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神奈川県民に愛されてきた油壺マリンパークが閉館。最後の日と歴史を振り返る

神奈川県民に愛されてきた油壺マリンパークが閉館。最後の日と歴史を振り返る

ココがキニナル!

油壺マリンパークの閉園日はどんな様子だった?これからどうなるの?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

2021年9月、神奈川県を代表する油壺マリンパークが閉館。今後は大手デベロッパーと共同再開発を。12月2日に生き物たちの移動が無事に完了し、油壺マリンパークの歴史はVR化で残される。

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ライター:山本航



2021(令和3)年9月30日、神奈川県三浦市にある、油壺マリンパークが惜しまれつつ、53年の歴史に別れを告げた。そこで閉園日の取材とともに、開園日からの歴史をまとめてみた。





東洋一の水族館が誕生




油壺マリンパークが誕生したのは、1968(昭和43)年4月27日。神奈川県立三崎水産高等学校(現・神奈川県立海洋科学高等学校)の移転による跡地に、京浜急行電鉄創業70周年記念事業として、誕生した。


当時の工事中の様子が展示されていた


規模も中身も日本一の水族館を作りたいという思いから、初代館長に魚類の権威である東京大学名誉教授の末廣恭雄(すえひろ・やすお)氏を招へい。


「魚の国」で末廣氏の紹介が展示


地元の漁師や漁業組合の方々などと連絡を密にして、相模湾の調査研究も行った。ただの展示ではなく、できるだけ魚本来の自然のままな生態を見てもらいたいという工夫も凝らした。


海の様子や生態を分かりやすく展示


目玉企画となる「魚の学校」は、習性を生かした曲芸に見立てて魚の生態を伝えた。末廣氏が発表した科学小説『サーカス水族館』を連想させるこのアイデアは今でいうなら、でんじろう先生の科学実験といったところか。


信号機を守る動きはまさに魚のサーカス


こういった取り組みは皇室の関心も寄せ、「魚の国」竣工式には高松宮(たかまつのみや)・同妃両殿下がご臨席され、テープカットをされた。その後も昭和天皇・香淳(こうじゅん)皇后(当時)両陛下などがお見えになるなど、生物や自然の研究をされている皇室の方が度々、足を運ばれた。


竣工式での高松宮・同妃両殿下


1985(昭和60)年には秋篠宮(あきしののみや)親王が皇太子・同妃両殿下と(全て当時)とご来館され、当時川嶋紀子(かわしま・きこ)さんをご紹介されたとして話題に。その後ご婚約を経て、1989(平成元)年に思い出の場所としてご再訪された。


昭和天皇・皇后両陛下の貴重なご来館時(京急電鉄広報より)




人気施設や新企画が続々と生まれる


1981(昭和56)年10月、マリンパーク開業10周年と京急電鉄創業80周年記念事業として、なんと総工費20億円を投じて、地下2階地上2階建て日本初の屋内ショープール館のファンタジアムを建造。ストーリー性をもたせ、音や光を駆使して全国的な話題をさらったこの施設は、その後全国のイルカ・アシカショーの手本となった。


ファンタジアム初期のショーの様子(京急電鉄広報より)


1986(昭和61)年には、水族館内の大回遊水槽を改修。ガラス面を12面のワイド化することにより、海との一体感を感じる迫力のある展望に。ドーム型の天井いっぱいに映像を投影したマリンビジョンも大きな話題を集めた。


迫り来る迫力のマリンビジョン(京急電鉄広報より)


そこで人気だったのが、マリンテレホン。水槽内にマリンガールと呼ばれるダイバーが登場し、外で見ているギャラリーと水中電話で会話ができるという、画期的な企画だ。


海中の様子を伝えるマリンガール(京急電鉄広報より)


あの有名テーマパーク内にある、CGの亀と擬似水中電話で話せるアトラクションが誕生したのが2004年なので、先見の明がすごい。


魚と一体化しているマリンガール(京急電鉄広報より)


1982(昭和57)年のシーラカンスの冷凍標本展示は大行列ができる人気を博した。2006(平成18)年に湯河原町沖で発見された幻のサメと呼ばれるメガマウスの解剖を行い、2007(平成19)年から剥製が展示されている。館内には、巨大なダイオウイカの標本も展示。


