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走行日は非公開、相鉄線のレアな「幸せの黄色い電車」とは?

ココがキニナル!

相鉄線に時々現れる「幸せの黄色い電車」について調べてください。線路の保守管理用の車両なのでしょうけど、具体的にどんな仕事をしているのか、どこに行けば見られるのか気になります。(ときさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

主に架線検査を目的として月に1回走行する特別車両で、走行日は非公開だが、当日は相鉄線全線で見かけることができる。なお車両基地は立ち入り禁止

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ライター:河野 哲弥

かしわ台駅出発 13時16分



さて、勝手に横浜方面へ向かうと思っていた「700系」は、逆方向、つまり海老名駅方面へと走り出した。その日の走行経路は、このようになっているようだ。
 


相鉄線の路線図を元に、一部加筆


まず、「700系」は普段、かしわ台駅近くにある同社の車両センターに留置されているとのこと。このため、出発地点は同駅となる。
 


かしわ台駅前から撮影した、同社車両センターの様子


ここから海老名駅に戻り、以下、青線で図示したように走行すると、往復路線を一通りチェックすることができる。一般の路線図には示されていないが、海老名駅付近から伸びている貨物線も走行し、約3時間をかけて戻ってくる予定。

その主な目的は、前述のように、架線に異常がないかチェックすること。相鉄線では、主に太さ約12ミリのトロリ線と呼ばれる電線2本を平行に渡して通電させている。このトロリ線が摩耗によって切断してしまわないよう、最低でも9ミリ以上の状態を維持しているそうだ。
 


写真中央がすり減っている状態、右側が新品のトロリ線


「一部の駅では、通常の往復路線以外にも構内(留置線)があり、架線が分かれていることがあります。その部分については、目視で点検するようにしています」と高橋さん。
では、各車両でどのような作業が行われているのか、見ていくことにしよう。
 


701号車の検測装置
 

摩耗の状況や、左右の振れ具合などを自動計測


注意したいのは、線路は曲線を描くことができても、架線は直線でしか張り渡されないこと。したがって架線は、常にパンタグラフの中心で接している訳ではないのだ。また、仮にそうしてしまうと、パンタグラフの一部分だけが、早く摩耗してしまうことになる。

「トロリ線は、気温によっても状況が変化し、まるで生き物のよう。常に安全の範囲内にあるかどうかを確認することは、大変重要なことです」と高橋さんは、語気を強める。
 


続いて702号車、真剣なまなざしでモニターを見つめる
 

2台あるのは、進行方向と逆側からそれぞれ撮影しているため


安全は、機械任せで得られるものではない。702号車で行われているのは、人間による目視のダブルチェックだ。吉田さんによれば、時折見かけるようなスパークは、異物などが火打ち石のように接することによっても生じるが、実は架線とパンタグラフが離れてしまうことが主な原因なのだとか。

例えるなら、乾燥した冬に起きやすい、指先の静電気放電のようなもの。離れているからこそ「パチン」と来るのであって、接している状態なら、本来起こり得ない訳だ。

興味深い話をうかがっている中、「幸せの黄色い電車」は、大和駅でいったん停車した。引き続き、車体の形式やトリビアなどについて、説明していただくことにしよう。



大和駅出発 13時37分



キニナル「700系」の正体だが、かつて営業車両として使われていた7000系がベースになっているそうだ。以前は2000系による「黄色い電車」も存在したが、老朽化のため2006(平成18)年から、現在の車両が登板。なお、車体に用いられている黄色だが、「ほかの車両と区別するために、警戒色としている」そうだ。
 


3段階の歴史がわかる、製造や改造の履歴


これを見ると、7000系として1983(昭和58)年に製造され、2005(平成17)年に「700系」へ改造されたことがわかる。さらに2011(平成23)年には、一部の計測装置を刷新した。

また、車両の形式は「モヤ700」という。「モ」はモーターのことで、駆動車であることを示す。「ヤ」は業務用の職用車であることは間違いないのだが、なぜ「ヤ」なのかは不明。かつて試験などが行われていたときに「役人」が同乗したので、その頭文字なのではないかという説も。
 


モヤっとした謎が残る、車両形式


さて、肝心の走行スケジュールだが、その日程は非公開。また、同社の車両センターは一般の立ち入りを禁止しているので、残念ながら、偶然に頼る以外見る方法はない。
ただし、事故などが発生した場合の救援や、新車や廃車の運搬にも使われるそうなので、こうした月1回の試験走行以外でも、目撃できる可能性はあるだろう。
 


ドアの部分に、キニナル出っ張りが


そのほかの特徴としては、座席の一部など、不要な部品を取り外していること。また、搭載している装置の重さも左右に偏っているため、乗客がいる通常の状態を再現したバランサーが付いている。それが、この出っ張り。

架線検査で苦労する点があるかどうか高橋さんにたずねたところ、以前の2000系改造車両は検測ドームがあり、そこから直接肉眼で架線の状態を確認していたそうだ。「冬場は日没も早く、次第に見えづらくなってくるので、非常に目が疲れました」と過去を振り返る。しかし、現在の「700系」は高感度なモニターやカメラが搭載されているので、格段の違いだという。
 


遠隔操作で、ズームやパーンもできる搭載カメラ


そんな思い出話をしていたら、どうやら横浜駅に着いたようだ。
 


横浜駅到着 14時10分



今回意外だったのは、鉄ちゃん系のカメラマンを、あまり見かけなかったこと。それだけ、情報が出回っていないのだろう。
 


試乗体験はここで終了
 

カメラを向ける人は、ほとんどいない


最後に、投稿者から「幸せの黄色い電車」と呼ばれたことについて、感想を伺ってみた。
すると、「素直にうれしいです」との回答。「めったに運行していないので、『700系』を見かけた人はラッキーなのかもしれないですね」と吉田さんは続ける。
 


案内板には、「試運転、乗車できません」の文字が


その一方、写真撮影はありがたいが、ほかの人に迷惑をかけたり立ち入り禁止区域に入ったりすることは、ぜひ控えてほしいとのこと。列車の運行に影響が出る場合もあるが、万が一ケガをしたら大変だという。

どうやら、幸せになる方法に、セオリーはないようだ。
それよりも、もし「700系」を見かけたら、安全を陰で支える鉄道マンに敬意を払いたい。彼らがいるから、定刻通りに目的地へ着けるのだ。考えてみれば、その事実こそ、本当の幸せなのかもしれない。「幸せの黄色い電車」とは、あながち都市伝説とも言い切れないのではないだろうか。


―終わり―
 

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  • だいぶまえ、先代の事業用車両黄色い2000系を二俣川で見たことがあります。それより、迫力の相鉄の機関車ED10系をかしわ台で見たときは感激でした~。

  • 相鉄線の事業用車の詳しいレポート(しかも車内の一部まで公開)が見れるのも、はまれぽだからこそ、ですね。貴重な記事でした。JRや東急との直通線が開業した時は羽沢や新横浜までの区間の点検も受け持つのでしょうか?

  • ヤは「役人が同乗した」という説は初耳です。役所という説もあるようですが、これは児童書などに書かれる際の便宜的なもので(←ウィキペディアが出典ですが)、「役務車」の頭文字が通説のようです。東海道新幹線の「ドクターイエロー」と西谷で両方同時に見ることができたら最高の幸せかも。

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