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根岸の滝「不動滝」の水源はどこ!?

ココがキニナル!

根岸の不動あたりに滝があります。「滝の上」や「滝の下」という地名もあるようで。そこにある滝や、神社?が気になります。その滝の水がどこからきているか、また、神社との関係は!?(礼さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

滝の水は根岸の丘の地下水と思われる。昔、根岸の丘の井戸から不動明王像が見つかり、井戸から水が溢れ出して滝になったという言い伝えがあった。

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ライター:橘 アリー

 


白滝不動尊像が祀られているお堂


井藤さんによると、この不動尊像、元々は磯子区上町の「宝積寺(ほうしゃくじ)」のものであるとのこと。
 


こちらが宝積寺


「宝積寺」は鎌倉時代に開かれたお寺で、正式には、真言宗明王山不動院宝積寺といい、ご本尊は不動明王であるようだ。

宝積寺に白滝不動尊のお堂について伺ったところ「白滝不動尊について分かっている内容は『磯子の史話』という資料に詳しく書かれている」と教えていただけた。

そこで『磯子の史話』をもとに、井藤さんから聞いたお話と現地の様子を交えながら、滝と白滝不動尊の関係についてまとめてみた。



2体のお不動様が祀られている!?

まずは、お堂に祀られている不動尊像について。現在、お堂は一つであるが、関東大震災以前には屋根が草ぶきのお堂が二つあったよう。右側にあった白滝不動堂には“白滝不動尊像”、左側にあった荒沢不動堂には“荒沢不動尊像”がそれぞれ祀られていたそうだ。

現在は右側にあった白滝不動堂に白滝不動尊像と荒沢不動尊像が祀られている。
 


左が荒沢不動尊像で中央が白滝不動尊像。右は弘法大師像


それぞれの不動尊についても調べてみた。

荒沢不動尊は、98㎝ほどの高さで右手に剣、左手に縄を持っている。作られた年代や作者は不明である。
 


荒沢不動尊像は、とても力強い表情である


鎌倉時代に荒沢不動尊を背負い諸国行脚の修行をしていた修験者が、根岸村に通りかかった際、現在のお堂がある眺めの良い高台にお不動様を背負ったまま腰を下ろして休んだ。

根岸の海は穏やかで眺めが素晴らしかった(※現在は埋め立てられているが、以前は白滝不動尊の階段を降りた辺りまで海だった)ので、修験者は自然の恵みのありがたさを想いながらうっとりとしていたが、やがて日が暮れてきたのでお不動様を背負ったまま立ち上がろうとした。
 


現在の階段前からの眺望


しかしお不動様が岩のように重くなってしまい修験者は立ち上がることができなくなってしまった。お不動様がこの地を気に入っていつまでもここに居たいのだと思った修験者は、村人に協力してもらい、ささやかなお堂を建てて本尊として祀ることにしたそうだ。

そうして村人も「根岸の里を気に入ったお不動様」として拝むようになった、というのがこの地に荒沢不動尊像が祀られたいわれである。
 


現在は、高台なので眺望は良いが、埋め立てによって海までは遠くなってしまっている


次に白滝不動尊は、45㎝ほどの高さの像で両手をしっかりと握りしめている。
とても古いもので天台寺門宗(てんだいじもんしゅう)の開祖である知証大師円珍(ちしょうだいし・えんちん)が作ったと伝えられているそう。
 


白滝不動尊像は、穏やかな表情である


その昔、根岸台地のへり(縁の方)に、コンコンと水が湧く池があった。永禄のころ(1558~)この池の下に外記(げき)という人が住んでいたそうだ。

ある年、空に暗雲がたちこめ、その雲が竜巻のように舞い降りて来た。さらに物凄い集中豪雨となり、池から水があふれ周囲は濁流にのまれてしまう。そうして外記の家の上には崩れた土砂が山のように降り積もった。