ダイオウイカの大きさに驚く


2010(平成22)年に「かわうその森」が誕生すると、7匹のコツメカワウソが人気爆発。嵐くんは、テレビにもたくさん登場。


さまざまなイベントに引っ張りだこ(過去記事より)


「かわうその森」最大の魅力は、カワウソと直接握手ができること。はまれぽでも当時の模様をレポートしている。

残念ながら感染防止対策で握手は中止されていたが、閉館を迎える瞬間までカワウソたちは愛くるしい食事姿を見せて、たくさんの人が集まっていた。


かわいすぎる握手!(過去記事より)


このエリアでは、田園風景を再現した懐かしい景色が広がっている。稲刈り後の田んぼや池などが再現され、メダカ、オイカワ、ウシガエル、ホタルなど、たくさんの希少生物を観察できる、癒しのスポット。


今や希少生物のメダカが泳ぐ池




閉園日は朝から大賑わい


そのような変遷を辿り、いよいよ閉館日がやってきた。当日は開館時間前から、長蛇の列。入場したらすぐそばに、「魚の国」が建っている。入口には、巨大サメの歯(ムカシオオホホジロザメの顎歯の複製)との撮影スポット。たくさんの親子が記念写真を撮りたくて並んでいた。


取材に応じてくれたるりなちゃん


園内には懐かしいアニマルカーもあった。親子連れだけでなく、周囲も大人同士や飼い犬とはしゃいだり、さまざまな人が思い思いに楽しんでいた。


昔懐かしい光景


右に進むと、「あしか島」が。みんな覗き込んであちこちを見渡しているが、アシカの姿はない。諦めて移動しようとしたら、穴ぐらで動く影が。


アシカの姿をみんな探していた


「いたー!」と、思わず声をあげたら、わらわらと人だかりが。カリフォルニアアシカのミナトくんは、世間のことなど関係なく、のほほんと寝ている。癒される〜。


爆睡中のミナトくん


油壺マリンパークは、ペットを連れて入場できることも魅力のひとつ。この日もたくさんのワンちゃんの姿があった。アザラシプールの水槽の小窓を飼い主と真剣に見つめたり、ドッグランで走り回ったり、ベビーカーに乗せてもらってゆったりと回ったり、みんな飼い主さんと一緒に楽しめて嬉しそうだ。


愛犬と一緒にアザラシとの記念写真


早めにランチタイムにしようと、「三崎マグロのレストラン Log Terrace(ログテラス)」へ。まだ11時すぎなのに、めちゃくちゃ長蛇の列!30分ほど並んでようやくランチ。人気の鮪づくし丼やシーフードカレーなどと悩んだ末、三崎名物のまぐろラーメン(税込900円)に。


わんちゃん専用メニューもあった


とろりとしたあんかけに、予想以上に大量のまぐろの角煮が。白髪ネギと水菜を絡めると、シャキシャキ感が気持ちいい。専用のラー油をかけると味変が楽しめて、おいしさ倍増。まぐろラーメンは三浦半島の随所で食べられるので、あちこち食べ比べするのもおすすめだ。


まぐろとあんの甘みが溶け合う絶品


レストラン閉店を迎えたお礼として、オレンジゼリーが無料で振る舞われていた。こんな小さな心配りにも、地域密着運営の絆が伝わる。


ささやかな気遣いで温かい気持ちに


お土産屋さんも、すでに大混雑。館内の生き物たちにまつわるたくさんのグッズが並んでいるが、人気商品は続々と売り切れていく。


飛ぶように売れていたカワウソのクッキー


人気者のイルカやカワウソのお菓子やぬいぐるみがたくさんあり、目移りしまくり。地元名産マグロ商品のコーナーも充実していた。人気の生き物たちのブロックおもちゃ、水族館限定お菓子、巨大なダイオウイカやマグロのぬいぐるみなどなど、見ているだけでも楽しい。


大量のカワウソがかわいすぎる



ダイオウイカのぬいぐるみがインパクト抜群




最後の「魚の学校」に拍手喝采




買い物を済ませ、再び「魚の国」の建物へ。エントランスの巨大アンモナイト化石を過ぎて中に進む。古代の魚や淡水魚、三浦近海の魚、砂地の魚、磯の魚、深海魚などといった、生態別に分けたエリアに水槽が並び、実際の海での様子を想像しやすくなっている。


ダイナミックな魚群の回遊



まるでダイビングをしているような光景(京急電鉄広報より)


水槽エリアを抜けると、特集展示コーナーが。「油壺マリンパークの53年間」と題し、開業から今日までの歴史を振り返り、貴重な写真や思い出の品が展示されていた。中には、皇族ご来館時の貴重な記念品も。


多くの家族が写真で懐かしむ


展示コーナーを出ると、広い空間に大勢の人が集まっている。頭上に並んだ水槽で、オープン当時からずっと人気だった「魚の学校」がちょうど始まるところ。


ショーが開幕!


