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桜木町駅のそば屋なのに青汁が人気の「川村屋」の謎

ココがキニナル!

桜木町駅にある川村屋では、岡山のメーカーの青汁を販売している。蕎麦屋で青汁の販売があるのはこのお店以外見た事がない。なぜ、しかも岡山の青汁の販売を始められたのか調査して!(keinakatさん)

はまれぽ調査結果!

桜木町の駅そば「川村屋」の青汁は、日本で初めて作られた由緒ある青汁。5代目社長が愛飲していたため、同店でも販売することになった。

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ライター:山崎 島

この

青汁はどこから来たのか



この青汁についてお話を伺ったのは、1900(明治33)年創業の川村屋6代目社長・笠原成元(かさはら・しげもと)さん。
 


何度もはまれぽの取材を受けてくださってます

 
川村屋の温かさの理由が分かるお人柄の笠原さん。川村屋の歴史は以前別の記事で触れていますので、今回はズバッと青汁について伺った。

この青汁は投稿にもあった通り、岡山県に本社を構える「有限会社遠藤青汁友の会グリーンライフ」の製品。岡山県倉敷中央病院の名誉教授でもあった遠藤仁郎さんという医療博士が、1944(昭和19)年に三つ葉を絞ってジュースにしたところから始まり、10年後の1954年(昭和29)年に現在と同じ、ケールを原料とした青汁を開発した。

開発者の遠藤博士にちなんだ「遠藤青汁」と名付けられ、徐々に全国へと普及されていったそう。それまで青汁というものは日本にはなく、遠藤博士の奥様が命名したという、まさに青汁の原点だった。
 


すごい青汁

 
この青汁は主に岡山県で栽培されている無農薬のケールを100パーセント使用しており、効能は「血の濁りが減り、抵抗力が強くなる」のだとか。ざっくりしている。何故ケールなのかは、ミネラルやビタミンが多く、1年中収穫でき、味がいい野菜だからですって。

「今はさまざまな会社が青汁を出していますが、ほとんどが粉末か冷凍の製品です。ですが私は、野菜は生のものが一番栄養のあるものだと思っています」と笠原さん。

現在、生の「遠藤青汁」は渋谷と銀座の「青汁スタンド」と川村屋でしかいただけない。乾燥させた粉末・顆粒・錠剤の製品もあるが、そちらは旅行などでやむを得ない時に飲むものらしい。徹底してますね。
 


銀座の青汁スタンド。子どもからお年寄りまで利用する(遠藤青汁グリーンライフHPより)
 

こちらも川村屋で購入できる(遠藤青汁グリーンライフHPより)

 
有限会社遠藤青汁グリーンライフ友の会は「遠藤青汁」を全国に広めるべく、1954(昭和29)年に発足された。同社は製品を売るというよりも青汁を飲む習慣を広めるという姿勢が強いように感じる。

笠原さんも「遠藤博士は“その時にある野菜を使って自分で青汁を作ってください。どうしても作れない時は販売しますよ”というスタンスなんです」とおっしゃっていたし、いただいた資料にも、ケールの種を販売し自家栽培して青汁を作れるようなサービスがあった。商売よりも日本人の健康を考えているのが伝わってきて、良いと思った。



そんな青汁が何故横浜に?



日本の青汁の原点である、由緒正しき「遠藤青汁」。そんな青汁が何故、横浜で、そして川村屋で販売されることになったのか。こちらは笠原さんだけでなく岡山県の本社にも電話にて取材をした。

1962(昭和37)年に、遠藤青汁友の会取締役の田辺さんという方が当時あった中区の「横浜会館」にて青汁スタンドを開設。同年に中区尾上町5丁目にある神奈川県中小企業会館(現:公益財団法人神奈川産業新興センター)に移転しており、こちらは銀座青汁スタンドの前身とされている。
 


青汁スタンド開設より前だけど1955年の中小企業会館の写真(フリー画像より)
 

現在の様子

 
横浜に出店した理由を、当時を知る会社の方に伺うと「横浜で材木店を営んでいた方が、“遠藤青汁”を愛飲していて是非横浜でも販売してほしいと呼んでくださり、横浜公園(現:横浜スタジアム)でチラシを配ったのがきっかけでした。当時の県会議員の方がお見えになり、横浜会館で青汁スタンドをやったらいいとおっしゃりました。その後すぐにその建物が閉館してしまうということで、中小企業会館に移りました」とのこと。
 


青汁ひとつでもこんなに歴史がある

 
その青汁スタンドの常連客の1人だったのが、5代目社長の小野瀬せんさんだった。1985(昭和60)年に中小企業センターの建物の建て替えが決まると、それまで「遠藤青汁」を愛飲していた人たちのためにも、川村屋で販売を引き継ぐことにしたそう。

「どうしてそば屋が青汁を置いているのか、不思議に思う方もいらっしゃると思いますが、例えばおしゃれなカフェで青汁を出すと違和感がありますよね。西洋風のものと汁という漢字は合わない。ですがそば屋なら、汁という文字はしょっちゅう使いますから共存することができます」と笠原さんはおっしゃっていた。
 


確かに!

 
取材前に感じた「違和感の無さ」はそういうことだったのか!

「昔は多いときで1日130杯ぐらい出ました。今ではいろいろな会社が青汁を出していることもあり、70杯ほどに減ってしまいました。ですが毎日飲みに来られる方もいますし、最近では若いお客さんも増えていて、青汁を飲みながらお客さん同士で会話を楽しむ方たちもいらっしゃいます。こうして飲み続けている方たちがいるから、売り上げが落ちても販売はやめられません」と笠原さん。
 


毎日「遠藤青汁」を飲みに来られるという方(写真右)と

 
116年もの間、横浜で多くの人のお腹をいっぱいにしてきた川村屋がおススメする「遠藤青汁」。その1杯の中に溢れんばかりの愛情を感じられた取材だった。



取材を終えて

小学生のころ、青汁って苦行の代名詞だった。「青汁ぐらいまずい」とか、「青汁の刑」とか言いあっていた記憶がある。そんな青汁の原点となる製品と出会えたなんて、思いのほか感無量だった。


―終わり―
 

川村屋
住所/横浜市中区桜木町1丁目1桜木町駅構内
電話/045-201-8500
営業時間/平日6:30~20:00、日・祝日7:30~20:00
定休日/12月30日~1月3日
  

この記事どうだった?

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  • 調査ありがとうございました!販売する事になった経緯とかよくわかりました。岡山では家庭への早朝宅配サービスがある美味しい青汁です。川村屋さんのおかげで横浜でも気軽に飲めて感謝です!

  • ずっと謎だった川村屋の青汁を取材して頂きありがとう御座います。毎朝桜木町駅を使っているので、今度飲んでみます!

  • 20年前にバイトの雇い主に何回か連れて行かれて、飲まされたなぁ。「飲まされた」なんて失礼ですよね。身体に良いことはわかるのですが、どうしても…。(^^;;; 桜木町駅が変わった時に無くなっちゃったのかと思っていました。今でもあるんですね。今度飲みに行きます!

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