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神奈川区の平本牧場で生産されている「横浜ビール牛」とは?

ココがキニナル!

横浜牛なるものがあるそうです。「NHKキッチンが走る」にて、神奈川区の平本牧場が放送されていました。横浜にも牧場があるんですね。そこで、横浜牛なるものを取材してほしいです。(ぷくぷくさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

県内で育てられた黒毛和牛の最高級品種が「横濱ビーフ」。そのうち、醸造メーカー横浜ビールの絞りかすなどをエサに配合しているのが「横浜ビール牛」

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ライター:河野 哲弥

肉質をデザインする、畜産家のスゴ腕



平本さんは、「ある程度の肉は、いいエサさえ与えれば、誰にでもできる」と話す。しかし、最上級である5等級の牛を育てるには、やはりそれなりの工夫が必要なのだそうだ。
 


最優秀賞も受賞している平本畜産
 

そのときの採点結果


この採点表を見てみると、光沢やきめといった項目のほかに、ばらの厚さや皮下脂肪の厚さといった数値も見える。しかし、平本さんにかかれば、こうした各部位の形状や厚さも思いのまま。決められた指標で高得点を出す牛を、生産することが可能なのだ。

そんな「肉のデザイナー」がプロデュースする黒毛和牛とは、どんな牛なのだろう。牛舎へ案内していただくことになった。
 


人から病気がうつらないよう、牛舎は敷地の奥の方にある
 

ざっと、100頭あまりを飼育している
 

カーリーヘアがかわいい黒毛和牛


飼料の写真をアップで撮っていたら、近づいて腕をなめてくるほど、人を恐れない黒毛和牛たち。「ずいぶん人なつっこいんですね」と聞いてみたら、「人を怖がるのはストレスのある証拠、そんなんじゃ、いい肉とは言えない」と平本節。そのため、牛の健康管理には人一倍気を配っていて、ほぼ毎日様子を確認しに来るそうだ。
 


尊い命が日々の食卓に、合掌


生後3ヶ月の子牛を購入し31ヶ月で出荷するまで、エサ代だけで、1頭あたり約30万円かかるらしい。入口に近い方にいるのは、だいたい13ヶ月前後とのこと。
こうして出荷された牛肉は、市内のスーパーなどへ卸されている。平本畜産と飲食店との直接の取り引きは、ほとんど行っていないそうだ。



ところで、「ビールかす」ってどんなもの?



最後に、中区にある横浜ビール直営のビアレストラン、「驛(うまや)の食卓」を訪ねてみた。
同店のコンセプトは、「地元のビールと地元の食材を地元の方々へ」。毎年11月には、関係者が一堂に集まった「感謝祭」が催され、食に関するさまざまな情報交換の場にもなっている。
 


2012年末に開かれた「感謝祭」の様子


店長の田口さんによれば、「横浜ビール牛」を使ったメニューは、同店でも楽しめるそうだ。
例えば、ランチに提供しているのがコレ。
 


横浜の味覚を凝縮、「横浜ビール牛のステーキ丼御前」、1200円


ほか、一部のハンバーガーのパテなどにも使用されている。また、野菜などの食材の一部にも、横浜産のものを積極的に取り入れているそうだ。

肝心の「ビールかす」について伺ってみると、麦芽などの原材料と水を醸造してできた麦汁をろ過したときに取り除かれる固形物で、同社では「モルト粕(かす)」と呼んでいるとのこと。
 


ところどころ、麦の原型をとどめているのが分かる


本来なら捨てられてしまう余剰物だが、これを牛が食べれば飼料になる。その牛が出した堆肥は、野菜の肥料になる。こうしたリサイクルを通じて食文化が豊かなものになれば、横浜がさらに魅力的な街になる。

同社のねらいは、単に「おいしい食材」というだけでなく、地産地消で横浜を盛り上げていこうという発想にもあったようだ。



豊かに見える横浜の食文化だが

横浜には、ナポリタンや牛鍋、アイスクリンのような「食の発祥」が豊富にある。

その一方で、神奈川県の食物自給率は、カロリーベースでわすが2%(平成22年度概算値)。全国平均が39%の中にあって、この数値は、東京都に次ぐワースト2位という結果だ。

つまり、形式はあっても中身が伴っていないのが実情といえる。本当の意味で、横浜の食文化を豊かにしようとしたとき、「地産地消」は重要なテーマになってくるだろう。

そんな状況に投じられた試金石が「横浜ビール牛」なのかもしれない。
今後、どのような波紋が広がっていくのか、見守っていきたいと思う。


―終わり―


平本牧場
所在地/神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1812
電話番号/045-383-1202
 

この記事どうだった?

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  • はまれぽ内の記事検索をしていて偶然見つけて良かった。はまぽーく関連を探して、牛に当たるなんて、飼育方法もはまぽーく的で良いですね。

  • 親戚の家の近くの芹が谷にも牧場有ったなぁ・・・。東戸塚でも駅建設中に見に行った時近くに牧場見かけたな(まだ有るんじゃなかったか)。どんどん市街化すると、臭い汚いと言ってさらに郊外に追い払われたり廃業させられたりしてしまう。そういう、動物との関わりも、子供の情操に良いと思うんだが。

  • 「神奈川県の食物自給率が2%」というのは驚きです。牛のお話も勉強になりましたが、新たなる視点が持てる記事でした。

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