魚の習性を利用して光や音などに合わせて動くさまが、魚たちが学校に登校したり、授業を受けているみたいで、驚きと拍手が何度も起きる。最後に司会者が感謝の挨拶をすると、場内には大きな拍手が鳴り響いた。


超満員の観衆から拍手喝采





熱い思いにメディアも感極まる




「魚の国」を出て、いよいよクライマックスのイルカ・アシカショーが開催されるファンタジアムへ。昼の公演はメディア公開され、終演後に中井武(なかい・たけし)取締役館長と、金子和久(かねこ・かずひさ)取締役営業部長の囲み取材が行われた。


金子部長(左)と中井館長(右)


Q1「生き物たちの今後は?」

全ての生き物とスタッフの受け入れ先は決まっています。様子を見ながら10月中をメドに生き物たちの移動を完了させたいと思っています。

Q2「コロナによる休園や来客数減少も閉館の要因ですか?」

あくまでも、施設の老朽化が原因です。数年前から京急電鉄側と改築の交渉を続けていましたが、閉館の決定が下されました。


バルーンがあがるオープン当時の様子(京急電鉄広報より)


Q3「昭和天皇の頃から、皇室との繋がりがある施設ですね」

葉山御用邸や海洋動物協会が近いので、皆さまよく公式・非公式にお越しになりました。秋篠宮殿下はナマズの研究をされていて、海洋生物全般にご興味がおありのようでした。殿下が紀子様と初デートをされた場所として報道もされ、その後おふたりでご再訪頂けたのも嬉しかったです。


昭和天皇陛下との繋がりが解説された展示


Q4「閉館を惜しむ声が絶えないと思いますが、来館客の方々との触れ合いはありましたか?」

あるご高齢の男性の方がおひとりでいらして、古い白黒写真をお出しになり、この場所はどこかと聞かれました。そこは今のマリンミュージアムができる前の場所だったので、分からなかったようです。奥様との思い出の場所なんだと、おっしゃられていました。そういった、古くからの思い出を懐かしむ方がたくさんいらっしゃいました。


親子連れが最も多く見受けられた


Q5「他の水族館との違いや、人気の理由は何だったと思いますか?」

目の前に相模湾が広がり、地元の漁師さんや小学校、海洋動物協会などと地域密着型の運営や生態研究ができたことですね。


相模湾の生態系に関心を持たせる役割も


沖合いでの情報交換をマメに行うことで、世界でほんのわずかしか発見されていない、生きているメガマウスの捕獲に成功したり、希少生物の繁殖に成功しました。


こんなの海で見たら相当怖い!


個人的には、マゼランペンギンの繁殖を病気の感染で断念しましたが、上野動物園のご協力により、キタイワトビペンギン繁殖数が日本一になるほどの成功となり、今日までたくさんの方に愛されてきたのが嬉しいです。(中井館長)


ずっとくっついていた家族ペンギン


マグロの360度回遊水槽リニューアルが思い出深いですね。三崎港のそばという立地を生かして、改装の際に目玉展示のひとつとして考えました。マグロを移動させる際、1匹ずつビニールに入れて、スタッフで手渡しのバケツリレーを行い、大変でした。(金子部長)


職員総出でバケツリレー(京急電鉄広報より)


Q6「担当されてから今までの思い出と、閉館にあたり心境をお聞かせください」

たくさんの生き物たちとの別れがありましたが、彼らや今いる生き物とスタッフ全てにありがとうしかないです。受け入れ先は、繁殖を優先に考えてくださった施設に決めていきました。

40年間、生きる喜びと死んでいく悲しみを通して自分を成長させてくれた感謝を込めて、彼らを送り出したいです。(中井館長)


富士山を臨む慰霊碑(京急電鉄広報より)


