横浜にこんなすごい会社があった!Vol.7「世界最小のヒーターを製造する株式会社スリーハイ」
ココがキニナル!
横浜にこんなすごい会社があった! 第7回は世界最小のヒーターを製造し、オーダーメイドでどんな形にも対応するヒーターを作る株式会社スリーハイをご紹介!
ライター:吉田 忍
どんな要望にも応えるシリコンシートヒーター
「わが社の主力商品はオーダーメイドのシリコンシートヒーターなんです」
と、見せていただいたのはシートタイプのヒーター。
シートタイプヒーターのサンプル。真ん中にあるコードは温度センサー用
シートタイプなので、どんな形のものにも合わせて制作できる。
見るとホットカーペットを想像するが、ここで作っているのはそのような大量生産製品向けではなく、お客様の要望に応えて1点からでも制作するオーダーメイド。
1点1点、形に合わせてシートをカットし、それから発熱するニクロム線を手作業で張り付けているという。
よく見ると正確に3mm間隔でニクロム線が埋め込まれているのがわかる
寒冷地で水道管に巻きつけたり、ドラム缶に巻きつけて液体の凍結を防止したり、ピザなどのデリバリーでは料理が冷めないように配達バイクのボックス内に取り付けて使用されている。
南極取材を行うTVクルーからの注文もあったという。カメラやバッテリーそれぞれの形状に合ったヒーターを作った。
ジェットコースターのレールの凍結防止という例もある。要望に応えて1点から制作するからこそ対応できたこと。
ドラム缶用ヒーターを持つ大友さんは会社のムードメーカー
男澤さんが、面白い話を教えてくれた。
「カメレオンの水槽の中心に飾られている木にヒーターを仕込むことになったんです。作り物の木だったので中をくり抜いてシートのヒーターを入れたんです。するとカメレオンが木にへばりついいてとても見やすくなった。うまく気に入ってくれたんですね(笑)」
そしてダメだった例も話してくれた。
「釣竿のグリップが冷たいのをなんとかできないかっていうのもありました。作れるけれど高くなっちゃうんですね。竿より高くなっちゃう」
釣竿のグリップ用はダメだったけれど、1個でも数万円から作れるので個人のオーダーも可能。カブトムシの越冬用に飼育水槽の土の中に入れるヒーターを作ったこともあるそう。
働きやすく住みやすい街にしたい
「ここは準工業地域で、工業団地でした。ところが、もともとあった工場が移転するなどで空いた土地を住宅デベロッパーが買って宅地として戸建てやマンションを作りはじめて、今はかなり住宅が増えてきています」
東山田は準工業地域だが住宅やマンションも増えている
この場所に住む人たちにとっては、工場の騒音や匂いは気になること。昼間は大きなトラックが出入りし、夜には人が少なくなるので防犯上の不安もある。住宅と工場が混在する場所はいろいろな問題が発生しやすい。
「ここの話ではありませんが、同じような環境下で住民からのクレームで工場が移転したという例もあります。逆に、ここはもともと準工業地帯の工業団地だからと開き直るのもいけない」
そして男澤さんはこう続けた。
「工場と住民の間で新しいコミュニティをきちんと作っていけば、そういったクレームも少なくなると思うんです」
工場においては仕事がしやすく、住民にとっては住みやすく、そしていざというときには助け合える関係を作りたいと、男澤さんが実行したのは、地元の中学生と共同で地域の防災マップを作ることだった。
でき上がった東山田工業団地防災マップ
募集に応じて集まった11人の中学生がこの地区にある76社を訪問。それぞれの会社の業務内容だけではなく、AED(自動体外式除細動器)や医薬品の有無などを取材した。
地図を見ると黄色の丸が住宅でほかはすべて工場などの企業。住工混在しているのがわかる
2013(平成25)年9月に完成したマップには、各企業から地域へのメッセージがあり、団地内の消火栓の場所や緊急時の避難場所へのルート、そして自動販売機の場所なども記載されている。
各企業の紹介。消火器や医薬品を常備していることを知ることができる
「中学生たちは本当にがんばってくれました。この地図は住民だけではなく、企業同士もお互いを知るきっかけになり、地域みんなへの安心に繋がりました」
取材を終えて
株式会社スリーハイは、世界一小さいヒーターや、オーダーメイドで1点もののヒーターなどを作っている会社だった。そしてヒーターと同じように熱い社長と社員がいる会社で、地域への貢献を積極的に行う企業。
大寒の翌日という寒い日だったが心温まる話を伺うこともできた。
― 終わり ―
株式会社スリーハイ
たいちやんtさん
2014年02月04日 11時42分
ありがとう^o^このヒーターで心まで暖かくなりました。