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皇室御用達!日本最古の洋靴メーカー大塚製靴について教えて!

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大塚製靴のことをもっと知りたい!(ほんまかつゆきさんのキニナル)

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「一足に全社をかけ、それをみんなの靴に広げよう」という方針のもと、141年の歳月をかけ“技術の継承”を大切にしてきた日本最古の洋靴メーカー。

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ライター:久保田 雄城

靴の生産数が激減の時代に、消費者が考えるべきこと

経済産業省・繊維生活用品統計によると、国内の2012(平成24)年の生産数は、履物合計で約3450万足。これは10年前と比べると45.5%の減少であり、過去20年のピーク1992(平成4)年と比較すると、実に79.3%減である。
 


20世紀初頭の工場(画像提供:大塚製靴)


これは中国製などの安価な靴の台頭が響いているとのこと。

カジュアルで安い靴もいいだろう。しかし、現代という時代は、「オーツカ」のような伝統に裏打ちされた本物の良さを知らない人が多すぎるように思う。一度はちょっと身分不相応なくらいの高価な靴を買って、その素晴らしさを体験したうえで、靴は安価なもので充分という結論に達するのなら、もちろんそれはそれで良いだろう。靴好きの筆者としては、声を大にして、一度は、高価な靴を購入して欲しいと切に願う次第である。
 


黙々と作業に打ち込む


大塚製靴というと、筆者には「皇室御用達」の名門というイメージが強い。皇室とのお付き合いの中で感じていることを聞いてみると、「ともかく皇室の方々は、大変質素な生活をされています。靴も、幾度も幾度も修理されながら長くご着用されています。時には、もうこれ以上修理が難しいと思われるような状態になるまでお履きになられた靴も、修理を行わせていただくことがあります」とのこと。きっと靴以外についても、あらゆる面で質素で簡素な生活をされているのだろう。
 


提携しているPaul Stuartのブランド靴
 

工場長の靴を見る眼差しが優しい




皇室御用達への歩み

そもそも、どんなきっかけで、皇室から靴の製作を賜ることになったのだろうか。そんな質問を工場長にぶつけてみると、「偶然といってもよいでしょう」と意外な答えが返ってきた。

1880(明治13)年のある日、店に一人の紳士が靴の修理に立ち寄った。その靴は英国製の実に見事なもので、創業者の岩次郎は、同じ靴を作って納めるから、その靴を分解させてほしいと懇願した。英国から持ち帰った大切な靴だからという理由でその紳士は断ったのだが、再三にわたって訴える岩次郎の熱意にほだされて、ついに承諾したという。

岩次郎はその靴を徹底的に分解・研究して、後日、新品を完成させ届けた。すると、その紳士は「英国製にも勝る立派な出来栄えだ」といたく感服して、若い靴職人(当時、岩次郎は22歳であった)の腕前を絶賛したという。
 


靴になる前の靴たち


この紳士は長崎省吾といい、ロンドンの日本大使館で外交官として約6年勤務し帰国後はすぐに宮内省に入省している。この時期に岩次郎の店を訪れたのだろう。
 


成形前の製甲(甲被)。とても美しい


長崎は鹿児島県士族の長崎作右衛門の六男として1850(嘉永3)年に生まれているので、当時30歳。1858(安政5)年生まれの岩次郎の8歳上である。時は明治維新、文明開化の中、街は活気にあふれ、多くの人々が行き交う中で彼らは出会った。英国帰りのエリート官僚と若き大塚製靴の創業者・岩次郎との邂逅(かいこう)。道は違えども、熱い希望に燃える二人の若者がそこにいたのだ。
 


優美なボタンブーツ(画像提供:大塚製靴)


この後、長崎は宮内省調度頭に就任しており、これが縁となって、1882(明治15)年、明治天皇の御靴製作を拝命することになった。その後、1925(大正14)年に岩次郎、その2年後、1927(昭和2)年に長崎がこの世を去った。
 


20世紀初頭のラベル(画像提供:大塚製靴)


岩次郎と長崎との出会いから長い歳月が流れた。二人はもうここにはいないが、皇室との繋がりは今も脈々と続いている。そして岩次郎が創立した大塚製靴も、今も着実に年輪を重ねている。それは終わらない旅のように続いていく。



取材を終えて

横浜工場は、工場というよりは工房であった。本文のキャプションでも触れたが、美大のアトリエの集合体のようである。そこで黙々と仕事に打ち込む彼ら彼女らは職人でありアーティストなのだ。

今回の取材では、高橋工場長はもとより、営業企画課の方にも大変お世話になった。この場を借りて感謝の意を表したい。


―終わり―


大塚製靴
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  • 大塚製靴のファミリーセールに行ってきました。7月12日、13日もやっていますよ。日吉から無料バスもありました。

  • セールの情報など僕ら身近な人は知っていますが普通の方は知らないのでは?そういう情報も欲しかったです。1万円、2万円だったらこの記事読んだので靴を買おうと思います。ありがとうございました。

  • 日吉に住んでいます。こんなに由緒ある、誇るべきメーカーさんだったんですね。

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