黄金町らしい渋い表紙の「黄金町ラッシュ」はどうなったの?
ココがキニナル!
昔、黄金町ラッシュと言う黄金町らしい渋い表紙のフリペがありました。2号目で雰囲気に変わり、評判が悪かったのか3号目を見なくなりました。以後どうなっているのか知りたいです(リバーサイドさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「黄金町ラッシュ」は「黄金町プロジェクト」の発信媒体として作られた。評判が悪かったのでなく、プロジェクト自体が解散したため2号で発行を止めた
ライター:橘 アリー
誰が発行していたのだろうか?
(つづき)
―まずは、「黄金町ラッシュ」を発行していた年月を教えて下さい。
「2007(平成19)年の4月にvol.0号を発行して、同じ年の10月にvol.1号を発行しました。発行したのは、この2冊だけです。黄金町や製作スタッフの知り合いの店などで無料配布していました」
―「黄金町ラッシュ」を発行したきっかけは何ですか?
「黄金町から風俗営業をする店などが一掃された後、黄金町は閑散とした町になったのですが、そのころ、“黄金町はこれからが面白い”というように感じ、何か町が活気づくようなお手伝いができないかと考えました。
そこで、黄金町周辺エリアでのまちづくりの企画・提案や各種イベントへの支援を行うほか、ネット上に黄金町に関する情報を集めて記録・配信する『黄金町プロジェクト』というものを作りました。『黄金町ラッシュ』は、『黄金町プロジェクト』という活動の中から生まれたものです。
黄金町プロジェクトは、名前から勘違いされやすいのですが、公的機関でもNPO法人でもなく、普通の民間人3人が立ち上げた活動でした。また、黄金町エリアマネジメントセンターとも無関係の団体です。
まちおこしの一環で始まった「黄金町プロジェクト」
“黄金町が面白い”というのは、この町には可能性があるという意味です。
“この町は(ちょんの間に代表される性風俗文化など)いろんな歴史があったけれど、それに蓋をするのではなく、その残り香を生かしながら活気ある町にしたい”というものです。
そして、その活動の発信媒体として『黄金町ラッシュ』を発行しました」
シネマ・ジャック&ベティも掲載された「黄金町ラッシュ」
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―「黄金町プロジェクト」はどなたが始められたのですか?
私(良夫さん)とシネマ・ジャック&ベティの支配人である梶原、現在は一緒には活動していないのですが、浅井という3人で立ち上げました。
編集長の幸江さんは、良夫さんとは、元は職場の同僚だったが、良夫さんが「黄金町プロジェクト」を立ち上げ「黄金町ラッシュ」を創刊することになった際、編集長になってもらうよう声をかけたのだという。
編集や取材は「黄金町プロジェクト」のホームページから、「黄金町ラッシュ」を作るボランティアを募集して、応募してきた人たちが携わっていたそう。
編集には苦労も多かったようで、「当時はまだ、町が一掃されたばかりで、地域にもともと住まれていた方々にしても、どんなことをするのか分からないという不安もあったようなので、『黄金町プロジェクト』を理解していただくのに少し時間がかかりました」とのことだった。
ここで、投稿にあった「黄金町らしい渋い表紙」について聞いてみた。
「Vol.0号はモノトーンがメインの表紙なので、それが、ちょっと渋い雰囲気に感じられるのでしょうか。作った側としては特に何かを意識していたということはないのですが、Vol.1号は色使いやデザインが確かに違いますね」とのこと。
Vol.0号の表紙。確かに渋い雰囲気である
Vol.1号の表紙。洒落た雰囲気である
さらに雰囲気が変わったことによる評判については「表紙の雰囲気は確かに違うかも知れませんが、内容としてはvol.1号の方が充実していたので、評判が悪くなったということはなかったです」とのこと。
キニナル内容については、Vol.0号は、A5サイズ表紙を開いて、さらにそこから観音開きにするタイプで、シネマ「ジャック&ベティ」の紹介や、黄金町エリアの地図と紹介のような内容だったという。
「私立探偵 濱マイク」や
映画「ヨコハマメリー」が紹介されている
これに対し、vol.1号は、写真家の森日出夫さんと映画監督の中村高寛さんの対談や、黄金町の飲食店のママさんとの座談会の記事もあり、黄金町の魅力を深堀りし、発信するような内容となっていたのだとか。
名物ママたちの座談会も
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当時の黄金町の様子がタイムリーに知ることができる
町に対するコメント聞いて載せたページもある
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これほど内容が充実していく過程にあったのに、なぜ2号でやめてしまったのか。
その理由について、良夫さんは「『黄金町ラッシュ』は、もともと『黄金町プロジェクト』の活動を発信する媒体でしたが、素人3人でシネマ・ジャック&ベティの運営を始めたばかりで、映画館の運営とまちおこし活動を並行して進めていくことは難しく、まずは基盤固めからということで映画館経営に集中することになりました。発行元である黄金町プロジェクトが解散したので、黄金町ラッシュも終了することになったんです」と説明してくれた。
それでも良夫さんは「『黄金町ラッシュ』というフリーペーパーとしては2号で終わりましたが、『黄金町プロジェクト』はジャック&ベティの運営にも生きているので、『黄金町ラッシュ』は有意義だったと思っています」と振り返ってくれた。
取材を終えて
黄金町を活気のある町にしたい! そんな想いから作られたフリーペーパー「黄金町ラッシュ」。現在は発行されていないが、黄金町ではこれまでに、エリアマネジメントセンターや黄金町バザールなどいくつもの団体がそれぞれの信念でまちづくりに関わり、現在につながっている。
黄金町で活動するアーティスト、モモコ・ヨハンソンさんの「おばけpress」
「はま旅」で取材させて頂いた美術家の竹本真紀さんもフリーペーパーを作っている
黄金町で、さまざまなアートに触れてみてはいかがでしょうか。
―終わり―
take-sanさん
2013年11月22日 01時55分
新しく街のイメージの向上に尽力されているのは良く判るが、この場所を訪れてみるとアーティストと呼ばれる人たちの「自己満足」が軒を連ねており、残念ながら街との一体感を感じることは無い。そして、盛り上がっているのは内輪だけのようにしか見えない。現に、開催中のイベントは「閑古鳥」のようです。もっと街の中における存在意義や、地域との融合・展開等、足元を見直すような取り組みを期待してます。
rerereさん
2013年11月21日 21時58分
『この町は(ちょんの間に代表される性風俗文化など)いろんな歴史があったけれど、それに蓋をするのではなく、その残り香を生かしながら活気ある町にしたい』 これは素晴らしい。街づくりはこうありたいですね。ありがとうございました。
maalさん
2013年11月21日 11時56分
バイバイ作戦は本当に正解だったのか考えさせられます