JR戸塚駅と大船駅をつなぐ県道、一部区間が未整備の理由とは?
ココがキニナル!
県道大船停車場矢部線が事業開始から31年経過しても開通のめどが立たないとの記事が載ってました。現状どうなっているのか調査をして欲しい。また今後の見通し等も分かれば調査して欲しい(横浜初心者さん)
はまれぽ調査結果!
県道大船停車場矢部線は、横浜市が管理している県道。道路改良事業は用地取得のため、任意で立ち退きを求めているが、取得に時間がかかっている。
ライター:小方 サダオ
歩道の狭い道路を周辺住民はどう思っている
道路沿いの地主Aさんに伺うと「私たちは道路をまたいで土地を持っていました。そのため道路も土地に含まれ、道路の分も固定資産税も私たちが払っていました。東海道線の線路と道路の間の土地が道路になるそうですが、そこには以前、韓国人の経営する簡素なお店や、鉄クズ回収業の会社、また焼肉屋や小さい工場がありました。その人たちは拡幅工事に伴って立ち退きました」
韓国人の経営する店があった場所
コメントにあった、線路と道路の間にある建物を古い地図で確認してみると・・・
倉庫、ガレージ、小料理屋などがある(青矢印)(戸塚区明細地図 1973〈昭和48〉年)
スナック、鮮魚店、工場などが並ぶ(緑矢印)(同)
ガソリンスタンド、木工所、アパートなどがある(紫矢印)(同)
現在の地図で見るとこのあたり(Googlemapより)
次に蔵田寺付近で、前出の歩道が狭くなる前の広い区間にあるお店の店長に伺うと「ここも以前は歩道が狭かったので、広くなって良かったです。歩道がないところでは人がすれ違えませんし、すれ違うために車道に膨らんで歩くので、車にぶつかったことがあります」
「また横道に入ろうと曲がる車と、出てくる車がぶつかる事故もありました。そのため、横道の場所に歩道と信号を作ることを訴えてきました」
横道(青矢印)への出入りで事故が起きることがあるという(Googlemapより)
事故が起きやすい横道
横道に入ろうとする車が道路をふさぐ場合もある
「事故はたまに起こります。バスは幅があるためか、車との正面衝突もありました。また戸塚方面から来ると道路が左に寄り始めているところで、中央線に寄りがちになり、対向車とぶつかりやすくなります」
戸塚方面の車(青矢印)が中央線に寄りやすいあたり(赤矢印)で対向車(緑矢印)にぶつかりやすくなる(Googlemapより)
「また未整備区間はスクールゾーンになっていますが、子どもたちにとって危険な道路と言えます」
車道に出た子どもを避けて走るバス
「ベビーカーの利用者などは、人が来るとすれ違えないため、どちらかがガードレールの外に出たりすることがあります」
ベビーカーの利用者などは車道にはみ出しやすい
歩道が狭いため、歩行者が車道にはみ出してしまうことが危険なようだ。
また、あるお寺の関係者に伺うと「拡幅の計画が出た時に、小屋のような焼き鳥屋が出来ました。1年ほど経ってどこかに行きましたが、経営者は、道路予定地と知って建物を建てて立ち退き料を請求するつもりだったようです」とのこと。
道路予定地と知り立ち退き料を請求するつもり建物を建てた人がいるという
また道路から少し離れた店の店主は「線路と道路の間の土地は国鉄のものだったのに、戦後のどさくさに紛れて勝手に家を建てた人たちがいたそうです。それは外国人が建てた小屋などで、線路沿いに並んでいました」と話してくれた。
現在では、線路沿いの道路予定地は、立入禁止となっている
そこで再度地主Aさんのもとに行くと、前回話を聞かせてくれた方の妹さんが「土地は国鉄のものではなく、Oさんなど付近に住む個人の持ち物でした。しかし、戦後の混乱期にその土地に、くず鉄を集めている外国人などが勝手に会社を建てたようです」と聞かせてくれた。
土地の所有者ははっきりしているようだ。
また拡幅工事に関しては「この道路は危険で不満だらけです。私たちは拡幅するというから土地を明け渡したのですが、そのすぐ後に3階建てのビルが建ちました。拡幅の話はなくなったのかと思いました。なぜ市側が建築を許可したのか不思議でした」
3階建ての建物の建設を市が許可したことが不思議だという