41年間での、生き物たちとの別れが一番思い出に残っています。言葉で伝えられない苦しみに気づくことが一番大変でした。

神奈川県教育委員会に働きかけて、地域の子どもたちに命の尊さや、神奈川県の希少生物保護と繁殖や自然保護について学ぶ機会を提供できたのがよかったです。
閉館は残念ですが、最後までみんなで協力してやり切れたことに感謝しています。(金子部長)


あちこちに子どもたちからの寄せ書きが





多くの涙に包まれた最後のショー




そして、油壺マリンパークの全ての歴史、全ての思いを込めた最後のショーが始まる。ショーに先立ち、館長が舞台上から感謝のスピーチを述べた。閉館の無念を語る姿に、会場のあちこちからすすり泣きが。


満員御礼の会場


いよいよショーの開幕。内容は戦国時代の物語形式。マスコットキャラクターのペンギンくんが戦国武将に扮して、進行を務める。


ペンギンくんは記念写真でも大人気


まずはアシカがご挨拶の芸を披露。続いて3頭のイルカたちが登場し、華麗なジャンプを見せた。

この中のフィンちゃんとジョイちゃんは、ファンタジアムのオープン時から40年以上活躍。現役ショーイルカとしては、日本で2番目と3番目のご長寿だという。まさかそんな高齢だとは思えないほど高いジャンプや回転を見せていた。


ジャンプのたびに拍手が沸き起こる


続いてアシカが鍵盤の前に座り、アゴで弾いてメロディーを奏でる芸が始まる。演技説明のときにこれで最後という思いが込み上げて、飼育員さんが涙ぐんだ。観客は声を出せない分、精一杯の拍手でエールを送っていた。


フィナーレの演奏を堂々と奏でる


飼育員さんがタクトで鍵盤を指し、そこのランプが点灯すると、アシカが首を縦に振ってアゴで鍵盤を押さえ、音が鳴る。これを繰り返し、水戸黄門のテーマ曲「あゝ人生に涙あり」が完成。まさにこの日にぴったりの選曲。


傷んだ鍵盤が長い年月を物語る


イルカたちが整列して、啼き声でコーラスを担当。このテーマ曲があまりにも最後のショーとマッチしていて、胸に熱いものがこみあげた。会場も割れんばかりの拍手が鳴り響く。

そして、イルカたちによるお別れの演技がスタート。本来、次の新企画のために訓練を重ねてきたという、幻の演技も披露してくれた。飼育員の皆さんが万感の思いを込めて、リードをする。イルカたちは、いつも通りにのびのびと芸を見せる。


華麗な最後の大ジャンプ!


全てのショーが終わり、飼育員さんらとイルカやアシカたちが並んでご挨拶。幕が下りて、マリンパークのシンボルマークと「ありがとう」の文字が投影される。


ありがとうの思いに溢れたロビー


誰も立ち上がらず、拍手が鳴り止まない。あちこちで泣いている人がいた。幕があがり、カーテンコール。それでも誰も立ち上がらないので、場内アナウンスが、「全てのスタッフがお出口で皆様をお見送りしますので、お出口にお進みください」と誘導していた。


飼育員の皆さんは涙から笑顔全開に


ロビー、風除室、階段下、階段上に飼育員のみなさんが散らばって、ひとりひとりにご挨拶。花束やプレゼントを渡す人があちこちにいらっしゃった。その中で、飼育員さんそれぞれに花束や手紙を渡している親子がいたので、お声をかけてみた。


お手紙と花束をみんなに手渡し


お母さんと一緒に来場されたのは、アザラシプールのゴハンくんがお気に入りだという、小学生の水沼芽愛(みずぬま・めい)ちゃん。
お母さんも子どものときから通っていて、親子2代で愛した場所だという。長い歴史なので、このような家族連れはたくさんいたのだろう。


キラキラした目で夢を語る


今後は生き物たちの新しい受け入れ先を訪ねて再会するのが目標だと語る。将来はミュージカル女優を目指しているそう。「たくさんの夢を与えてもらってきたけど、これからは自分がたくさんの人に夢を与える立場になれたら」と、なんて素敵だろう。そのときはぜひ、はまれぽ取材させてね。


お気に入りのゴハンくん




大勢の来場者が暗闇で閉館の時を見送る




閉館時間が差し迫った夕刻。あいにくの小雨模様だったが、多くの人がお気に入りの生き物の前で名残惜しそうに眺めていた。特にペンギン島とかわうその森には、たくさんの人が。


