菜香園

クリアアサヒ2杯で切り上げられるわけもなく、結局、その後もお茶割りを数杯飲んだアタシは、はたと目的を思い出して再び探索開始。駅からほど近い中華料理屋さんの前で晩酌セットなるポップを見付けて眺めていたところ、女性店員さんに声をかけられた。
　
「あと20分で休憩に入っちゃうけど、大丈夫？」
　

　　

創業2009年。駅から徒歩1分の好立地

　
大丈夫も何も、簡単なツマミと1杯ならば20分もあれば十分だろう。そう考えたアタシは、「それじゃあ、少しだけ・・・」と迷わず入店した。

　

酒が進む一品ばかり。晩酌セットの注文はいつでも可
　

2階席もあり、店内は意外にも広い

　
晩酌セット。嗚呼、なんて心地の良い響きなのだろうか。選べる酒と、ツマミ2品がついて1000円ポッキリ。思わず昭和の時代、歓楽街にいたハッピ姿のキャッチのおじさんよろしく「ポッキリ」なんて言葉を使ってしまったし、入店したら税抜き価格だったなんてオチもあったが、まぁだからといって退店するのは無粋だ。「できれば税込1000円以内で」。そう指示された編集部に心の中で謝りながら、チューハイ、焼き餃子とザーサイをオーダーした。
　

この時点でわりと酔っていた

　

ザーサイ、ボリュームあり

　
「しまった」。
ザーサイを一切れ口に入れた刹那、思わず独り言を発する自分がいた。この程よい塩加減は、酒が進むこと必至。15時で休憩に入ると言われていたのに、これではどうにも席を立てないではないか。一気に頬張るのはもったいない。かといって、チビチビ食べても酒が欲しくなるだけ・・・。そんな苦悩を女性店員さんは察してくれたのか。「食べ終わるまでいていいよ」と言ってくれた後に、「まだ何か飲む？」と優しくひとこと。はい、いただきます・・・。
　

宴会も大歓迎とのこと

　
頼んだ品
・晩酌セット1000円
（税込1080円）
　
　
そらや
　　
結局、10分ほど時間をオーバーしてしまって退店。すっかりいい気分で歩いていると、ひとつの立ち飲み屋が目に入った。
「そらや」。ホッピーの赤ちょうちんが何ともいい塩梅だが、それよりもキニナルのが「立ち呑みKING」とのキャッチフレーズだ。一体、何がKINGなのだろうか。その答えを探すべく、意気揚々と暖簾をくぐった。

　

創業2017年。以前は立ち食いそば屋さん
　

店内は立ち飲みスペースが2ヶ所（片方が禁煙）で、厨房はやや広め。売りはお刺身のようだが、ここでKINGの称号も納得のポップを見付けてしまった。「そらやセット」。好きなドリンク2杯（知多ハイボールとかちわりワイン中サイズは除く）と、好きなお刺身一皿で何と1000円。これまた税別であったものの、これは酒飲みのツボを心得たセットと言っても過言ではない。だって、2杯も飲めるんだもの。
　

刺身まで選べてしまうのが嬉しい

　

鰆の刺身を注文。美味

　

これでもかというほどの冷え具合、シャリキンでのホッピー最高

　
菜香園のようにツマミが2品付くセットもありがたいが、2杯飲めるそれは、もはや幸せの領域。「店主さん、どうもありがとう」と握手さえしたくなる気分である。実際、以前は立ち食いそば屋さんを同場所で経営されていたという寡黙で職人気質に見える店主さんにサイト掲載の許可をお願いするべく話しかけてみたら、「はまれぽ、知っていますよ」と、とても気さくな方だった。その気さくな人柄に魅かれる常連さんたちも多いようだ。
　

予算があれば、本日のスペシャルも攻めたかった

　

店内のあちこちにはメニューが張られており、ツマミも豊富

　
頼んだ品
・そらやセット1000円
（税込1080円）
　
湘南台駅には、湘南文化センター・プラネタリウムくらいのイメージしかなかった。正直、あまり期待はしていなかったが、なかなかどうして、酒飲みの心をくすぐる街であった。「また、必ず飲みに行こう」。すっかり酩酊した夕刻時、駅から相鉄線に乗い込んでふと目を閉じると、気が付けば横浜駅だった。長いまばたきだったなぁ。
　
　

取材を終えて

　
湘南台駅に昼から安く飲めるお店はある。ただ、基本的には税別表示であり、ホントに1000円だけを握りしめて飲みに行くと困ったことになるかも。消費税分も財布に入れておこう。
　
　
－終わり－
　
　
取材協力
鳥海山
住所／藤沢市湘南台2-1-1
電話／0466-45-7288
営業時間／12：00～24：00
定休日／無休

菜香園
住所／藤沢市湘南台2-3-3祥和ビル1F
電話／0466-44-2826
営業時間／月～土11：00～15：00、17：00～25：00（日曜日のみ24：00）
定休日／無休

そらや
住所／藤沢市湘南台2-10-6
電話／0466-47-6317
営業時間／15：00～23：00
定休日／月曜日

※情報は取材当時のものです