ島水族館の堀一久(ほり・かずひさ)社長からも挨拶が行われた。今や全国的に広まったクラゲ展示の先駆けとして、「まずは原点に返り、片瀬江ノ島への観光客を、クラゲで、高揚感とおもてなし感をもってお出迎えしたい」と堀社長は話した。



「湘南の観光の活性化と、住民の皆様に癒しをお届けする形でより一層励んでまいります」と堀社長


いよいよ本日の目玉、クラゲ水槽が姿を現す・・・!小田急電鉄の星野社長と吉川徹(きちかわ・とおる、吉の表記は土と口)藤沢管区長、新江ノ島水族館の堀社長と竹嶋徹夫(たけしま・てつお)館長が水槽の前に並び、司会の「オープン!」の合図で幕が下ろされた!



司会の「オープン!」の合図で幕を下ろすと・・・!



美しく幻想的な水槽が登場!



小田急電鉄と新江ノ島水族館で、お互いに花束の贈呈が行われた


群青色の水槽の中を、たくさんのクラゲが泳いでいる!これは一目見て驚き、そして癒される。

クラゲがゆらゆら、ふわふわ漂う姿だけでも癒され感は抜群だが、水槽の色と相まってクラゲ1匹1匹の姿がとても良くわかる。電車を降りて改札口に向かって歩くときに、間違いなく目に留まるだろう。



水槽の背景が深い青色のため、クラゲの姿がはっきりわかる



水槽下部にもちゃんと「ミズクラゲ」と紹介されている


この水槽については新江ノ島水族館の竹嶋館長より説明が行われた。

厚さ11cmのアクリル水槽で、薄い正方形のような形をしているが、開口部は直径2mの円形になっており、丸い窓を通して40匹のクラゲを見られる仕組みになっている。地下の配管を通して離れたろ過槽、貯水槽、温度調節装置と繋がっており、水槽内の環境を維持している。

面白いのは、水槽の中で水がゆっくり回転しているところだ。特に外周部にいるクラゲは、水の流れに乗ってゆっくり漂う。実際に駅を訪れて見てもらうとクラゲが漂う様子がわかるぞ。



深い青の中にクラゲがただよう様子はまるで深海



写真では分かりにくいが、クラゲは流れに乗ってゆっくり回っている


また、水槽の改札外側にはデジタルサイネージが埋め込まれ、新江ノ島水族館の魚たちの映像が流れる。改札内にいるときはクラゲの姿を、改札を出たときは映像でいろんな魚を見られるので、ちょっとだけ海中にいるみたいな気分になるかも。


袴門の向こうに水族館の仲間たちの映像を見ることができる


駅構内で様子を見ていたところ、さっそく家族連れや、学校帰りの学生など、多くの乗客が水槽を眺めたり写真を撮ったりと、初日ながらなかなか賑わっていた。

現在は新型コロナウイルスの影響で例年より観光客数が減少しているかもしれないが、客足が戻り始めたら、このクラゲ水槽が目に留まる人もきっと増えるはず。



新駅舎のリニューアル部分をおさらい



今回は改札内の水槽と駅事務室の移転が行われたが、竜宮城を思わせる外観は2月28日に完成している。せっかくなのでもう一度見てみよう。

駅の目の前に立ってみると、中央の白い袴門(はかまもん)の上に赤い灯籠(とうろう)が立てられている。これこそが神社仏閣の技法「竜宮造り」の最たる特徴で、アーチ状の袴門の上に灯籠を設け、楼門(ろうもん)を成している。



駅舎中央の楼門は「竜宮造り」の大きな特徴


灯籠には屋根や扉の左右にあしらわれた龍の装飾や、天女の窓が特徴的だ。この天女と龍は、江の島に伝わる「天女と五頭龍(ごずりゅう)の伝説」にちなんだもの。夜になると天女の姿が浮かび上がり、昼間とはまた違った姿を見せてくれるだろう。



袴門の上に建てられた、迫力満点の灯籠



窓にあしらわれた天女は夜になると浮かび上がる


また、袴門の中では4匹の亀の彫刻が迎えてくれる。水槽の展示がはじまったことで、より海中っぽい雰囲気が増したように感じた。



4匹の亀と、奥の水族館の映像でちょっぴり海中散歩気分!?


