南区中村町にある廃墟のような建物の正体とは!?
ココがキニナル!
南区中村町にある、「神奈川県立高等学校教職員組合」という表札がかかったものすごーくレトロな建物の詳細を教えてください。戦前からある建物のようですが…(浅田真央子さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
今年で築85年。元は衛生研究所で、細菌の研究が行われていた。現在は神奈川県教育委員会が管理し、主に倉庫、時にロケ地として活用されている。
ライター:沢村 友美
建物は今後どうなる?
建物内部の見学後、特に気になる三点について聞いてみた。
にこやかに応えてくださった砂田さん
一つめは表札のこと。実際の管理者でなく、貸出先の名前だけを掲げているのはなぜ?
砂田さんによると、理由は「センターとしては単なる倉庫用に表札を作る余裕(予算)がないから」とのこと。
一方で県立高教組は自主的に表札を用意し掲げていたが、古くなり木が朽ちてしまっていた。その際ちょうど現れたのがテレビ局の関係者。今年初め、この場所をロケで使用したのをきっかけに、新しい木で作り直してくれたそうだ。
最近はロケ地として用途が拡大しているとか
この外観をロケに使いたいという要望は、今年に入り増えているらしい。先述のテレビ局で春に放送された連続ドラマ「ステップファザー・ステップ」や、先日シリーズ最終話が放映されたばかりの人気ドラマシリーズ「ハンチョウ」の他、来年夏公開予定の映画「少年H」の撮影でも使われたそう。
質問の二つめは、建物の改修予定。
答えはやはり「予算がない」ため、改修はもちろん取り壊しの予定もないとのこと。現在は耐震構造にさえなっていないので、何か別の目的で使うことも考えにくく、とりあえずは現状を維持していくことになるとか。
窓には割れや補修テープの跡があるが…
三つめの質問は文化財としての登録の可能性。これも「予定なし」。もし文化財として登録するとなれば、以前レポートした「マリンタワーは重要文化財にならないの?」の記事で取り上げたような段取りが必要となる。地元の強い要望などで必要性が高まらない限り、登録は現実的ではないだろう。
取材を終えて
歴史的建造物である県庁本庁舎よりも古く、県民の命や健康を守る重要な役割を担う場所だったにも関わらず、今ではほとんど注目されることのないスポット。そこにどんな価値を見い出すのか、判断は個人に委ねられている。そのために、この記事が少しでもお役に立てれば筆者としてはうれしく思う。
取材に協力していただいた「神奈川県埋蔵文化財センター」では、小中高生を対象にした考古学セミナーや、まが玉づくりなどの体験学習を随時開催している。古いものに興味のある方は、隣の建物の見学がてらに訪れてみては?
予約すれば一般の人も出土品の見学が可能
-終わり-
すいみーさん
2014年09月20日 20時58分
昔妊婦だった頃市立愛児センターに行く途中に良く見ていて、ちょっと気持ち悪いな~と思って通ってました。やっと謎が解けてスッキリしました…でも愛児センターも無くなったそうで、どうなっているのかなと思います。
はまっこ61号さん
2013年10月27日 15時03分
根岸競馬場跡もそうだけど、横浜市ってこういう歴史的価値のある建築がほったらかしですよね。予算がないのか市長に見識がないのかわからないけど実にもったいない。ちゃんと保存すればいくらでも活用方法はあるだろうに。ああもったいない。
nt2010さん
2013年07月18日 08時38分
統合されて無くなった(泣)大岡高校卒業生です。昭和56年入学の二期生ですが入学当初、現存する校舎が完成する前に、仮校舎として使用していた大岡町の旧県商工の校舎もこんなような建物でした。