豪雨が去った後、外記は家を掘り出そうと山の中腹の辺りまで掘り進むと、そこに井戸のような洞穴を見つける。そしてそこから霊光がさし、中から一体の仏像が現れた。
 


現在は不動堂のすぐ上が工事中。外記も、このように土を掘り返して進んだのだろうか・・・


外記は仏像を家に持ち帰って仏壇に納めたが、夜になると仏像から一条の光がさすので、家に置いておくのはもったいないと宝積寺に預けることにした。

お寺でも本堂に安置して供養を続けたが、夜になると光り続けたので「元の地へお帰りになりたいのだろう」と考え仏像が見つかったところへ行ってみると、そこに岩屋を見つけた。仏像をその岩屋へ納め法要をいとなむと、仏像は光らなくなったそうだ。

その後、文禄のころ(1592~)仏像が現れた井戸から、清らかな水が湧き出し滝のように崖から流れ落ちた。

その夜、外記は「われは不動明王なるぞ」というお告げの夢を見たので、岩屋の脇に草ぶき屋根のお堂を建てお不動様を祀ることに。その後も、流れ落ちる水は湧き続けたので人々はそれを白滝と呼ぶようになった、といういわれがあった。
 


不動堂の境内の様子。中央の木の下の辺りも水が湧き出ている
 

木の下の岩に祠がある


このお話から不動滝と不動尊の関係が読み取れた。

まず井戸の中から仏像が現れた。それは不動明王で、安置して供養をしたところ清らかな水が湧き出し、それが白滝と呼ばれる滝となったようだ。そして現在、滝は不動滝と呼ばれ、お堂は白滝不動尊として2体のお不動様が祀られることになったのだ。

この不動尊は祀られて以来、霊験あらたかという話が広がった。その噂は房総半島や三浦半島まで広がり、不動堂の下には明治時代の中ごろまで茶屋や旅籠などが軒を連ねていたそうである。

そして、毎月28日には不動尊の縁日が行われ境内は人で埋め尽くされたという。夏の縁日には、海辺で花火が打ち上げられ非常ににぎわっていたようだ。
 


1871(明治4)年当時の根岸海岸の様子(『磯子の史話』より)


なお、前述の関東大震災以前にあったお堂は1870(明治3)年に建てられたもので、そのお堂は堅い岩山の上にあったにもかかわらず、関東大震災で全壊してしまったという。しかし、根岸村の人々の家は1軒も倒壊しなかったそうである。

これは、お不動様が身代わりとなってくれたのだと村人たちは思い、大正から昭和の初めごろに不動堂の復興に努力して、現在のお堂が建てられた。

現在でも、毎月28日には、不動を信仰する近隣の方々がお念仏講を行っているそうである。
不動滝は水量が極端に減ったものの、現在でも枯れることなく流れ続けている。

そして白滝不動尊は、今でも近隣の方々に大切に祀られている。



取材を終えて

現在でも、お不動様のご利益はあるようで「大学入試の祈願に来た学生が、合格後にお礼のお参りに来た」という話も取材の中で聞くことがあった。
また白滝不動尊は、横浜の弘法大師二十一ヶ寺(弘法大師と縁のあるお寺のこと)の十六番霊場になっているそうだ。

白滝不動尊までの階段は100段ほどあり、登るのはちょっと大変だが、現在でも「霊験あらたか」と言われているところなので、訪れてみてはいかがだろうか。
 


ちなみに、階段は2つあり
 

お堂から見て右側の上下に真っ直ぐの急なものが・・・階段ですが・・・男坂と言い
 

左側のものが・・・階段ですが・・・女坂と言うそうである


一気に上りたい方は男坂を、ゆっくりと上りたい方は女坂を登るとよいのでは。


―終わり―
 
 
 

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  • 滝之上は母校のあるところ。関心をもって拝読致しました。勉強になりました。

  • 水源までは分かりませんが、写真付英字新聞ザファーイースト1870年11月1日号では、「白滝不動の水は病を治す霊水として信じられているが、上の耕地の排水の役の小川から引かれている」と記されています。大野利平衛氏訳。また、明治39年の土地宝典にはその小川とも見えるものが(断定はしませんよ)記されています。

  • 川の水は飲んでも滝の水は飲みませんでしたか。

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