JR横浜駅の横須賀線ホームに潜む3つの謎に迫る!
ココがキニナル!
JR横須賀線の拡幅工事は完成?/なぜ「総武快速線直通 東京行きです」という自動放送?/アナウンスと電光表示版が「電車」と「列車」の表記がある(マルタさん/そうてつボーイさん/skrsngさん/浜岩さん
はまれぽ調査結果!
JR横須賀線の拡幅工事は一応完成。「総武快速線直通 東京行きです」という自動放送はなかった。電車と列車の使い分けはJR独自の区分けによるもの
ライター:岡田 幸子
謎2:「総武快速線直通東京行き」に迫る!
次、「総武快速線直通東京行き」についてだ。「そうてつボーイ」さんからのキニナル投稿には・・・
「JR横須賀線の東京行きって、なんで『総武快速線直通 東京行きです』っていう自動放送なの? 少しも総武快速線には行かないのに… 自動放送代をケチったの?」とある。
同ホームには、横須賀・総武線(快速)、湘南新宿ライン、成田エクスプレスなどが停車する
このうち、横須賀・総武線(快速)の上りで、日に数本だけ、「東京」駅止まりとなるものがあるのだ。
6駅、およそ31分のご乗車で終点「東京」でーす
2016(平成28)年12月のダイヤで確認すると・・・
平日では午前5時55分、午前7時8分、午前9時57分、午後8時52分、午後11時43分。
土曜・休日では午前5時22分、午前7時11分、午前9時15分、午前11時5分、午後12時20分、午後3時12分、午後10時8分、午後11時43分に「横浜」駅を発車する便がこの仕様だ。
日に5〜8本ある「東京行き」の横須賀線だが、キニナルによると、この列車へのアナウンスが「総武快速線直通東京行き」となっているというのだ。横須賀線はそもそも「東京」駅と「久里浜」駅を結ぶ路線。ここは正しくは「横須賀線東京行き」なのではないかというわけだ。
というわけで、目当ての列車を待ち構えてみる・・・
「横須賀線東京行き電車がまいります」
あれ? 「総武快速線直通東京行き」なんて、言ってない!?
念のためこちらもJR東日本横浜支社広報室に問い合わせてみる。と、「当方でも確認してみましたが、ご指摘のような自動放送は流れておりませんでした」とお答え。「以前は流れていたのか?」も資料がなく不明とのことだった。
謎2結論:「総武快速線直通東京行き」のアナウンスは、現在流れていない模様。
謎3:「電車」と「列車」、なぜ統一しない!? に迫る!
さて、最後に当記事内でも悩んでしまった、「電車」と「列車」の表記についての謎に迫ろう。「浜岩さん」の投稿によると・・・
「横浜駅の横須賀線ホームのアナウンスと電光表示版に『電車がまいります』と『列車がまいります』の2パターンがある。表示とアナウンスはきちんと合わせているようだが、その理由を調べてほしい」とのこと。浜岩さんによれば、東海道線はみんな「列車_で京浜東北線は横浜線ともみんな「電車」で統一されているそうだ。
執筆者のはしくれとして、表記統一はそれなりに重大な問題。天下のJRさんに表記統一のユレがあるなんて! と、オカダもキニナッてきた。
待ち構えてみる、と・・・
「9番線、電車がまいります」
「10番線、列車がまいります」
ほんとだ!
「電車」と「列車」、どんな区別があるのだろう。まずは『広辞苑 第六版』(岩波書店)の定義にあたってみよう。
「でん-しゃ【電車】主電動機を備えた旅客車・貨車およびこれと連結運転される旅客車などの総称。ひろく電化された鉄道一般の意味にも用いる」
「れっ-しゃ【列車】鉄道の本線路を運転する車両または車両の連なり」
ふむふむ。つまり、鉄道を運転する車両または車両の連なりが「列車」で、そのうち電気で動くものが「電車」ということか。
しかし、現在このホームに入ってくる列車の動力は、いずれも電力だ。なぜ「電車」表記の便と、「列車」表記の便に分けられているのだろう。
JR東日本横浜支社広報室さま、みたびご教示ください!
と、ホーム端から「JR東日本横浜支社」を仰ぐ
「JRでは、路線の長さに限らず、おもに都市の近郊を走り、近距離の快速や各駅停車の系統が走行する線路を『電車線』、主に都市間を走る長距離の特急・急行や、中距離の快速・普通列車、貨物列車などの系統が走行する線路を『列車線』と分けて区別しています」
な、なんと! 同じ電力で走る電車でも、JRではその運行形態によって表記を分けているというのだ。
横須賀線は都市近郊の近距離を走る「電車線」だから「電車がまいります」と表現、湘南新宿ラインは長距離を走る「列車線」だから「列車がまいります」の表現となっているということらしい。
ちなみに「成田空港」行きは「電車」でした
さらに、JR東日本広報室によると、「電車線」では主要駅にしか10秒単位で厳密にダイヤに従う着発時刻が設定されておらず、主要駅以外の駅では着発の目安とする標準時刻のみを設定して運行。対して、「列車線」では基本的にすべての駅で着発時刻が定められているという違いもあるのだという。
知らんかったなぁ
謎3結論:「電車」と「列車」の使い分けは、運行形態によるJR独自の区分によるもの。比較的近距離を運行する路線は「電車」、比較的長距離を運行する路線は「列車」。
取材を終えて
毎日当たり前に利用している駅ホームだが、「言われてみるとキニナル謎」がこんなにも潜んでいた。
謎いっぱいの「横浜」駅
「神奈川のサグラダ・ファミリア」、まだまだ進化の途上にあるようだ。
ー終わりー
取材協力
JR東日本横浜支社広報室
※駅構内の写真は、特別な許可を得て撮影させていただきました。
ushinさん
2017年07月04日 21時20分
しかしながら、その貨物線を走る列車の中には、いかにも「機関車ですよ~」というそしらぬ顔で、実は電車の足回りにコンテナ乗っけて走っているやつも居たりする。(ヘタな特急電車より速い!)
3838さん
2017年06月30日 15時17分
横須賀線には昔から電車しか走っていなかったのに対し、東海道線は数年前まで、機関車が客車をけん引する形態の寝台列車があり、電車以外の旅客列車が実際に存在していた、という理由もあるのではないでしょうか?また、横浜駅付近は別線を通るものの、貨物列車も電車ではないですね。
ushinさん
2017年02月05日 02時09分
基本は総武快速直通運転を前提としながら、東京駅で車両交換が発生したり、ダイヤ上東京始発千葉行きが待っていて即乗り継ぎできる便に関して、直通という表現を設定することはあり得る。