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横浜市内の縁日や酉の市に出没する謎の「何でも100円おじさん」の正体は?

ココがキニナル!

酉の市で100円でおもちゃのくじ引きの屋台を出している露天商のおじさん。商品はいつ仕入れてる?ゆずの歌にも出てくるって本当?(ちゅーちゃんママさん、こーなーさん、なお♂さん)

はまれぽ調査結果!

横浜市内の縁日などで昔懐かしのおもちゃを販売しているのは、60年のキャリアを誇る川井さん。消費税が上がっても、100円を守り続けている!

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ライター:コハル

キニナル100円おじさんの正体が明らかに!



まずは、これまで謎のベールに包まれていたおじさんのプロフィールをお聞きした。

おじさんのお名前は川井さん。1934(昭和9)年生まれの、なんと現在80歳! 若い! ちなみに下のお名前は「恥ずかしいから、そういうのは勘弁してくれ」とのこと。

川井さんは小さいころから、現在の川井さんと同様に縁日で屋台を出す父親の手伝いをしており、20歳のときに本格的に自分もこの道に進むことを決意したという。

普段は弘明寺商店街の橋の上でベルトやはさみを売ったり、七味唐辛子を調合して販売している。弘明寺の商店街での活動は42年間に渡り、今では商店街のリーダー的存在となっているようだ。

この100円販売はお祭りだけの特別バージョンで、なんと60年以上続けている。最近は近場の弘明寺や横浜近辺を中心に出店しているが、昔は福島・静岡・鎌倉や江の島の縁日にまで遠征したこともあったそう。
 


バイク一台で屋台道具一式を運んでいる。かなり年季はいってます!

 
80歳とは思えない若さのお父さんだが、若さの秘訣は「七味唐辛子のカプサイシンをたくさんとって血行を促進すると肌がぷりぷりするんだよ」とのこと。
 


七味唐辛子パワーでお肌つるつるなのだそうです

 
川井さんが100円で販売しているのは、今はなかなかお目にかかれない、昔なつかしの楽しいおもちゃばかり。

屋台に並ぶおもちゃは、およそ500点ほどあるようだ。アイドルの写真くじなど人気の商品は一部200円で販売しているが、それ以外の商品は消費税がアップしている近年も、一貫して100円という価格を守り続けている。
 


昔なつかしのおもちゃがいっぱい

 
ちなみに、100円という価格設定について妥当かどうかを検証するため、事前に横浜市内の駄菓子屋で似たような商品をチェックしておいた。
 


こちらも同様の商品が100円!

 
一般的に、縁日で販売される商品は相場よりもやや高い傾向にある。縁日でも相場と同等価格で販売している100円おじさんは、良心的と考えてよいだろう。


そんな良心的価格を継続できているということは、何か仕入 れルートに秘密があるのだろうか? 川井さんに商品の仕入れ先を聞くと・・・。

「うちに不思議なおもちゃの木があってね。そこで育ったおもちゃを持ってきているんだよ」と、急にロマンチックな表情で話す。子どもの夢を壊しちゃいけない、という川井さんのポリシーらしい。中原と松山氏がその後何度つっこんでも「秘密」とはぐらかされてしまった。

おもちゃは普通に1個100円で購入する方法と、100円のくじを引く方法がある。100円のくじはアタリでおもちゃ2個(200円相当)がもらえて、ハズレの場合も1個は必ずもらえるというお得なシステム。
 


つまりハズレはなしってことですね

 
と、そんな話をしているうちにお客様がやってくる。しばし取材を中断して、川井さんの仕事っぷりを見守ることにしよう。
 


楽しいパフォーマンスでお客様を楽しませる川井さん

 
この日の川井さんのイチオシアイテムは・・・。
 


シャッターを押すと見える景色が次々変わる(たぶん変わらない) 不思議なカメラ(100円)
 

デヴィ婦人が愛用しているという(おそらくしていない)ジュエリー(100円)など

 
そんな仕事っぷりを見ながら、合間にちょこちょこ質問をさせていただく。せっかくなので、川井さんのプライベートな一面も探ってみよう。

「趣味は仕事かな。動くのが好きで、じっとしていられないんだよ。仕事以外といえば・・・15年前まではパチンコなんかもやっていたけれど、今はおいしいもの食べることかなぁ」。最近の川井さんのお気に入りは「てんやの天丼」とのこと。

それにしても、1個100円なんて価格で販売していて、ちゃんと利益は出ているのだろうか?

