横浜で唯一現存する外国資本の銀行建築! 旧露亜銀行ビルとは?
ココがキニナル!
旧露亜銀行ビルは奇跡的に解体から逃れ、いまは結婚式場として再生されています。関東大震災にも横浜大空襲にも負けずハマの街を見続けてきた建物。当時の内装や雰囲気などが残っているのか(栄区かまくらさん)
はまれぽ調査結果!
現在の旧露亜銀行ビルは95年前の姿を残しつつ、外観は塗り替えられ、内観は結婚式場としてリノベーションされている。
ライター:すがた もえ子
ウエディングでは一棟まるまる貸切
旧露亜銀行ビルで行われるウエディングは、フロアごとや時間ごとで利用するのではなく、ビル全部を貸し切りで利用する形だ。
今は友人知人用の控室に使われている50~60人規模の部屋
この控室は、可愛らしくリノベーションされているが、床のタイルなどは当時のまま。壁も塗り替えてはいるが当時の物だ。
壁の装飾は昔からあるもの
そして、結婚式場のメインとなっているのがチャペルだ。通常のバージンロードは平面だが、ここは赤いカーペットが敷かれた大階段になっている。
大理石でできた階段で、文化財的にも貴重な場所だという
壁や階段は一面が大理石でできている
22段の階段をのぼると現れるチャペル
チャペル部分は露亜銀行時代にロビーとして使われていた場所になる。昔は銀行を利用する人々でにぎわっていたのだろう。
天窓からは自然光がふりそそぐ
いすはイギリスのマンチェスター教会で実際に使われていたアンティークものを使用している。建物が有形文化財なので、ステンドグラスとともに本物にこだわったのだという。
マンチェスター教会とは特に大きなつながりがあったわけではないが、本物にしか出せない重厚感を感じていただきたかった為に選んだとのことだ。これは家具など新しいものをそろえると、どうしても作られた感がでてしまうためで、歴史ある建物のチャペルで感動的に挙式を行うには本物が必要だったという。
ステンドグラスもマンチェスター教会から譲り受けたものとのこと
オルゴールの共鳴台。チャペルにオルゴールの音色が響く
この共鳴台もアンティークでドイツから持ってきたものだ。1639年製で、コインを入れるとその重みで再生できるというもの。挙式をした新郎新婦が、保管している自分たちのオルゴールを聞くことができるのだ。
続いて案内されたのが、チャペルの左側に通じる親族の控室に使われている部屋だ。
上品さがただよう場所だ
この部屋は有形文化財としての保存箇所が多く、暖炉や楕円形の窓、主柱など、95年前の姿がそのまま残されていた。
当時は最先端だったアーチ形の窓枠
95年前から変わらない暖炉
この主柱があったから関東大震災を乗り越えられたのかもしれない
近代建築で横浜に今も残されている建物の中で、関東大震災より前に建てられたものは数少ない。見学してみて、旧露亜銀行ビルも95年前の最先端の技術を用いて建てられていたことを改めて知ることができた。
続いて披露宴会場へ
この部屋は披露宴会場としては横長の形をしている。
「そのおかげで距離が近くなり、アットホームなウエディングになるんです」と門田さん。チャペルが格式高いものなので、メリハリのある1日が過ごせるのだという。床はフローリングに張り替えたが、柱や壁などはそのまま残している。
旧露亜銀行ビルは1棟を貸し切って式を挙げることができるので、挙式と披露宴をあわせて4時間ほど有形文化財を堪能することができるのだ。
通常は式を挙げた結婚式場に戻って来ることは無いけれど、有形文化財として長く残る旧露亜銀行ビルは、挙式後も記念日に足を運んでもらったり、お子さんやお孫さんも同じ場所で結婚式が挙げられるよう、いつまでも続く式場にしていきたいとのことだった。
取材を終えて
関東大震災や戦火を逃れ、激動の時代を駆け抜けてきた旧露亜銀行ビル。現在は95年前の姿をとどめながら、新郎新婦の幸せな時間を見守っていた。
―終わり―
取材協力
音の教会/ラ・バンク・ド・ロア
住所(サロン)/横浜市中区山下町74-1
電話/045-277-1122
営業時間/平日11:00~20:00、土日祝10:00~20:00
定休日/火曜
http://www.loa-co.jp/
タンクさん
2017年01月12日 19時32分
以前、改装前にはバイクやらが前に放置されてたりもしましたが、改装して活用されるようになってからはそんなことも無くなりましたね。建物の価値を無くすことなく活用できているいい例だと思います。
Tomo-Chanさん
2017年01月09日 02時27分
60歳以上のハマッ子にとって、このビルの地下にあった バー「スリー・ネイションズ」が懐かしいです。確か「スカンディア」と同じ系列だったのでは?