ペンギン島には最後まで多くの人が


マリンミュージアムから出口に向かう途中、閉館が決まってから地元ファンにより作られた「ペンギンショップ」というカフェが開設されていた。


有志で考えたメニューもめでたく完売


たくさんの思い出を込めたメニューを提供し、施設と一緒に最後の時を迎えた。こういった地元からの愛情表現も、その場を快く提供した施設側も、地域密着運営をしてきたからこそ実現できた結晶だろう。(マスクを外してもらったのは撮影時のみ)


ありったけの笑顔でお別れを


すっかりあたりは暗くなり、あちこちでスタッフが退場を促すが、名残惜しそうに生き物たちを見つめる人が絶えない。お土産屋も、外まで続く長蛇の列だった。


最後の時を見送る


17時閉館予定を大幅に過ぎた18時30分、最後のお買い物客を見送り、スタッフ一同で閉館のご挨拶。館内から再度お辞儀を行い、鳴り止まない拍手に包まれて、カーテンが閉じられた。


深々とお辞儀をして幕は引かれた


閉館に際し、全国各地に移っていく生き物たちの無事と今までの感謝を込めた慰霊感謝祭も事前に執り行われた。集まった全ての人が移動の無事を願い、帰路に向かった。


全ての思いを込めた慰霊感謝祭




マリンパークはVR化されて語り継がれる




11月には、入園ゲート横で「ありがとう!油壺マリンパーク写真展」が開催された。53年間の写真だけでなく、地元の小学校をはじめとした、たくさんの寄せ書きや手紙なども展示された。


どれだけ地域に愛されてきたかが伝わる


さらに、53年間の思い出をいつまでも残そうという運動があり、クラウドファンディングが立ち上げられた。路上博物館・京急油壺マリンパーク・京急電鉄3社共同企画として、「京急油壺マリンパーク3D化計画『みんなで残そう思い出と歴史』」と題した企画が発表。

10月31日まで募集を行った結果、300万円支援目標のところ、なんと650万円以上の支援が送られた。


達成おめでとうございます!


支援者の皆さんには、「魚の国」の入り口に設置されていた、ムカシオオホホジロザメの歯を3Dプリンターで作成された模型が贈呈される。


なかなかかわいい記念品のサンプル



今後は最新技術を用いて、水族館「魚の国」と屋内大海洋劇場「ファンタジアム」の3D化や、画像や動画や資料をバーチャル空間に再構築して閲覧できる、「VR京急油壺マリンパーク」として生まれ変わるなどの計画が進められる。

2022(令和4)年夏には、XRプラットフォーム「STYLE」上での一般公開を目指しているとのことなので、今後もこちらの動向をチェックしてほしい。


思い出が永遠に残される


また、インスタグラムでマリンパークの思い出の投稿も募集している。京急油壺マリンパーク公式インスタグラム内に、「#油壺マリンパークlove」をタグ付けして投稿すると、思い出を共有できる。

さらに、11月にマリンパーク入り口で開催された「ありがとう!油壺マリンパーク写真展」開催の好評を受けて、12月1日〜12月27日の期間、横浜にある京急グループ本社2階エントランスで追加展示開催されている。詳しくは油壺マリンパーク公式HPを。


たくさんの思い出がよみがえる


そして、12月2日に無事、全ての生き物の移動が完了されたと、公式HP上で報告された。新しい場所でも、元気に過ごし、たくさんの人が笑顔になりますように。


みんな無事にお引っ越しできました(公式HPより)




取材を終えて




いろんな施設の最後を見てきたが、ここまで来場者がスタッフひとりひとりに感謝やねぎらいをかける光景は見たことがない。それだけ、地元一丸となって地域に根ざした運営をしてきた証だろう。

スタッフのみなさんが伝えてきた大事なものを、これから子どもたちが次の世代に伝えていけたら嬉しい。VR化は思い出だけでなく、未来も作っていけると思う。
マリンミュージアムに飾られた、たくさんの子どもたちによる寄せ書きの思いが、未来に続きますように。


記憶にも記録にも残り続ける



ありがとうございました!


―終わり―



京急油壺マリンパーク 公式SNS

油壺マリンパーク公式HP:http://www.aburatsubo.co.jp
twitter:@vrAburatsuboMP
Instagram:keikyu_aburatsubo_mp
Facebook:https://www.facebook.com/vrAburatsuboMP


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