焼鳥屋で、まさかの肉なしオーガニックランチ！

外観は洋風居酒屋にも見えるが、ランチ営業をやっていた

迎えてくれたのは店主の鈴木義孝さん。「ランチは、旬の野菜だけで作るので、肉（動物性のもの）は一切使っていませんよ。日本料理に近い精進料理を目指しています」

さっそく、月ごとに替わるメニューを作っていただくことに。
　

カウンター越しからは手元しか見えないが、香ばしい匂いが漂ってくる

通常、ランチはお客さんの回転が勝負で作り置きしている店がほとんどだが、「野菜の素材の美味しさを伝えるのには出来たてが一番」（鈴木さん）と言い、注文を受けてから調理作業することが多い。
　

席で待っていると、可愛らしいスタッフが運んできた！この情報は後ほど
　

季節の野菜とおにぎりのオーガニックランチ。上煎茶、和デザート付1200円

6月のメニュー例を紹介しよう。
冬瓜のふくめ煮、胡麻味噌のせ、フルーツトマト、アボカドのわさび和え、焼茄子といんげんのすり胡麻の赤だし、焼トウモロコシと大葉のおにぎり、玄米焼きおにぎりまたは塩むすびと蕗のとう味噌。
　

丸焼きした茄子がおみそ汁に。胡麻の風味が野菜の旨みを引き立てる

野菜は近隣の農家をはじめ、三浦の冬瓜や、岐阜県の最高品質の原木椎茸や有機栽培永田農法のフルーツトマトなどが産地から直送されている。

鈴木さんのお父さんが焼鳥屋を営んでいたのがきっかけで、1984年に金沢文庫店をかまえた。野菜と合わせたオリジナルの焼鳥メニューをはじめると店は賑わった。

野菜好きの鈴木さんは、さらに野菜本来の味わいを知ってもらおうと、10年前からオーガニック野菜ランチを開始。丁寧に作っているため、1日10食限定（メニューは1種類）。
「野菜の美味しさを追求し、自分が納得したものを提供しているので、正直、ランチは採算度外視（笑）。　外食産業も薄利多売の時代となってしまい、効率が悪いとか儲からないとの声もありますが、このスタイルを変える気はないですね」と鈴木さん。

ランチのおかずは、夜も一品料理としていただけるものが多い。
さらに実家が茶葉屋だったこともあり、食後には正しい淹れ方をした上煎茶が味わえる。
　

鈴木さんが吟味した深蒸しの高級茶葉を使用

1煎目は茶葉と同量ほどの60度の湯で１分抽出し、自然な渋みと旨み、やさしいわずかな甘みが。2煎目は十分に茶葉が開いているので、64度位の湯を入れてすぐ注いで提供され、すっきりとしたほどよい苦味に。

「お茶ってこんなに味わい深いものだったのか」と、心に染みた。寒天やようかんなど合わせて甘味な時を過ごしてほしい。

さて、先ほどランチを運んできたスタッフ。実は鈴木さんの愛娘、momocoさん。シンガーソングライターで、お店でライブをやることも！ブログでチェックしてみよう。

今回紹介した2軒の店は、素材選びから調理に手間を惜しまない、こだわりの店だった。

取材を終えて
横浜市内で肉を食べない人達に相応しい飲食店を探したが、閉店してしまった店が多く、飲食店を継続することの難しさも感じた。また食生活を見直す機会にもなった。
肉を食べない人達の為のレストランを知っている方は、ぜひコメント欄から情報を提供していただきたい。


― 終わり ―
　

◆ナチュランド
横浜市港北区日吉本町3-3-8
045-564-8351
http://natuland.main.jp/

◆まいど金沢文庫店
横浜市金沢区泥亀1-16-13
045-783-8732
http://bunko-maido.com/