2020年3月開通予定「横浜北西線」の工事進捗をレポート!
ココがキニナル!
横浜環状道路の北西線の工事が順調のようですが西側区間の進展が気になります。(ふぅーさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
2019年10月の工事の進捗状況は約80%、横浜青葉JCTから横浜港までの所要時間は20分にする! 今後の工事は道路の舗装、標識や照明などを設置し、2020年3月に開通予定
ライター:すがた もえ子
仕上げ段階のシールドトンネル
見学の最後はシールドトンネルだ。この場所は「はまれぽ」の記事でも何度か紹介している。
内径11.5メートルのトンネル内部
シールドマシン到着の時も取材したが、現在マシンはその役目を終え、すでに解体されていた。
シールドマシン解体の様子(画像:首都高速道路株式会社)
トンネルは2車線で、上部と下部の2つの空間に分かれている(画像:首都高速道路株式会社)
トンネル内は、床版(しょうばん)で上部の道路空間と下部の避難通路、施設空間に分かれている。
下の空間は空気圧を高くしているので、万が一火災が道路空間で起った場合でも煙が入ってこないようになっている。
トンネル内にはいくつもの防災設備が設置されている(画像:首都高速道路株式会社)
非常用の防災設備には、事故火災の発生を検知する設備として自動火災検知器、テレビカメラを設置、交通管制室、施設管制室が状況を瞬時に判断できるようになっている。
ほかにも押しボタン式の通報設備、非常電話、火災の発生をトンネル内の人に知らせる拡声放送スピーカー、ラジオ再放送設備、水噴霧設備、ジェットファン、消火器、泡消火栓、非常口などが整備される。
水噴霧設備も装備されている
非常電話と自動火災検知器
非常電話を開けるとボタンがならぶ
非常電話は扉を開けるとボタンが並んでいるので、事故、故障、救急車、火災のボタンを選び通報できる。同時にカメラでも中継されるので、交通管制室が瞬時にどこで火災が起きているのかなど状況を把握することができるシステムだ。
押しボタン式通報装置と消火器、泡消火栓の設備
泡消火栓のノズル
泡消火栓のホースの長さは35メートルほど、泡消火の距離は約15メートル。約10分間、消火泡が噴射される。
こちらはすべり台式の非常口
緑色のボタンを押すとハッチが開く仕組み
すべり台式の非常口については、以前の「はまれぽ」の記事でもレポートしたが、道路部分の下にある空間へ避難することができる。
こちらが道路下部の避難通路。空気圧を高くし、煙が入らないようになっている
横浜北西線の整備効果とは?
「横浜市にとって重要な路線になる」と語る高瀬理事(右)
お話を伺ったのは、横浜市道路局横浜環状道路調整担当の高瀬卓弥(たかせ・たくや)理事と首都高速道路神奈川建設局の鶴田和久(つるた・かずひさ)局長。
高瀬理事は「来年3月に開通の運びとなっており、順調に事業を進めてこれました。早期開通に向け期待の声が非常に高く、関心の高い路線になっています」と話す。
北西線は横浜北線と一体になり、東名高速道路と横浜港、横浜都心部を直結する路線となる。横浜経済の活性化や国際競争力の向上、緊急輸送路の確保など様々な整備効果が見込まれている。
「横浜港と羽田を結ぶルートができるので、陸空海が直結し、人や物の流れがスムーズになることが期待されています」と鶴田局長。
災害時の道路ネットワークの信頼性も向上する(画像:首都高速道路株式会社)
非常時の物資の輸送ルートが多重化され、災害拠点となる救急病院へのアクセス性も向上することになる。
「経済効果も大きく、横浜港と東名高速が繋がることで、その先の首都圏、関東北部を含め広域で繋がることができるようになります。その経済効果は計り知れません」と高瀬理事。
東名と北西線を連続利用すると、保土ヶ谷バイパスを利用するよりも割高になる。しかし、保土ヶ谷バイパスは無料だが、交通量は全国1位で1日16万台以上の車が走っており、横浜の湾岸部と東名を結ぶルートは現在この1本のみだ。北西線ができれば所要時間は20分となり、短縮の効果は非常に大きいと見込まれている。
北西線は有料の高速道路だが、ネットワークが2本になる意味は大きく、交通量も見込めるということだ。バイパスの混雑が緩和されれば、北西線の沿線だけでなく地域全体にも効果があるという。
現在の工事の進捗状況は80%ほど。現在は道路の舗装や標識、照明の設置などに取りかかっており、2020年3月の開通を目指す。
取材を終えて
北西線が開通すると、横浜北線と一体になり、横浜北西部と横浜都心、湾岸エリアが繋がり、様々な効果も期待されている。全線開通まであと半年を切った横浜北西線。「はまれぽ」では今後も進捗状況を見守っていきたい。
-終わり-
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取材協力
首都高速道路株式会社
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