中南米で大流行中のジカ熱患者が川崎市で! 感染拡大は?
ココがキニナル!
川崎市でジカウイルス感染者が発生。ジカ熱ってどんな病気? 今後、感染拡大するの? 隣接する横浜市の対応は?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
ブラジル旅行した川崎市内の高校生が感染。症状は軽度の発熱など。国内感染拡大の可能性は低い。横浜市は相談可能な体制をとっている
ライター:はまれぽ編集部
国内4例目
厚生労働省は2月25日(木)、川崎市在住の10代男性がブラジルなどで流行している「ジカウイルス」に感染したと発表した。
国内での発症例は2013(平成25)年以来4例目で、いずれも海外渡航者によるもの。今回の中南米における流行後としては、初めての発生。
南米・ウガンダにある「ジカの森」(フリー素材より)
男性が住む川崎市の健康福祉局健康安全部感染症担当によると、男性は2016(平成28)年2月9日から同月20日まで家族でブラジルに旅行した。
帰国した20日に発熱。22日に発しんが現れたため、ジカウイルスを疑った母親らとともに24日に市内の医療機関を受診。国立感染症研究所が検査した結果、25日に陽性と判明した。
ブラジルで感染か(写真はイメージ)
25日時点で男性は熱も下がり、症状は安定しているが、発しんがあるなど自宅療養中という。
厚労省によると、ジカウイルスはウイルスを持ったヒトスジシマカなどの蚊がヒトの血を吸うことで感染する。ヒト・ヒトの直接感染はないが、性交渉や輸血による感染の可能性もまれに指摘される。
基本的には蚊媒介型の病気(フリー画像より)
症状は2~12日の潜伏期間後、38度未満の軽度の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛、発しん、結膜炎などの症状が現れる。ワクチンなどはなく、虫よけスプレーなどで蚊を近づけないことが最善策という。
また、妊婦が感染した場合は胎児の「小頭症」や神経症状である「ギラン・バレー症候群」との合併が疑われている。特別な治療法はなく、対症療法となる。
妊婦が感染すると小頭症の危険性も(フリー素材より)
同省や川崎市によると、現在は日本国内では蚊の活動期ではないため、感染者が増えるリスクは「極めて低い」として、現在は他区別な対策を行っていない。
隣接する横浜市では、ホームページ上で注意喚起をしている。さらに市民からの相談に対し、各区役所内にある福祉保健センターで対応できる体制を整えている。
各区役所で相談可能
市保健所健康安全課健康危機管理担当によると、これまでに「ブラジル旅行に行くが、どうしたらいいか」といった相談が3件あったという。
取材を終えて
ジカウイルスの多くは蚊媒介なので、現状では大きな心配はないという。
しかし、今後ブラジルなど中南米に渡航予定があって心配な場合は最寄りの福祉保健センターに相談してほしいと思う。
特に妊娠中の女性は特段の注意を(フリー画像より)
―終わり―
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ニャッシャーさん
2016年03月01日 23時08分
他の報道によると、今回の件は成田空港到着時には既に発熱していたそうですが、特に自己申告等なかったとのこと。まあ、検疫でそういうことを申告すると時間が余分に取られるし、気持ちは分からなくはないけど、感染リスクを考えるとチョットはた迷惑な話です。
TKSさん
2016年02月27日 09時02分
帰国や空港から自宅最寄りまでの交通経路は公表すべきではないか。電車やバスや建物の中は、それなりの気温が保たれており、一定の対応が必要必要だと思われる。また、帰国便の航空機内の近隣席の方々も、航空機内に蚊がいたとすると伝染の可能性があり、追跡調査が必要だ。
マッサンさん
2016年02月26日 18時36分
日本国内では時季的に蚊の活動期でないことは幸いした。とはいえ、温暖化の影響で熱帯の蚊が船舶や航空機の物陰に潜んで日本国内で繁殖することにでもなったらと思うと妊婦や高齢者には不安だし、予断をゆるさないのでは?と思う今日この頃だ。早目早目の予防策を講じてほしい。