続いて拡幅予定地に土地を持つお店の方に話を伺うと「当店は昭和初期からお店をやっていて、予定地の場所を物置き場にしてきました。以前から、道路拡張の話はありましたが、私たちのところに話が来たのは、2015(平成27)年の8月です」
「その後11月に市の担当者が来たときは『予算がないから、いつになるか分からない』とのことでしたが、2016(平成28)年の3月には『事業を開始します』と言ってきたのです。新しい物置き場を考えなくてはならないので、細かい話は、市の担当者とまだ行っていません。来年には、本格的に事業が始まるのではないでしょうか?」
ある土地所有者の元に市の担当者が来たのは最近だという
「以前この道路の問題を取り上げた報道によると、『予定地に土地を持つ人たちがどかないから事業が進まない』というように書かれていましたが、私たちに初めて話が来たのは2015(平成27)年ごろで、交渉を長引かせたりしていません。私たちは協力するつもりです」という。
「当店の所有地は市による拡張工事の調査は済んでいます。しかし、道路拡張の話があり、立ち退いた家もあったのですが、撤収後、3階建ての独身寮が建ちました。私たちは『なぜ市は道路予定地に建築許可を出したのだろう?』と思っていました」と話してくれた。
道路拡張の話の後予定地に3階建ての独身寮が建ったという
やはり前出の道路建設の話が出た後に3階建ての建物が出来たことに、不思議に思う人は多いようだ。
続いて、道路予定地内に土地を持つある地主に伺うと「私たちの持つ土地をバス停にする案がありました。私たちは許可をしたのですが、この土地の中にたった一坪をある人が持っていて、その人が反対をしたためダメになりました」とのことだった。
わずかな土地を持つ人の反対でバス停は作れなかった
土地所有者には協力的な人もいるが、反対する人もいるようだ。その反対者たちのために工事が進まないのだろうか?
戸塚土木事務所の担当者に話を伺う
続いて戸塚土木事務所道路係の担当者に話を伺うと「県道大船停車場矢部線に関しては改良すべき道路であるとしており、1984(昭和59)年から道路拡幅を進めてきましたが、一部道幅が狭く未整備の区間が残っています」
「道路拡幅の件に関しましては、進捗はあまり進んでいませんが、懸命に取り組んでおります。周辺住民の皆様にはこの件で協力していただくことがあるかもしれません」とのこと。
道路拡幅事業には、市は懸命に取り組んでいるという
道路拡幅の話があった後、3階建ての独身寮の建設を市が許可をしたことに関しては「県道大船停車場矢部線は都市計画道路(都市計画法に基づいて定められた街づくりに大きく関わる道路)ではないため、拡幅事業に対して強制執行は考えていません」
「さらに横浜市が管理している道路の改良に伴う拡幅工事の用地取得には、任意でお願いしていますので、時間がかかっている状況です。道路改良事業は強制的ではなく、あくまでも話し合いの中で取得する姿勢を取っています」と答えてくれた。
都市計画道路ではないため任意で土地の取得を目指しているという
取材を終えて
都市計画道路ではない、市道の改良に伴う拡幅工事などの場合は、市は任意の姿勢で臨むため、予定地に家が建ってしまったりと事業が進みづらいのは仕方がないのだろうか。
ほかの道路計画がある場所では、道路建設に伴う強制執行に左右される住民の話を聞くが、強制的に進めることができないことで、完成しづらい道路もあることが対照的であった。
強制力がないといつまで経っても完成しない道路もあるのかもしれない
―終わり―
INUさん
2017年02月21日 01時41分
アホらしい。の一言。
Q-cahnさん
2017年02月21日 00時50分
半端な道路計画や再開発計画は、止めて欲しいこの道路も都市計画道路になって居ないことを理由にしているが、都市計画道路になっても何十年も買収されない場合もある。色々な箇所で計画だけ作って棚晒し状態にするのでは無く、計画したら10年以内に事業化し終わらして行かないと事業費は膨らみ結果も出ない。買収される側も、いつ立ち退く必要に迫られるにかも判らず、建物の建て替えも行えない。この件でも直ぐにでも買収出来るところを放置して、建物が建ってしまう悪循環。道路整備のやり方変えようよ!
詮議いたすさん
2017年02月20日 16時36分
うーん、こんな「見る人が見れば丸わかり」という個人情報を晒す必要があるんだろうか?