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「シーフードドリア」発祥店は横浜にあり!現在に至るまでの歴史や、味へのこだわりは?

ココがキニナル!

ホテルニューグランド発祥と言われ、初代料理長サリーワイルが発明した『シーフードドリア』の話はあまり聞いた事がありません。発祥店のこだわりなどの情報が知りたい(ミューさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

シーフードドリアの発祥地・ホテルニューグランドでは、誕生当時と同じ味を現在も堪能できる。こだわりの3種類のソースが織り成す味は芸術的!

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ライター:コハル

当時と変わらない味に感動!



そんなお話を聞いているうちに、ついにドリアが完成。お待ちかねの試食タイムです。
 


ついに登場! シーフードドリア(2268円・税込)

 
「スプーンをぐっと下まで差し込んで、ライスとクリームとシーフードを全部スプーンに載せて、一緒に口の中に入れてくださいね」と、丁寧にアドバイスしてくださる和田さん。表面のこんがりとした焼き加減が、なんとも食欲をそそります。
 


全部スプーンの上にのせて食べてください

 
熱々のドリアをほおばると・・・。
さすが老舗の味! 今まで食べてきたドリアとは、ひと味もふた味も違う。ソースはこっくりクリーミーで、ライスには味がしっかりしみ込んでいる。クリームとライスが絶妙に絡み合う感じがたまりません。こんなおいしいものが約100年も前に生まれていたなんて素晴らしい。
 


これはおいしい! 初めての味です

 
こちらのドリア、本当に誕生当時の味のままなのですか?

「はい、本当に当時とまったく作り方を変えておりません。時代と共に使用する素材が多少変化することもありますが、基本的には当時のままなんです。ワイル氏の弟子たちがいろいろなところにドリアを広めていますが、当時のワイル氏の作ったドリアの味を再現しているのは、当店と当店直営の横浜高島屋にあるレストラン『ル グラン』だけです」
 


ほかでは食べられない貴重な味

 


シーフードドリアの大きな特徴は?



しっかり堪能したところで、発祥店ならではのこだわりを教えていただく。

こちらのシーフードドリアの大きな特徴は3つ。
 


丁寧な仕事によって初めて完成する味

 
こだわりその1.魅惑の3種のソース

一般的なドリアは1種類のホワイトソースをライスにかけて焼くケースが多いが、こちらのドリアは「甲殻類のスープ(ニューバーグソース)」「ホワイト(ベシャメル)ソース」「サバイヨンソース(卵黄にワインなどを加え湯せんにして泡立てたもの)」の3種のソースを絶妙にブレンドしている。そしてソースをただ「ライスの上にかける」だけではなく、ライスや具材に全体的にからめているからこそ、この味わいが完成するのだという。

こだわりその2.野菜ダシがしみこんだピラフ

ここのシーフードドリアは普通の白いご飯ではなく、細かく刻んだ野菜と一緒に炊きこんだピラフを使用している。野菜のコクがしみこんだピラフが、ドリア全体の味をさらにレベルアップさせているのだ。

こだわりその3.異なる種類のエビを贅沢に使用

2種類のエビを使用することで、異なる風味と食感を楽しむことができる。エビのほかにホタテもゴロゴロ入っていて、なんとも贅沢な一品に仕上がっている。
 


見た目以上にボリュームがありました

 
「元々体調不良の人のために作られたメニューなので、ソースが濃厚なのに、とても食べやすくて胃にもたれることもありません。ですからお子様からお年寄りまで、幅広い年代の方に愛されるんですよ」と和田さん。

この味を愛して親子4代で通い続けるファミリー、遠方から足を運ぶ熱心なファン、一人で何十年も通い続けるおじいちゃん…。この店のシーフードドリアは、今でも大勢の人々に愛されている。
 


この味をぜひ守り続けてほしい

 


実は、プリン・ア・ラ・モードもここで生まれた!



シーフードドリアのお話をたっぷり聞けたところで、もう一つ、和田さんからキニナル情報をキャッチ。

「実は、プリン・ア・ラ・モードも当店で生まれたメニューなんですよ」

ホテルニューグランドは戦前戦後、横浜を訪れる外国人が宿泊する迎賓館の役目を果たしてきた。なかでも、戦後、当時宿泊していたアメリカ人将校の夫人たちを喜ばせるために、シェフたちはデザートを提供することに。

最初は横浜名物のアイスクリームとプリンを別々に出していたが、「日本人には単品でも十分だが、アメリカ人には一つのデザートでは物足りないのでは?」と感じたシェフが、前菜のイワシを盛り付けていた横長のガラス皿に、アイスクリームとプリンの両方をのせて提供したのが「プリン・ア・ラ・モード」の始まりだったという。
 


当時はフルーツの缶詰だったが、現在はフレッシュフルーツを使用(1134円:税込)

 
さらに彩りを添えるためにフルーツの缶詰を添えて出したところ、将校夫人たちは大感激。その後は瞬く間に日本人客の間に評判が広がり、プリン・ア・ラ・モードは当時の大人気メニューになった。

プリン・ア・ラ・モードもシーフードドリア同様、アイスクリームやプリンのレシピは当時のままだという。なめらかな舌触りのアイスクリームと、上品な風味のプリンは絶品でした。

ちなみにプリン・ア・ラ・モードにのっているリンゴは、遠足や運動会のお弁当の中でよく見かける「うさぎりんご」。これもプリン・ア・ラ・モードと同時にここで誕生したそうだが、「実はこれ、うさぎではなくて、矢じりをイメージして皮をカットした『アローズカット』と呼ばれるものなんです」。

ずっと、うさぎちゃんだと思っていました・・・。
 


うさぎではなく、矢をモチーフにしているそうです

 
シーフードドリアに加えて、ありがたいことにデザートまで堪能させていただき、大満足でホテルニューグランドを後にした。



取材を終えて



普段当たり前のように口にしているメニューにも、意外な歴史があるものだ。そんな歴史を感じながら味わえば、また違った感動があるかも。
こちらのシーフードドリアもプリン・ア・ラ・モードも、細部までこだわっているため、大変な時間と手間を要するそう。それでも、当時の味を大切に守り続けているという姿勢に感動。

9月30日までは平日20食限定でシーフードドリア、プリン・ア・ラ・モード、ナポリタンなどが一緒になった期間限定プレート「グルメづくし(3348円:税込)」で、伝統のメニューを一度に味わうこともできる。
 


夢のようなプレート!

 
この歴史的な味を、ぜひ一度体験してみてください。

―終わり―
 

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  • 異国を感じさせるニューグランドなのに「当時の調理場の様子」の写真に写っている梅干をつけるような壷の違和感に笑いました。西洋の中に歴史と日本文化を感じました。これもきっとワイル氏の計らいだったのかも知れませんね。

  • ドリアはイタ飯だと思っていました。確かに疲れた時に食べたいメニューの一つですよね。プリンアラモードもアメリカ的なデザートだと思っていました。また二つ横浜が好きになりました。

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