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川崎駅前にある“石敢當”ってなに?

ココがキニナル!

川崎駅前の広場に「石敢當」と書かれた石碑のようなものが立っています。どうやら沖縄に関係のあるものらしいのですが、どのような由縁があるのか調べてほしいです。(ryoryoさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

石敢當(いしがんとう)は、沖縄の厄除けのお守り。かつて台風被害に義援金を送った際に、沖縄から返礼として贈られたものだった。

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ライター:田中 大輔

沖縄ではおなじみの“石敢當”



今回は、川崎区にある川崎沖縄労働文化会館を訪れ、神奈川県沖縄協会の方にお話をうかがった。
 


沖縄風の庇が付けられた建物


まず、“石敢當”の読み方は「いしがんとう」だそうで、訓読みと音読みの混ざった不思議な語感だ。

では、その石敢當はどんなものなのか。
対応してくれた理事長の仲宗根さんと座覇さんによると、沖縄ではよく知られたもので、「首里(那覇市の一部。かつて琉球王国の王都だった)辺りに行ったら、今でもあちこちにあるよ」と仲宗根さん。主に、道の曲がり角や四つ角に建てられる、と教えてくれた。

元々は中国のもので、沖縄には13世紀ごろからあるものらしい。
簡単に言ってしまうと、悪いコトが起きないように建てる、いわば厄除けのお守りなんだそうだ。
「字の通りで、(悪いことが)人ではなく、石に敢えて当たってくれという意味なの」と座覇さん。
曲がり角に多いのも、交通事故などが起きやすい場所だからじゃないか、とのことで、由来に書かれていた“交通安全”というのにも納得。
 


お話を聞いた座覇さん。70歳を超えているとは思えないほど元気


実際に沖縄にある石敢當は、直径15cmくらいで高さも50cm程度ということで、川崎駅にあるものは少し大きめに作られているんだとか。
形も円柱型か直方体型で建てられているのが普通ということなので、こちらも少し違うようだ。



設置までに紆余曲折!?



そんな石敢當が遠く川崎までやってきた経緯は、石碑にも書かれていたように台風の際に援助を送ったのがきっかけ。

その経緯について、仲宗根さんがくれた『石敢當物語』という本のコピーにはもう少し詳しく書かれている。

それによると、1959(昭和34)年に発生した大きな台風、いわゆる宮古島台風の被害に対し、川崎市が義援金を送ったのがきっかけ、とある。
市議会だけでなく、労働団体や婦人団体から市内の各町内会までが動き出し、約358万円ものお金が集まった。
ご存知の通り、沖縄はまだアメリカの占領下だったころなので、当時の1ドル=360円という固定レートにより約1万ドルのお金が災害見舞金として贈られたんだそうだ。
 


仲宗根さんにもらった資料。設置当初の写真も


その返礼として、沖縄側から贈られたのが4つの石敢當
しかし、川崎市はどこに設置するかがなかなか決められない。せっかくの石敢當が倉庫にしまわれたままでは忍びないと、沖縄県人会が
川崎市へ陳情書を提出すると同時に、宮古島庁にも依頼を出したんだそうだ。

その依頼というのは、文化交流のシンボルとして多くの人に見てもらうため、もっと大きく、それも宮古島特産の石であるトラバーチンを使って作り直してくれないか、という内容。

これに応えて新たに作られたのが、現在駅前に建っている石敢當だ。
設置当初は、ドーム型の石積みの中に組み込まれていたが、駅前の改装のときに現在の形に変更されたとのこと。




取材を終えて



平成8年に川崎市と那覇市は姉妹都市になった。
市職員の交流などもあり、川崎と沖縄は縁が深いようだ。
でも、それよりもずっとずっと前からあった沖縄との絆。それを示すのが、あの石敢當というわけ。
遠く沖縄で作られた石敢當は川崎市への感謝の念を持って、その安全を願っている。


―終わり―
 

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  • こちらのサイトにも詳しく書かれています→ http://www.manabook.jp/notes02ishiganto.htm

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