楼門左右の屋根には「破風(はふ)」が設けられ、そこには、荒波の中から姿を現す龍と、燃えるように輝く宝珠の装飾が施されている。

さらに奥の屋根には遊び心をくすぐるイルカの装飾もあるぞ。イルカは全部で7匹屋根にいるので、ぜひ探してみよう。




左右それぞれに龍と宝珠、そしてイルカの装飾が施されている


肝心の改札口は、楼門の左右に一か所ずつ設けられた。2月時点では工事中だったグレーの駅務棟も完成し、それにともなって駅事務室がこちらに移転した。

きっぷ購入、ICカードへのチャージ、または駅員さんに用事がある場合は楼門に向かって左側の改札を通ることになる。


グレーの部分が駅務棟。駅事務室はこちら



楼門の左側はこんな感じ。きっぷ券売機はさらに写真左側



楼門右側にも改札機が並ぶので、ICカードでの通行にはこちらも


改札内に入って天井を見上げると、およそ15m長の龍の彫刻が立てかけられている。この彫刻も「天女と五頭龍の伝説」にちなんだもので、波の中から龍が姿を現すのが印象的。波しぶきや龍のうろこなど、一つ一つの彫刻が細かく、荒々しくも繊細な作品だ。

ちなみに小さな亀、鯛、タコもひょっこり顔を出しているのでぜひ見つけてみよう。駅の外観もそうだが、厳つい見た目の中に遊び心が織り交ぜられているので、ハマると楽しいかも。



水槽の位置から天井を見上げたそこには木彫りの五頭龍



この写真のどこかに鯛が隠れているぞ!他の場所には亀やタコもいる


ホームは、リニューアル前はスレート屋根(石膏ベースの屋根)を使用していたが、駅改修にあたってテント膜屋根に変更された。薄い素材になったことで自然光を取り入れ、その分駅構内が明るくなった。


テント屋根で自然光を取り入れ、明るくなったホーム


2月よりお披露目の竜宮駅舎、そして今回お披露目になったクラゲ水槽、両方合わせてリニューアル前より間違いなくパワーアップした駅になったと感じた。

あいにく取材日は雨だったが、写真に撮ってみたらそれはそれで悪くない雰囲気。それでも晴れた日に来られれば、青空の下で撮る竜宮駅舎はきっと写真映えすると思う。

駅来訪の際は、新型コロナウイルス感染防止対策を十分に行って楽しもう。また写真撮影の時は、他の人の迷惑にならない配慮も忘れずに。



晴れた日が望ましいが、雨の中の竜宮駅舎もなかなか悪くない


なお、入店予定の売店部分のみ残工事として現在も作業が進められているが、小田急電鉄としては水槽と駅事務室の完成をもって片瀬江ノ島駅新駅舎の工事は完了としている。



夜間は季節ごとのライトアップにも注目!





竜宮駅舎、と今回お披露目の水槽の2つだけでも相当ユニークで魅力的な駅舎だが、7月30日から、夜間のライトアップも実施されている。

「ふだん」と「宴」をコンセプトに、季節ごとの色合いで飾る「ふだん」、そこに江ノ島をイメージさせる演出を加えた「宴」の2パターンで交互にライトアップを行う。

四季に合わせたさまざまな色でライトアップが行われるようなので、いつ訪れても楽しめそう。また楼門の窓に描かれた天女も浮かび上がるので、昼間とは変わった姿になりそうだ。
 



(小田急電鉄株式会社 プレスリリース画像より)




取材を終えて





2月の竜宮駅舎のお披露目からあっという間に半年近く経ってしまったが、その間にも少しずつ工事が進められ、水槽のお披露目をもって新駅舎が無事に完成を迎えた。



電車を降りた先でクラゲが待っている!


筆者としてはやはり、今回置かれた水槽が印象的で、見た目のインパクトが強い駅(の水槽)でミズクラゲがゆらゆらただようところに絶妙な癒しを感じた。

小田急の電車を利用しながら新江ノ島水族館を疑似体験できるようになり、ますます片瀬江ノ島ならではの駅になったのではないだろうか。今回も日中の取材だったので、次はぜひ夜間のライトアップ時に訪れてみたい。



―終わり―




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