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人口減少に歯止め? 消滅可能性都市・三浦市の新たな試み、空き家バンクとは?

ココがキニナル!

三浦市で「空き家バンク」が開始。お試し移住できる「トライアルステイ」と併せて「消滅可能性都市」が目指す人口増への取り組みとは?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

「空き家バンク」を活用してお試し移住を促す「トライアルステイ」を実施。三浦市長も人口増加のきっかけとして期待

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ライター:やまだ ひさえ

移住第1号家族。夢の実現と直面する問題点



トライアルステイの参加をきっかけに三浦市初声町下宮田(はっせまちしもみやだ)に新居を構えた家族がいる。

お試し居住後の移住第1号となったのは横浜市旭区から転居してきた吉山(よしやま)さん一家だ。
 


移住第1号の吉山さん宅
 

2017(平成29)年6月28日に引っ越し。晴れて三浦市民となった吉山さん一家は、ご主人の昌輝(まさき)さん、奥さまの恵子(けいこ)さん、2歳になるみどりちゃんの3人家族。
 


取材時、恵子さんは妊娠中。まもなく新しい家で、新たな命を迎える
 

吉山さん一家がトライアルステイに参加にしたのは、2016(平成28)年、第2回の第1期。インターネットで知った昌樹さんの発案だった。

島根県出身の昌樹さんは、ふるさとのような自然豊かな場所で子育てをしたいと、移住に意欲的だったという。同市初声町和田(わだ)の1軒家で1ヶ月を過ごしたトライアルステイの最中も、逗子、横須賀、三浦と積極的に物件探しをしていた。
 


見つけたのが下宮田の分譲地だった
 

「庭が取れる広い土地がほしかった」という昌樹さん。敷地面積90平方メートルの分譲地を購入し、注文住宅で完成させたのが現在の新居だ。念願だった庭は、引っ越し後、自分の手で作っている。
 


庭造りのための道具が置かれている
 

恵子さんの希望は広いキッチン。そのキッチンから子どもの姿が見えること。
 


ゆったりサイズのキッチンは恵子さんの希望どおり
 


子どもが遊ぶ様子もばっちり見える
 

横浜時代はマンション住まいだったため、上の住人の音が気になったという昌樹さんと恵子さんだが、1軒家に住むことでその問題も解消された。
 


元気に遊ばせても騒音の心配はない
 

引っ越し当初は、慣れない階段にしんどい思いもしたという恵子さん。でも、みどりちゃんは階段がお気に入り。何度も上り下りして遊んでいたという。

通勤は、最寄駅の三崎口駅まで徒歩で13分。会社のある京急線黄金町駅までの通勤時間は約80分。横浜時代と変わらないという。京急線1本で通勤できるというのも下宮田に決めた一因だ。
 


三崎口駅から電車1本で通勤できる
 

子育てがひと段落したら三浦市内で働きたいという恵子さんにとって、「待機児度ゼロ」というのが移住の決め手の一因だが、それ以外の部分で市の子育て支援には心配があるという。

引っ越し時、妊娠中だった吉山さん一家が直面したのがお産をする産院問題だった。

2017年10月現在、三浦市には婦人科の病院はあっても、お産のできる施設がない。1952(昭和27)年、三浦市唯一の総合病院として開設された三浦市立病院は、産科医不足のため、緊急時の帝王切開などの対応が困難として2007(平成19)年度に産科を廃止している。
 


お産のための設備は整っているのだが
 

市立病院事務局長の佐藤安志(さとう・やすし)さんによると「再開したいという希望はあるが、現状では厳しい」という。

三浦市には昔から学区などの関係で横須賀市と三浦市を合わせた「横三(よこさん)地区」という概念がある。

医療に関しても同様で「横須賀三浦医療圏」が形成されており、近年、横須賀市内には分娩可能な病院が増加している。市立病院で産科廃止後、市内で唯一お産が可能だった塩崎産婦人科も2017年9月上旬で分娩を終了すると発表した。
 


唯一分娩可能な病院だった
 

吉山さん一家も移住後、直ぐに塩崎産婦人科に分娩の予約を入れたが、すでに産科の閉鎖が決まっていたのか断られたという。恵子さんは「何かあったとき、近くに産院がないのは不安」という思いを抱えながらも横須賀市内の産院で出産することとなる。

子育て支援、もう一つの心配が小学校問題だ。
 


小学校も親にとっては頭が痛い問題だという
 

三浦市は、吉山さん一家の住む初声町のほかに三崎、南下浦町(みなみしたうらまち)の3つに分かれており、それぞれが学区を形成している。

吉山さんのお子さんは、初声町にある市立初声小学校に通うことになるのだが、自宅からだと遠い。子どもだと徒歩で30分以上もかかる。
 


自宅前の急坂が通学路になる
 

スクールバスを利用すれば良い、と思われるが、三浦市には専用のスクールバスはない。学校によって京急の路線バスが通学時間に合わせスクールバスとして運行しているだけだ。

また、路線バスを利用するにしても吉山さんの最寄のバス停から直通で初声小学校まで行けるものはない。市内の渋滞ポイントの一つ、引橋(ひきばし)で乗り換えなければならない。
 


最寄りのバス停までは子どもの足でも5分ほどだ
 

学区問題に関して市教育委員会学校教育課の木川大悟(きかわ・だいご)さんによると「家庭の事情などで指定校を変更することは可能。入学前に「就学通知書」が届くので、その際に相談してほしい」とのことだ。

好き嫌いで指定校を変えることはできないが、通学時間など家庭の事情を考慮される可能性は高い。
 


子育て支援は問題山積だ
 

空き家バンクの担当者である鈴木さんと岩崎さん、そしてトライアルステイの担当者である瀬戸さんと澤口さんに、吉山さんが懸念している子育て支援について聞いてみた。

「子育て支援は市全体として取り組むべき問題であり、市民の声は担当部署に必ず伝えます。トライアルステイを通して今の三浦市を見て、体感して、移住につなげてもらいたい」との回答をいただいた。

都会に住んでいた人には三浦市での生活は不便に感じることも少なくないだろう。昌樹さんは「でも海の匂いがする三浦市が好きです」と、移住の感想を教えてくれたのが印象的だった。
 


この風景が三浦市の最大の魅力だ
 



取材を終えて



3回目となる2017年のトライアルステイは、9月29日から10月16日まで応募を受け付けている。

三浦市に興味のある方は、この機会を、ぜひ利用してもらいたい。


―終わりー
 
三浦市役所
電話:046-882-2111
三浦市役所HPhttp://www.city.miura.kanagawa.jp/

空き家バンクHP:http://www.city.miura.kanagawa.jp/keikaku/akiya/bukkenn_jouhou.html

トライアルステイHP:http://www.city.miura.kanagawa.jp/hisho/trialstay.html
 

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