三崎港のドリンク持ち込み自由で試食できる太っ腹な干物店に直撃!
ココがキニナル!
三崎港近くの海沿いにあるマグロの干物屋。試食が無料で食べ放題、ドリンクも持ち込み自由という話ですが。その太っ腹な理由と、どのくらい長く試食した人がいるのか、キニナル!(スさん)
はまれぽ調査結果!
鈴木商店ひものや友兵衛で試食ができるのはお天気の良い土日だけ。「三崎を楽しんでほしい」という思いから、ドリンク持ち込みOKにしている
ライター:やまだ ひさえ
昔ながらの干物
鈴木商店の干物は、全て国産の材料を使い、市内にある自宅の作業場で加工。店に来て天日干しにして仕上げる。
味は大きく分けて2種類。塩味のものとミリン干しだ。それぞれ69年受け継がれてきたこだわりがある。
まず、干物の定番、ヒラキは、魚を開いたあと海水より濃い目の塩水に12時間漬けて作る。塩水に漬け込むのは、昔から漁師の家で行われてきた方法だ。塩味が均一になじむだけでなく、臭みもとれる。
定番のアジの開き(6枚1050円)
塩水に漬けることで味が均一になる
ゆっくり塩を馴染ませていくので、焼いても身がふっくらしている。
もう一つの味、ミリン干しは、種類によって漬け込み時間が異なる。
サンマ(上、180円)、マグロのホホ肉(左、150円)、カジキマグロのミリン干し
カジキマグロは大きさによって値段が変わり、1枚150円から200円。サンマとカジキマグロは、淡白な味なのでタレが染み込むのが早いため30分ほど漬け込んでから干すが、クセのあるマグロのホホ肉は手がかかる。
まず、48時間かけて血抜きをし、それから48時間タレに漬けこむ。干すまでに4日かけている。
仕入れた直後のマグロのホホ肉
干しあがったホホ肉の干物
しょうゆが染み込み食欲をそそる色に仕上がった、マグロのホホ肉の干物。牛肉のような風味だ。タレの味は、季節や天候によって微妙に調整する。どんなときでも共通しているのが、「タレを毎回、新しく作ること」だと、上川さんは話す。
タレを使いまわすと、魚から出た水分で濁りや臭みの原因となりおいしい干物にならないという。これも69年間受け継がれてきたこだわりだ、おいしく、しかも色を美しく仕上げる秘訣だ。
干物なので干す時間にも気を配っている。
特に気を使うのは、サンマの丸干し(1本150円)
サンマの丸干しは、一昼夜、塩水に漬けたあと、30分干して、すぐに冷凍する。ワタの苦味を出さない、一番おいしくなる干し時間が30分だ。
現在、三崎でも自分で加工し、天日干しを行っている干物店は鈴木商店くらいだ。手間がかかっても昔ながらの天日干しにこだわるのは、お日様に当てることで旨みが増すからだという。
手間の分以上においしいのが、鈴木商店の干物だ。
太っ腹試食の理由
鈴木商店の名物といえば試食だ。土曜日と日曜日の限定だが、試食用の干物を焼くための七輪とイスが置かれている。
店先には七輪がセットされている
試食に使われるのは“キズモノ”とよばれる部分
上川さんは、一人で切り盛りする店の合間をぬって、試食用の干物を焼く。使うのは、漁のときについたキズのある部分や小さい切り身などの“キズモノ”と呼ばれるものだ。
匂いにつられて足を止めるお客も多い
試食でも鈴木商店の味を堪能できる
上川さんがどんな忙しくても試食を続ける理由は、自分の店の味を知ってほしいことはもちろんだが、三崎に遊びにきた人に良い印象を持ってもらいたいという願いも込められている。
だからだろうか、こういうお客さんを見ると焼きに力が入るという。
お酒を持ち込み!
アルコールやペットボトルの飲料など飲み物の持ち込みはOKだ。取材当日も、お酒に合って、子どもにも好きそうなものをとカジキマグロとマグロのホホ肉のミリン干しを焼いて提供していた。
隣が酒屋さん。すぐに飲み物を調達できる
キニナルの投稿にあったような「食べ放題」ではないが、「キズモノ」がなくなったり、上川さんが焼きに手が回らなくなった場合は終了なので、節度をもって「試食」してほしい。
家に帰ってからの美味しい食べ方の伝授も忘れない。干物がおいしいのに加え、上川さんとの干物談義が楽しくて、飲み物を買いに行く人も多いという。
この親子もお土産に干物を購入
最後に、上川さんに教えてもらった自宅でおいしく干物を食べる方法をご紹介。
干物は、フライパンにクッキングペーパーを敷いて焼くと、煙も出ず、くっつくこともなくうまく焼ける。この時、火加減には注意だ。ミリン干しは特に焦げやすいので、細めの中火くらいで焼いたら上手に焼けた。
じっくり中火で!
そのまま食べてももちろんおいしいが、身をほぐしてから温かいご飯に混ぜると、一味違ったおいしさを楽しめる。ゴマ、ノリのほかにシソ、ネギなどの薬味を乗せたらできあがり。
お薦めはサンマのミリン干し。甘辛いタレでご飯がすすむ。
ご飯がすすむ一品になる
昔ながらの味を受け継いでいる鈴木商店ひものや友兵衛。試食は食べ放題ではないが、十分に満足できる。
飲み物片手に、立ち寄ってみてはどうだろうか。
取材を終えて
久しぶりにおいしい干物を食べた。これにつきます。
ごちそうさまでした。
―終わりー
鈴木商店ひものや友兵衛
住所:三浦市三崎1-1-13
電話番号:046-882-5151
営業時間:10:00~17:00
定休日:雨天休業
bubukaさん
2018年04月11日 22時31分
ここの干物大好きでよく買いに行きます。アジとイカ好き!
∵さん
2016年04月05日 09時59分
干物は本当に禍々しい世界で、漁港で売っているからてっきり地魚なのかと思ったら西日本や外国語の書かれた段ボールから取り出して並べているだけ…なんてのももはや珍しい光景ではなくなっている始末で。こちらのように地元で揚がった魚を干して売っている店なら、安心できますねー。さらに、房総や伊豆方面などには1階で干物を売り、奥や2階で定食などとして焼いて食べられる店がちらほらとあります。三崎にもこういう店があると、ドライブやツーリングのよい目標になるので、もし存在するならはまれぽさんで紹介してもらえたら嬉しいですね。
ホトリコさん
2016年04月03日 13時12分
子供の頃の朝食には必ず、干物の魚が出ていたな。安いからか?「エボダイ」がほとんどで、たまにアジやサンマだったっけ。