横浜DeNAベイスターズの加賀繁・G後藤武敏、両選手の引退試合をレポート
ココがキニナル!
横浜高校出身、松坂世代の後藤選手の引退式があります。相手は中日で松坂投手は選手として試合には出れなさそうですが何かしらのサプライズがありそうです(fire_jiさん)
はまれぽ調査結果!
CS争いの真っただ中で2人の引退試合が行われた。ファンに惜しまれつつ、加賀・後藤の両選手が現役生活にピリオドを打った。松坂投手は花束を贈呈した
ライター:田中 大輔
最後の「代打・後藤」。切り札のフルスイング
加賀の引退から一夜明けた22日。今季のホーム最終戦となるこの日は、G後藤武敏選手の引退試合。
横浜では代打の切り札として生きてきた後藤らしく、この日もベンチに控え出番を待った。
現役最後の日も、変わらず代打の切り札。「代打・後藤」のコールを待つ
その機会が回って来たのは7回裏。先頭打者として送り込まれ、中日の先発・笠原祥太郎(かさはら・しょうたろう)投手と対戦した。初球から後藤らしい豪快なスイングを見せるが、1ボール2ストライクから空振り三振。前に飛ばすことはできなかったが、3つのストライクはすべて空振り。しっかりとフルスイングを見せてくれた。
試合前に「代打での活躍、印象に残る勝ち方を見せてくれた選手だった」と後藤の思い出を話してくれたファンの一人、菅野さんは、「最後までフルスイングを見せてほしい」とファンの気持ちを代弁するように話していたが、その通りの姿にファンたちも惜しみない拍手を送った。
ファンフェスで見せてくれた明るいゴメスも好きだった、と菅野さん
チームが4対2で勝利し、連勝を4と伸ばした後は、後藤との別れの時間。加賀同様、引退セレモニーが行われた。
背中にもGOMEZ。このユニホーム姿もこの日限りとなる
スペシャル映像では、ファンの間ではすっかりおなじみとなった「ゴメス」というあだ名の由来から、松坂大輔(まつざか・だいすけ)投手、小池正晃(こいけ・まさあき)コーチとともに大活躍を見せた横浜高校時代の映像、当時の監督であった渡辺元智(わたなべ・もとのり)さんからのメッセージなどが紹介された。
「16年前、西武ライオンズに入団してから9年、うれしいことも楽しいこともいっぱい経験させてもらいました」とスピーチを切り出した後藤は、「そして、7年前に第二の故郷・横浜に帰って来ました」と続ける。
スピーチ中、声を詰まらせる場面もあったゴメス
「横浜スタジアムの代打に出たときの大声援、ゴメスコール、本当にうれしかったです。ありがとうございました」とファンへの感謝、そして「まだまだCS出場に向けて選手はもっともっと頑張ってくれると思います。皆さん、大きな声援をよろしくお願いします」とチームへのエールも送り、「松坂世代の一員としていられたことに感謝し、今日引退します。本当に今までありがとうございました」と目を潤ませがらスピーチを終えた。
松坂世代の特別な絆
後藤に花束を贈ったのは、その「松坂世代」の2人。DeNAベイスターズからは小池正晃コーチ、そしてドラゴンズからは松坂大輔投手が、後藤の元へ歩み寄った。
3人は大粒の涙をこぼしながら、きっと本人たちにしか分からない思いを胸に、言葉を交わした。
20年前、日本中の野球ファンを驚かせた3人。万感の思いで
さらに後藤が「最大の感謝の気持ちを込めてお礼を言いたい」と話した家族からの花束。2人の子どもたちから花を受け取った後藤は笑顔を見せた。
2人の子どもたちもお父さんに花束を贈った
この後、後藤はリリーフカーでスタジアムを一周し、紙テープと応援歌が飛び交う中、スタンドに手を振り続けファンとの別れを惜しんだ。
「ゴメス」コールの大合唱の中を、ゆっくりと一周した
このタイミングでドラゴンズの選手たちはロッカールームに引き上げたが、空っぽの三塁側ベンチに一人だけ。
ただ一人、三塁側ダグアウトに残ったかつてのチームメイト
盟友の姿を見届けたた松坂は、後藤を胴上げするために集合したDeNAベイスターズの選手たちの輪にも加わる。もちろん、小池コーチも一緒だ。
後藤の大きな体が宙に舞い、現役生活に幕。
何度もスタンドに手を振りながら、ダグアウトへと引き上げていった。
取材を終えて
後藤の引退セレモニーの後には、本拠地最終戦を締めくくるセレモニーも行われ、ラミレス監督がファンに感謝を述べた。
ファンへの感謝と、今後の躍進を誓ったラミレス監督
目標に掲げたセ・リーグ制覇は逃してしまった、と話すラミレス監督だが「2位になって必ず横浜スタジアムでCSを戦う。われわれはこのままでは終わらない」と決意を宣言。スタンドからの大歓声を受けながら、セレモニーを締めくくった。
DeNAベイスターズの戦いはまだ続く。
CS出場をかけた熱い、熱い戦いだ。
そんな熱戦の最中、ともに戦った2人に用意された花道。特別な時間が流れ、選手もファンも彼らとの別れを惜しんだ。
大きなタイトルを獲るとか、チームの顔になるとか、そんなタイプの選手じゃなかった。
でも、彼らがいなかったら勝てなかった試合はいくらでもあった。
ピンチで荒れたマウンドをクールにしのいでみせた加賀繁。劣勢の終盤、一振りで場面をひっくり返し、スタンドをお祭り騒ぎにさせた後藤武敏。
長い間、お疲れ様でした。どうもありがとう。
弱いベイスターズから強いベイスターズへ。その転換期を戦い抜き、プロ野球選手としてのキャリアに幕を降ろした2人の思いも背負い、チームは次の試合へと向かって行く。
ー終わりー
嶋崎 大介さん
2018年09月24日 13時50分
二人ともお疲れ様でした。