旭区・ズーラシアの非公開エリアにある「繁殖センター」って、何を繁殖している施設なの?
ココがキニナル!
横浜市には「繁殖センター」という施設があるらしいです。何を繁殖しているのか?どこにあるのか?どんな人たちが働いているのか?気になります・・・。(miyukidさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
希少野生動物の飼育・繁殖・種の保存を行う「繁殖センター」。ズーラシアの敷地内にあり、獣医をはじめとする20~60代の“飼育のプロ”が働いている。
ライター:クドー・シュンサク
繁殖センターの研究施設と動物舎へ
ここ横浜繁殖センターには、野毛山動物園の獣医であった所長の須永さんをはじめ、20~60代の“飼育のプロ”である13名の職員の方々が日々、希少野生動物に関する研究や活動を行う。それと同時に、横浜市内にある3つの動物園(野毛山・金沢・よこはま)の研究活動もサポートしているという。
須永さんから研究施設を見せていただけるとのこと
まずは検査室
見渡す限りサイエンスな室内。未知の世界。
研究の
においが
しますな
これはいったい・・・
希少野生動物たちの繁殖について、生態的な検査を行う検査室。排便や尿からホルモンを抽出し、発情しているか否か、繁殖に弊害となる何かが起きていないか等を検査。よって試験管の液体は希少野生動物たちの尿。ここから繁殖における諸々の数字をはじきだす。
写真つきグラフの解説
これは排便の中の代謝物濃度でホルモンの動態を調べ、その傾向で妊娠初期における妊娠診断の可能性を検討するデータ。んー。奥深いサイエンス。
つづいてこちら
遺伝子資源の保存。51種類の精子と3種類の卵子を凍結保存している別名「冷凍動物園」。マイナス196℃液体窒素で細胞を半永久的に保存。これは、100年、200年先を見据え、絶滅が危惧される動物の配偶子や遺伝子や体細胞を絶やさない目的のもの。
配偶子の採取方法は様々であるが、死亡個体から採取しているものがほとんどで、オスの場合には、
電気刺激により精子の採取をする方法が行われることもあるとのこと。
栓があく
この中に遺伝子資源が
ちょっと神秘的な空気に包まれた。ミスティック、サイエンス。
研究塔から動物舎へ移動
繁殖センター内にいる希少野生動物を見させていただくことに。
おじゃまします
その前にエサを管理する施設から
専用バケツで配られる
いざ動物舎
静かである。早朝のお寺くらい静かである。その瞬間「ふぉあ」と聞こえ振り向いた。
ちょっと、驚いた。
バク
マレーバク
マレー半島からスマトラ半島にかけて生息するマレーバク。近年、生息環境の破壊が著しく、絶滅の危惧に瀕している。現在、繁殖センターでは6頭のバクを飼育・管理している。
続いては
カンムリシロムク
ムク
その美しさから高値で取引されるという話になり密猟が乱立。そこに環境破壊が重なり、最も絶滅の危機に瀕する動物に指定されている。
それにしても、美しい。
おっ
おお!
トサカのかっこいいこの鳥はカグー。ここ繁殖センターで8羽から17羽にまで繁殖したニューカレドニアの固有種。日本ではここと野毛山動物園にしかいない。
近づいて声をかけるとトサカを立ててくれるといういいやつ。そして、その懐っこさと、鳥なのに飛べないというところも愛くるしい。
「飛べへんよ」
そして最後は
ホオアカトキ
かつてはヨーロッパにまで分布していたが、現在野生ではわずかながらトルコとモロッコに生息する絶滅危惧種。卵は3~4月の春時期に産む習性がある。
どの動物にも優しく声をかけていた須永さん
謎の繁殖センターには、絶滅に瀕する野生動物たちと、それを守る職員の方々の研究と誠意が潜んでいた。
おじゃましました
取材を終えて
不思議と興奮してしまった繁殖センター。不定期で月に一度、センター内の見学ツアーなるものもあるとのこと。
ご興味ある方は、是非。 特に、カグーがかわいかったです。
ー終わりー
横浜市繁殖センター
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/dousyoku/center/
ホトリコさん
2014年07月23日 12時46分
動物は大好きなので、繁殖センターも知ったかぶってましたが、改めて記事を見て最新の分析機器が沢山ある写真を見て、あ、科捜研だCSIだ、などとこれまた大好きなシリーズドラマまで連想してしまいました。ところで、ひょっとしたらミカドバトっぽい写真が別の鳥として紹介されていたような…細かいところが気になってしまい…だけど繁殖センターを記事にしていただき、第三者としてありがたいかぎりです。
ヨッチャンさん
2014年07月23日 09時42分
ジェラシックパークの繁殖センターを彷彿させるような雰囲気な写真・・・小生だけかな?