「あの、ここってどのくらい売り上げがあるんですか?」という、ぶしつけな中原の質問に対して、「いや、そんなに儲からないよ(笑)。酉の市で売ってる熊手の“中サイズ”の値段と同じくらいかな・・・」と答えてくれた川井さん。


熊手の“中サイズ”の値段は残念ながら分からないが、一つの商売を60年以上も続けているというのはとても素晴らしいこと。商売を成功させる秘訣を尋ねると・・・。

「弱音を吐かずに地道に続けることだよ。忍耐・辛抱・我慢、この3つを常に忘れちゃいけない」
 


辛いこともあったが、お客さんの喜ぶ顔に支えられてきた

 
これまでの60年間、雨や風に泣かされたこともあった。仕事に慣れていない若いころは、必死で先輩の仕事を見て学び、何とかこれまで続けてきたという。しかし、この仕事を本当に「やめたい」と思ったことはないそうだ。
 


勉強になります!

 
「それから、おもしろく楽しく働いてみんなの人気者になること! あとは、珍しい物を売ることもポイントだね」

ありふれた食べ物や流行のおもちゃを相場価格で売るのではなく、「100円という破格の値段で提供すること」「今どき珍しいレトロなおもちゃを売り続けること」によって、ほかにはない個性を出し、商売を成り立たせるのだという。
 


確かに、こういうおもちゃって今は貴重ですよね

 
人気者の川井さんには、長年のファンも大勢いるようだ。おもちゃよりも川井さんの顔を見ることを目的に立ち寄ってくれる常連さんや、小さいころ通っていたお客様が大人になって、自分の子どもを連れて会いに来てくれることもあるという。

「毎年酉の市に来ると、子どもたちをおじさんのところに連れていくんです」という、コウくん、ヒロくん、お父さんお母さんの4人ファミリー。
 


川合さんと記念撮影!
 

「おじさんに会えなくなると寂しい。ずっと頑張ってほしい!」と話す人もいました

 
みんなに愛されている100円おじさん。

「昔は町に一つは駄菓子屋さんがあって、こんなおもちゃがたくさん買えたんだよ。今の時代の子どもたちにも、こういうおもちゃが買える場所を与えてあげたいからね。消費税が仮に10%になっても、引き続き100円で売り続けるよ!」と笑顔で話してくれた。

最後に、横浜が生んだ人気デュオ「ゆず」の『夏祭り』という曲に、「100円おじさん遠くの方で笑っている」というフレーズが登場することについて本人に聞いてみたところ・・・。
 


「?」

 
当の本人は曲のことも「ゆず」も知らないとのこと。

無事100円おじさんの取材を終えて、晴れやかな気持ちで酉の市を去ろうとする中原と松山氏。すると・・・。
 


でた! 熊手! すっかり忘れていましたが、これが酉の市のメインなのです

 
そういえば、さっき川井さんが「売り上げは熊手の“中サイズ”くらい」と言っていた。参考までに熊手を販売している男性に、熊手中サイズの値段を聞いてみる。
 


男性「うーん、物にもよりますけど、3~4万円くらいですかね」

 


取材を終えて



余計なお世話かもしれないが、ちゃんと売り上げがあって、川井さんがおいしいものを食べられているなら良かった。

80歳という高齢ながら元気いっぱいで仕事をして、子どもたちに夢を与え続ける川井さん。そんな川井さんから、取材を通してパワーをもらえた気がします。
横浜の縁日や酉の市に行く機会があれば、ぜひ川井さんの姿を探してみてください!


―終わり―
 

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  • 自分は、根岸橋商店街でよく見かけ致します。この川井さんには、あだ名が有ります。わたしは、子供の親なのですが、子供たちからは、「どくちゃん」と呼ばれています。タイムボカンの「ドクロべい 」から、来ているそうです。声が似ているので❗❗ ヒロ

  • なつかしい!!って言っても未だに色んな縁日で見ますけどw取材どおり、このおじさんには弘明寺の商店街で夏の縁日38(サンパチ)で毎年お世話になってました^^ 30年前から外見が変わらない不思議なおじさん(笑)『な~んで~もひゃ~くえ~んひゃ~くえんだよぉ~♪』の歌は忘れない記憶です!!小さいときの記憶では、くじの紙やじゃんけんするけど、結局なんでもOKという^^ 今年もお酉さまにいるかな~。今は子供がおせになってます!

  • 横浜の縁日といったら100円おじさん!とても懐かしいです!子どもの頃は縁日に行くたびに必ず立ち寄って買ってました。縁日の他の露店(特に物)はどこも300円が相場なので、小学生の少ないお小遣いを考えると100円で好きなおもちゃが買えるのは本当にありがたかったです。よくお母さんに「くじ引きは高いからダメだけど100円おじさんならいいよ」と言われていたのを思い出しました。そんな子供のころの楽しい思い出から、大人になった今また縁日に足を運ぶようになったのですが、地元の藤棚の他にも伊勢佐木町や弘明寺の縁日でも100円おじさんが露店を出していることを知り、いつでもどこでも変わらない横浜の縁日の風景に毎回癒されております。

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