実は三浦で作っていない? 名産「三浦ダイコン」の真相とは?
ココがキニナル!
三浦大根は1980年を境に作付けが激減し、実は三浦ではあまり三浦大根をつくっていないらしいですね。三浦大根を取り巻く現状が気になる。(紀洲の哲ちゃんさん)
はまれぽ調査結果!
三浦ダイコンの出荷量は三浦半島で生産するダイコンの1%。だが、正月用の食材として毎年、年末に首都圏に向け出荷し根強い人気を誇る
ライター:やまだ ひさえ
三浦ダイコンを守る
現在、三浦ダイコンを生産している農家は、市内でも50軒ほどだ。そのうちの1軒で、公務員を定年退職後に家業の農業を継ぎ、三浦ダイコンの栽培を引き継いだという長澤進也(ながさわ・しんや)さんに話を聞いた。
長澤さんの作る三浦ダイコンは片手では持てない
最近は消費者のニーズに合わせ三浦ダイコンも小ぶりになってきたが、長澤さんがこだわっているのは昔のような大きな三浦ダイコンだ。
大きく育てるために、ダイコンを植える畝(うね)の間隔を広くすることがポイントだという。青首ダイコンなら20cm間隔で大丈夫なところを、長澤さんは倍の40cmも取っている。
3000本の三浦ダイコンを栽培している畑
同じ面積の畑で青首ダイコンなら1万本ほど収穫できるが、三浦ダイコンではその3分1にも満たない。
近くの畑の青首ダイコンと比べると巨大さが際立つ
ペットボトルが小さく見える
一番太い部分で49cmもあった
青首ダイコンなら片手で抜ける
三浦ダイコンは両手を使わないと抜くことはできない。つまり、それだけ重労働だということだ。
それでも求めてくれる人がいるので、身体が続く限り大きな三浦ダイコンを作り続けるという長澤さん。収穫した三浦ダイコンは、作業所を兼ねた長澤さん宅の直売所で販売される。
国道134号線沿いに直売所がある
電話がないので直接行くしかない
自家栽培の採れたて野菜が並ぶ
目を引くのは、やはり三浦ダイコン
大きさへのこだわりは青首ダイコンにも生かされているのか。市販のものより大きい。
販売担当は奥様の清美(きよみ)さん
店の奥でダイコンを洗っている
長澤さんの三浦ダイコンは共同出荷を行っていないので、直売所で手に入れるしかない。「2月までは販売しています」とのことだ。
三浦ダイコンの味わう
三浦ダイコンは煮ておいしいダイコンだ。最近では生産量が減っているためか、地元でも家庭で料理することは少なくなったし、総菜屋さんでも見かけることもない。
長澤さんの三浦ダイコンを仕入れ三浦の味を守り続けているのが、三崎港産直センター「うらり」に手作りの惣菜とお弁当の店を構えている「民宿あほうどり」だ。三浦ダイコンの煮物を作るというのでお邪魔させてもらった。
自宅が作業場になっている
メニュー開発担当の女将の渡辺真理子(わたなべ・まりこ)さんと、盛り付け担当の母親の妙子(たえこ)さん、そして調理担当の娘の華子さんという母・娘・孫の女三代で三浦の味を伝えている。
真理子さん(左)と母の妙子さん
作るのは三浦市の特産品を最大限に生かした煮物、「マグロダイコン」だ。
三浦ダイコンは、下ゆでしたあとマグロを煮たダシで煮る。「最近の三浦ダイコンはアクが少ないので、普通にゆでれば大丈夫」だと言われた。
マグロの旨みをたっぷり吸った三浦ダイコン
別に煮ておいたマグロと一緒に盛り付ける
三浦ダイコンの直径は10センチもある
この大きさ。家庭用のお鍋で大量に煮るのは難しそうだ。
三浦の特産品を合わせた「マグロダイコン」(1パック280円)
三浦ダイコンは繊維がしっかりしているので煮崩れないダイコンだ。面取りをしなくてもきれいに仕上がる。
味はというと、煮ることでダイコン自体の甘みが増し、トロッとした食感に仕上がっている。マグロの旨みを吸い込んだ三浦ダイコンは、最高のご飯の友だ。
三浦ダイコンが手に入る2月いっぱいの限定メニューで、昔を懐かしむ地元の人にも人気が高い。
取材を終えて
今や貴重品になってしまった三浦ダイコンだが、たくあん農家の松本さんのように自宅用に作っている農家は多いし、市内なら年が明けても直売所で手に入れることは可能だ。
久しぶりに食べた三浦ダイコンは、やっぱり美味しかった。
―終わりー
三浦市農業協同組合
住所:三浦市初声町下宮田3024-1
電話:046-888-9005
HP:http://www.ja-miurashi.or.jp/index.html
松本農園
住所:三浦市南下浦町上宮田3536
電話:046-888-0899
ホトリコさん
2017年01月08日 12時00分
三浦大根は見かけなくなっていたのではなくて、生産数が減っただけでまだ作っていたんですね。マグロ大根食いてえ。
ポスポスさん
2017年01月04日 06時52分
最近赤かぶのような赤い大根も三浦特産として売っているのを見かけます。そたらも甘くて柔らかくて生で食べても美味しいです。天ぷらでもどうぞ!と販売してたおじさんに言われたけどまだやってません